付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

月刊OUT12月号「超人ロック ついに登場!」 

2013-07-19 | 超能力・超人・サイボーグ
 表紙には大きく「宇宙戦艦ヤマトこおなあ!」とあるけれど、これは単なる読者投稿ページの話なので、本当の特集は「超人ロック」のみ。
 『超人ロック』は、いまだに新作が発表され続けている聖悠紀のSFコミックなのだけれど、そもそもは1967年に肉筆同人誌の回覧用として描かれた作品。それが仲間内で評判となり、2作目、3作目と続いて、ついには自費出版となり、1977年にはみのり書房の「ランデヴー」で5回連載、1979年には「週刊少年キング」で連載開始。以後、「月刊MEG」「ヤングキングアワーズ」「コミックフラッパー」と、掲載誌は休刊・廃刊しても作品は止まらず40年超。
 まさに主人公と同じく不死身っぷりをいかんなく発揮するのですが、この時点では4作目の『コズミック・ゲーム』までしか出ていません(しかも3作目までと4作目では絵のレベルが全然違いますし)。それをあえて総ページ数の半分を費やす大特集! 先物買いの大博打というかなんというか……。

【月刊OUT12月号】【超人ロック ついに登場!】【みのり書房】【科学忍者隊ガッチャマン】【さなぎロマンシリーズ】【SF特撮教室1】【世界初のアニメ小説】
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「海底軍艦(全)」 押川春浪

2013-07-19 | 架空戦記・仮想戦史
「米国が独立国たるごとくヒリッピンもまた独立国たり、この地球上には決して特権ある優等人種あることなくまた奴隷の生涯を送るべき劣等人種あることなし、汝等武侠を魂としてあくまで強暴に抵抗せよ」
 自由・独立・人権はなにより尊いと、フィリピン独立闘争を指揮した南洲翁、大西郷の檄。
 この話、映画化された『海底軍艦』のイメージが強いのだけれど、実際は海洋SFではなく、仮想戦記とか冒険小説のジャンルなんですよね。はっきりいって武侠小説。

 武力にものをいわせ、植民地を拡大していく西欧列強に対抗すべく、大日本帝国の桜木海軍大佐とその部下は南洋の孤島・朝日島に秘密の造船所を建造し、海底軍艦<電光艇>を建艦していた。
 いかに列強の大艦隊といえども、海底からの攻撃には手も足も出ないだろう……。

 『海底2万マイル』と同じく、軍艦が水中を進むだけで超兵器扱いされる時代の物語。
 海賊も悪いし、アメリカも卑劣だけれど、もっとも極悪な敵はロシア帝国。ムウ帝国なんか出てきません……という『海底軍艦』と空中戦艦が登場する続編『武侠の日本』の2作を収録した1冊。アジアを見下す西欧列強を、日本人が中心となって団結したアジアの人民の力で退けて自由・独立を!という、当時の世相を色濃く反映した押川春浪の主張がぎゅぎゅっと詰まってます。

【海底軍艦】【武侠の日本】【海島冒険奇譚】【押川春浪】【桃源社】【スーパーサブマリン】【電光影裏斬春風】【海賊船】【西郷隆盛】
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