付け焼き刃の覚え書き

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「オツベルと笑う水曜日」 成田良悟

2013-07-21 | ミステリー・推理小説
『私は、何一つ悪事を働いておりません。故に私は、己の身が清廉潔白である事を証明しようかと思います』
 乙野辺ルイこと通称オツベルは、芸能ゴシップからオカルト・都市伝説までを扱う三流雑誌の編集部に君臨する若き女帝。そのオツベルの編集部に突然配属されてきたのは、身長2mはあるのではないかという顔面に傷痕が走る巨漢、喜佐雪弘だった。
 凶悪な人相に反して常に低姿勢で礼儀正しい喜佐に、オツベルはなんでもいいから特ダネ記事をとってこいと放り出したのだが……。

 自分は悪人だと自負するルイと強面の新人記者・喜佐が、包帯男の連続強盗事件をきっかけに連続殺人事件に巻き込まれていくサスペンスアクション。根拠不明のオカルト記事の断片などから『バッカーノ!』『ヴぁんぷ!』『デュラララ!!』など他のシリーズと世界を共有していることがうかがわれるが、『越佐大橋』シリーズが始まるよりは少し前の時代みたい。
 ただし、これらシリーズとは関係なく愉しめるし、むしろ知らない方がいいかな。今、誰かに成田良悟の作品を1冊だけ薦めるなら、この作品になると思います。一気に読めて面白く、ストーリー展開やキャラクター設定の振れ幅がそれほど大きくなく、それでも十分アクの強いキャラクターが活発に動き回りますので。

【オツベルと笑う水曜日】【成田良悟】【メディアワークス文庫】【サスペンスアクション】【冤罪】【偽証】
コメント
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