
シド・フィンチの言葉。
ニューヨーク・メッツが獲得した新人投手はヒマラヤの寺院からやってきたという不思議な青年だった。彼の投げるボールは、なんと時速270キロ!
ところがそんなボールを受けられるキャッチャーが……。
巻末に40頁以上も野球人・野球小説列伝みたいな「訳注」がついている不思議な小説。中身としては、イギリスで生まれ、ヒマラヤの奥地の僧院で育った若者がメジャー・リーグを引っかき回す……ではなく、周囲が勝手に右往左往して慌てふためくけれど、本人はあくまで揺らがないのです。これも一種の、愚直な田舎者が自らの志を貫く話。
王貞治と柿本実のエピソードがけっこう長くてびっくりしました。
【遠くからきた大リーガー】【シド・フィンチの奇妙な事件】【ジョージ・プリンプトン】【王貞治】【ラマ僧】