「今の子供たちはもっと、親と先生以外の大人に触れるべきなんじゃねえかな。昔の子供が良かったってのは、そこさ。大人にも色々なタイプがいて、色々な生き方があるんだ、って自然にわかったからね。良い例もあれば悪い例もある」
職人・木村栄三郎の言葉。ちゃんと他人の子供でも叱れる大人です。
実際、坂木と鳥井の周囲に集まってくるのは、悪い例ばかりかも。
ひきこもり探偵の第2弾も連作短編集。
坂木が同僚の様子がおかしい原因を探ろうとする「野生のチェシャ・キャット」。
木工教室にやってきた男性と、地下鉄で不可解な行動をとる中学生の謎「銀河鉄道を待ちながら」。
なぜか通りすがりの女子高生に坂木が襲撃されてしまう「カキの中のサンタクロース」。
「災害のとき、というか災害になりそうな状況に置かれたら、迷わず人の少ない方へ行け」
たぶん鳥井真一だったら、そういうだろう。立ち止まって考えろ、場所を変えろ、金を惜しむなと。
人付き合いが苦手で、基本的にコミュニケーションがとれない鳥井と、彼になんとか社会とのかかわりを持たせたいと奮闘する坂木の周りにも、次第に大勢の人たちが集まってきます。最初は二人きりだった食事の卓も、いつしか3人4人と囲む人数が増えていき、鳥井はぶつぶつ文句を言いながらあれこれ腕によりをかけた料理をふるまいます。
それぞれ欠けたところのある人たちが、欠けた部分を埋めるのではなく、欠けているところは欠けたままぴったりと収まる居場所を探す物語です。
「優しくしてあげればいいんだよ。困っている人には、声をかけてあげればいい。なに、簡単なことじゃないか。一番近くにいる人からはじめて、まだ手が届くようだったら、もう少し先の人に優しく。そういう風にしていけば、いつか遠くにも届くだろう?」
一人で世界の悲劇を解決できないと泣き出したくなった中学生の頃の坂木に応えた祖母の答え。
うちの嫁さんはこの言葉を読んで「九州の人みたい」といいました。そうなんでしょうか? 確かにシバムラ的発想と通じるところがあります。
【仔羊の巣】【坂木司】【創元推理文庫】【同僚】【留守電】【自動改札機】【ジャスミン茶】【さなづら】【閉所恐怖症】【有栖川有栖】【うどんすき】
職人・木村栄三郎の言葉。ちゃんと他人の子供でも叱れる大人です。
実際、坂木と鳥井の周囲に集まってくるのは、悪い例ばかりかも。
ひきこもり探偵の第2弾も連作短編集。
坂木が同僚の様子がおかしい原因を探ろうとする「野生のチェシャ・キャット」。
木工教室にやってきた男性と、地下鉄で不可解な行動をとる中学生の謎「銀河鉄道を待ちながら」。
なぜか通りすがりの女子高生に坂木が襲撃されてしまう「カキの中のサンタクロース」。
「災害のとき、というか災害になりそうな状況に置かれたら、迷わず人の少ない方へ行け」
たぶん鳥井真一だったら、そういうだろう。立ち止まって考えろ、場所を変えろ、金を惜しむなと。
人付き合いが苦手で、基本的にコミュニケーションがとれない鳥井と、彼になんとか社会とのかかわりを持たせたいと奮闘する坂木の周りにも、次第に大勢の人たちが集まってきます。最初は二人きりだった食事の卓も、いつしか3人4人と囲む人数が増えていき、鳥井はぶつぶつ文句を言いながらあれこれ腕によりをかけた料理をふるまいます。
それぞれ欠けたところのある人たちが、欠けた部分を埋めるのではなく、欠けているところは欠けたままぴったりと収まる居場所を探す物語です。
「優しくしてあげればいいんだよ。困っている人には、声をかけてあげればいい。なに、簡単なことじゃないか。一番近くにいる人からはじめて、まだ手が届くようだったら、もう少し先の人に優しく。そういう風にしていけば、いつか遠くにも届くだろう?」
一人で世界の悲劇を解決できないと泣き出したくなった中学生の頃の坂木に応えた祖母の答え。
うちの嫁さんはこの言葉を読んで「九州の人みたい」といいました。そうなんでしょうか? 確かにシバムラ的発想と通じるところがあります。
【仔羊の巣】【坂木司】【創元推理文庫】【同僚】【留守電】【自動改札機】【ジャスミン茶】【さなづら】【閉所恐怖症】【有栖川有栖】【うどんすき】