付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「ラ・のべつまくなし2~ブンガクくんと腐たご星」 壱月龍一

2010-02-21 | 本屋・図書館・愛書家
『花火も、物語も、あまねく生命もすべて終わりがあるからこそ美しい。日本人は、おそらく古くから終わりゆくものの儚さを愛してきたのだろう』
 滅びの美学とかなんとかではなく、物語は語り終えてナンボって話です。創作に対する意識とも言い換えられます。
 考えてみれば、海外のドラマはいつ終わったのかはっきりしないものばかりですが、そのあたりにも意識の違いが現れているのかも知れません。

「ブンガクさんの書く素敵なお話があって、双星さんの描く素敵なイラストがあって、ボクの大好きな『かみたまっ』なんです」
 ブンガクの作品が売れるのに大きな力となっているのは、モノクロ挿絵ですら手を抜かない双子の高校生イラストレイターのイラスト。しかし、その姉弟が絶縁宣言してしまい……。

 ライトノベルにおけるイラストの役割とは、商品を生み出すプロとは何か、創作とは何か、そんなことを青臭くも熱く語り、言葉をぶつけ合いながらの第2巻。同じ作者の作品でもデビュー作あたりは読み進めるのが辛かった部分もありましたが、このシリーズは一気に読んでしまいます。

「なにかを得ることはとても難しいのに、なにかを失うのはあまりにも簡単だ。だが。私はあまりにも簡単にすべてを得すぎてしまったのかもしれない」
 星峰天斗の言葉。

 登場人物たちがみんな誤解はその場で解くようにし、1+1が2になることを理解するだけの頭がある話はちゃくちゃく進みます。不必要にどろどろしていないのはそのせいです。

【ラ・のべつまくなし】【ブンガクくんと腐思議の国】【壱月龍一】【裕龍ながれ】【温泉】【二次創作】【文学賞】【パーティー】【全然】
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「創世記機械」 J・P・ホーガン

2010-02-21 | 破滅SF・侵略・新世界
 天才的な科学者がすごい発明をしたけれど「軍の言うこと聞いて兵器開発しないと首にするぞー」と軍事利用を強要され、断ったら仕事を干され、民間団体に移っても「言うこと聞かないともっと圧力かけるぞー」圧力をかけ続けられたので、ついに「ウガーっ!」キレてしまう話。そこで発明したのが「最終兵器」ではなく「創世記機械」というあたりが良心かな。
 東西冷戦下の1978年に書かれたハードSF。ストーリーはほぼ冒頭に書いたとおりだし、主人公もその周辺人物も科学者か官僚か軍人でキャラクターはかなり類型的。派手なアクションシーンの1つもない地味な話です。でも面白い。

【創世記機械】【J・P・ホーガン】【統一場理論】【東西対立】【ジャンクヤード】
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