
修道士カドフェルの言葉。
12世紀のイングランドを舞台にしたミステリの第2弾。これもはざまくんから教えてもらったのだったかな。
第1回十字軍に兵士として参加し、以来四半世紀を海外で過ごしたカドフェルは、残りの人生を送る場所として修道院を選んだ。
しかし、そのシュルーズベリ大修道院も平穏ではなかった。
王位をめぐってスティーブン王と女帝モードが対立してイングランド各地で戦が絶えず、シュルーズベリ城もスティーブン王によって陥落してしまう。その戦いで捕虜となり処刑された者は94名。ところが、埋葬を頼まれたカドフェルが見たのは95名分の遺体だった……。
薬草に詳しい十字軍兵士あがりの修道士が謎を解いていく、イングランド歴史ミステリの王道シリーズ。今回は「木の葉を隠すなら森の中、死体を隠すなら……」の事件に臨みつつ、逃亡する男女の道行きに力を貸します。その行く手に立ち塞がるのは、敵か味方か、ヒュー・ベリンガー……。
戦争なんだから死んだのが94人でも95人でも関係ないだろう?と見過ごされがちなところをあえてツッコミ、その捜査を王に認めさせる論旨が実は今回最大のポイントなのかもしれません。
これも東海豪雨で被災した書架にあった本だったけれど、上の方の棚だったのでかろうじて救出に成功。ただし、湿気で紙がかなり傷んで悲惨な状況ではありました。
美品にこだわりはしないけれど、手にしてさらさらと流れるような手触りの方がいいなあ。廃刊となった社会思想社の教養文庫で揃え直すべきか、はたまた光文社文庫版で統一すべきか……。
【死体が多すぎる】【修道士カドフェル】【エリス・ピーターズ】【財宝】【復讐】【決闘】【アンダースロー】