付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

働かないアリの法則

2010-09-27 | 雑談・覚え書き
 パレートの法則というものがあります。
 経済活動において「成果の大部分を生み出しているのは、全体の一部の要素にすぎない」という経験則。それで、全体の2割の商品が利益全体の8割を生み出しているというようなバリエーションが尾ひれ付けて出回っているわけです。
 「働きアリの法則」もその1つ。働きアリの2割は熱心に働き、6割は普通で、2割は怠け者というやつです。
 ただ、これも一般に言われているのは俗説。
 追跡可能な出典は、2003年10月30日に北海道大学で開催された、第22回動物行動学会のラウンドテーブル(分科会)で、長谷川英祐氏(北海道大院・農)が「仕事をしないアリがどの集団にも約1~2割いた」と報告したもの。
 ただ、俗説にいわれるように「働かないアリばかり集めたら、やはり2割が熱心に働き出し……」ということはなかったそうです。働かないアリはやっぱり働かないのだ。
 けれども、働かないアリが集団において何の意味もないかは不明。仕事をしないアリを除去すると、それまで良く働いていたアリの作業量が落ちたとかいう観察もされているそうなので、もしかしたら働いていないように見えたアリは、管理職だったり、単なる長期休暇中だったのかもしれません。
 この「働かないワーカー」は他の種類のアリやミツバチなどでも存在するらしく、今後の研究課題なのだとか。

【カドフシアリ】【日本動物行動学会「NEWSLETTER」No.43(2004.1.1)】【個体稼働率】
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「ファンダ・メンダ・マウス」 大間九郎

2010-09-27 | その他SF(スコシフシギとかも)
「奪うな。奪ったものはお前の手では有り余るものばかりだ」

 横浜港の倉庫でくそったれロボットを相棒に倉庫番をしているマウスは、雑誌を読みながら、ときどきボタンをポチンと押すだけのお仕事。どうしてマウスと呼ばれているかというと顔がネズミに似ているからで、高校時代は美人で頭がパープーな異母姉ネーネのためにケンカに明け暮れていた。
 そんなマウスにかつての恩師の娘から電話がかかってきた。困っている!助けてくれ!嫁にもらってくれ!というのだ……

 最初はすごく取っつきにくい。
 なんといってもスラングばんばんのパンクな主人公と、ひらがなでしか話せないオツムは小3以下のネーネを中心に、句読点が少なめの会話が進むので年寄りには読めねーよ!と泣き言を言い始める私。でも、読み出せば一気に行くよね。心に傷を抱えた多彩な登場人物が互いにこづき合いしながらマウスの周りに集まってくる。互いのことを信用していない。もしかしたら憎んでいるかも知れない。でも、この顔は貧相な男のことだけはみんな信じているのだ。殴り殴られ、刺し刺され、騙し欺され……。
 最初はラーメン屋に置いてある青年漫画誌みたいな話だなあと思ったけれど、読み終えてみると口の中に残るのはなんとなくハリイ・ハリスンっぽい香り。
 むふう。クセがあるからクセになるという感じ。 

【ファンダ・メンダ・マウス】【大間九郎】【ヤスダスズヒト】【このラノ文庫】【栗山千明賞】【人工知能】【原理主義者】【愛と狂気】
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