発売前から書店に客注いれていて、やっと到着。地方書店をなめてんな。日販だかアスキー・メディアワークスだか知らないけどさ。
舞台は異世界とか未来なのにそこに住む人間の考え方や行動は現代人のままという話が多いのに、うえお久光という作家は、ありふれた世界が舞台なのに登場人物の思考や行動がまったく異質という話が得意です。うちの嫁さんにいわせると「これこそセンス・オブ・ワンダーだよね」ということになります。この『ヴィークルエンド』もそんな話。
感情を制御できない子供ばかりが生まれるようになって四半世紀。感情を抑制したり呼び起こしたりする補助剤(サプリ)の配合には個人差があり、さまざまなサプリの調合からさまざまな効果が発見されるようになっていた。
そんなサプリ文化の副産物の1つが「ヴィークルレース」。サプリによって知覚を強化し、自分の肉体を乗り物を操るように制御しプログラムすることでおこなう非合法レースだ。指定されたチェックポイントを通過してゴールをめざすため、生身の肉体だけで民家の屋根を駆け抜け、ビルの壁を駆け登っていくのが彼らヴィークルレーサーだった……。
あとがきにも書いてありましたが、これの元ネタはパリクールですね。フランス発祥の移動術で、目的地めざしてどこまでもまっしぐら……という、ドリンク剤のCMでもあったけれど、映画『K-20 怪人二十面相・伝』でも使われてました。あれをさらにスピーディーにしてサイバーパンク的な競技にしてしまったのです。
ただ正式な試合は1回のみで、レースそのものがテーマというより、既に種として違って生まれてきた若い世代と旧人類との葛藤の物語、新人類テーマなのかもしれません。そこで笑いでオチをつけるあたりがうえお久光ですが、この表紙イラストにタイトルでは作者買いする人以外はなかなか手が出ないかも知れません。
「リターンがどうとかじゃなくって、単純に、なにかやれることがあるってだけでも楽しいもんだぜ?」
望月ロクローの言葉。
ところで、メインの登場人物が真田十勇士絡みのネーミングで、主人公だけハトリ、そのパートナーが徳姫ときて、なにかそれっぽい話になるかと思いましたらなりませんでしたね。
【ヴィークルエンド】【うえお久光】【redjuice】【パリクール】【ドラッグ】【もっこり】【ロックンロール】【すっぽんぽん】
舞台は異世界とか未来なのにそこに住む人間の考え方や行動は現代人のままという話が多いのに、うえお久光という作家は、ありふれた世界が舞台なのに登場人物の思考や行動がまったく異質という話が得意です。うちの嫁さんにいわせると「これこそセンス・オブ・ワンダーだよね」ということになります。この『ヴィークルエンド』もそんな話。
感情を制御できない子供ばかりが生まれるようになって四半世紀。感情を抑制したり呼び起こしたりする補助剤(サプリ)の配合には個人差があり、さまざまなサプリの調合からさまざまな効果が発見されるようになっていた。
そんなサプリ文化の副産物の1つが「ヴィークルレース」。サプリによって知覚を強化し、自分の肉体を乗り物を操るように制御しプログラムすることでおこなう非合法レースだ。指定されたチェックポイントを通過してゴールをめざすため、生身の肉体だけで民家の屋根を駆け抜け、ビルの壁を駆け登っていくのが彼らヴィークルレーサーだった……。
あとがきにも書いてありましたが、これの元ネタはパリクールですね。フランス発祥の移動術で、目的地めざしてどこまでもまっしぐら……という、ドリンク剤のCMでもあったけれど、映画『K-20 怪人二十面相・伝』でも使われてました。あれをさらにスピーディーにしてサイバーパンク的な競技にしてしまったのです。
ただ正式な試合は1回のみで、レースそのものがテーマというより、既に種として違って生まれてきた若い世代と旧人類との葛藤の物語、新人類テーマなのかもしれません。そこで笑いでオチをつけるあたりがうえお久光ですが、この表紙イラストにタイトルでは作者買いする人以外はなかなか手が出ないかも知れません。
「リターンがどうとかじゃなくって、単純に、なにかやれることがあるってだけでも楽しいもんだぜ?」
望月ロクローの言葉。
ところで、メインの登場人物が真田十勇士絡みのネーミングで、主人公だけハトリ、そのパートナーが徳姫ときて、なにかそれっぽい話になるかと思いましたらなりませんでしたね。
【ヴィークルエンド】【うえお久光】【redjuice】【パリクール】【ドラッグ】【もっこり】【ロックンロール】【すっぽんぽん】