付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「冬の蝶」 平谷美樹

2014-06-15 | ホラー・伝奇・妖怪小説
「真実が分からねぇ話は、めでたしめでたしでしめておけばいいんでござんすよ」
 薬種問屋・倉田屋の手代、左吉の言葉。うやむやにした方がいいことがこの世にはある。

 時は文政。津軽からやってきて貧乏長屋に住み込んだのは、盲目の美少女・百夜。
 だが、彼女こそ、物の怪、妖怪を調伏する凄腕の修法師だった……。

 年の頃なら14・5で、後ろだけ少し伸ばし、あとは短くまとめた癖のある髪。キリッとした眉にはっきりした目鼻立ちで、なぜか話すのはサムライ言葉……ということで、イメージは砕蜂。そんな腕の立つ美少女イタコというより退魔師が、押しかけ助手みたいになった左吉と共に付喪神やら亡霊を調伏していくという短編集。さほど厚くないページ数の文庫に9編とみっちりだけれど、特に内容が薄いとか駆け足という印象はなく愉しめるのは、ある種、捕物帖的なフォーマットに則っているからなのかもしれません。

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