
ある兵士の言葉。
正面から戦えば、ヴァルデマールとカースが他勢力と連携してさえ、侵攻してくる<東の帝国>を阻止することが困難なのは明白だった。それほど帝国の力は強大だった。
だが、そこに魔法嵐が襲来する。すべての魔法を混乱させ、世界を改変していくような異変を伴う魔力の衝撃波だ。
ヴァルデマールでは、その原因と対策を考えるため、魔法使いや<使者>たちが集結するが、帝国軍では別の仮説にたどり着いていた……。
さまざまな国のさまざまな立場の民が1つの目的に向かって足並みを揃えていく話は好きです。書記官カラルが、状況の把握には論理と数学が必要と判断し,酒場へと急ぐあたりとか。魔法に立ち向かうのは、科学と論理なんだw
また、侵略者である東の帝国が、これまでの敵のように単純に恐ろしくて残虐な敵でないところもミソです。内部の権力争いは熾烈だけれど、支配地においては徹底した法の適用による治安の維持とインフラ整備によって支配されるメリットを享受させ、帝国に取り込んでいくあたりが魔法を使うローマ帝国といった感じかな。
【太陽神の司祭】【ヴァルデマールの嵐】【マーセデス・ラッキー】【末弥純】