第二次大戦下のロンドン。イギリス生まれながら、両親の死によってアメリカの叔母に育てられたマギー・ホープだったが、MIT進学資金のためにイギリスの舘を処分しようと渡英。いつの間にか友人らと同居生活をするようになって1年が経過していた。
そんなにマギーに舞い込んできた仕事は、首相官邸でのタイピストというものだったが……。
数学者なので、その知識を活かした仕事につきたいと思っていても、そういう仕事は自分よりバカな男たちにとられてしまい、カリカリしているマギー。
タイピストなんか誰でもできると思っていたけれど、チャーチル首相の演説原稿や外交文書の清書とか、いろいろ重要な仕事も回ってきます。
出だしの印象と異なってロマンス分は控えめで、戦時下のスパイアクションとしてはヒギンズよりぬるめ。ただ、ロンドン空襲やらIRAのテロを背景に、死んだはずの両親の謎を巡って陰謀が錯綜し、共同生活をしている友人たちとの友情や裏切りなどてんこ盛りで一気に読んでしまいました。
これはこれでアリで、続きが楽しみ。
「わたしたち自身が、この戦争の新たな前線にいる」
このナチスとの戦いは、遠くの前線の兵士だけの戦いではないと、マーガレット・ホープ。
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