付け焼き刃の覚え書き

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「僕とおじいちゃんと魔法の塔(1)」 香月日輪

2010-02-16 | 日常の不思議・エブリデイ・マジック
「どんどんやれ!! 人間は体制に反抗するものだ。そうやって歴史を作ってきた。お前たちが親という体制に逆らうのは、歴史の必然というやつだ!!」
 孫たちを煽り立てるアナーキーな祖父、陣内秀士郎の言葉。

 陣内家は仲が良く、堅実な家族。けれども、それが小学6年生の龍神には息苦しくてたまらないときがある。
 そんな龍神がサイクリングで出かけた岬で見つけた黒い塔には秘密があった……。

 この世で最も質の悪いのは「善人」だと秀士郎は言います。自分が正しいと信じていることが他人からどう思われているかなど考え無しに邁進する。別の視点というものを持たない人々。歴史的に見れば、そんな狂信者はごろごろいますが、そこまでいかなくても「やらなくていいことにまで口を出す“立派な”人」はいくらでもいるわけで、なんとなくそういう人たちの主張に巻き込まれてしまうのか、あくまで自分の主張を貫けるのか、そんな命題を押しつけられたことを意識した小学生の物語です。
 気になるのはただ1点。p134に「すべからく」の誤用があります。だから「すべからく」は「すべて」の強調形じゃないんだってば!

【僕とおじいちゃんと魔法の塔】【香月日輪】【使い魔】【魔法陣】【徒競走】
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