
比企谷は人の心理は読み取れるが他人の感情は理解できていないと平塚静は断言する。だから間違える。ならばもっと考えろと。
総武高校が海浜総合高校と合同でクリスマスイベントを開催しなければいけなくなり、やる気の無い新生徒会長には大任過ぎると奉仕部にヘルプ要請が来た。
けれど、今の奉仕部の空気はどこまでも白々しくて、空虚な言葉しか行き交わない。
生徒会選挙の依頼を引き受けた時、依頼は果たしたものの、やり方を間違えたことは比企谷は理解していた。だが、その間違いを正そうとして、結局比企谷は今回も同じやり方を選んでしまう……。
痛い。
内容的にはいつもと同じなのだけれど分量が2割増しなのは、その分比企谷八幡がずっと自問自答しながら悩んでいるから。文学だよね。親友と三角関係で悩んだり、人妻に恋慕してうじうじするのと同じで、ただ自分の心の中身がよく分からないまま、他人の心の中を探ろうとして陥る自家中毒。
でもそれをそっと押しやってくれる大人がちょろっと顔を出してくれるところが、ジュブナイル的かな。平塚先生、大人だなー。どうして結婚できないんだろう。
【やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。】【渡航】【ぽんかん⑧】【ガガガ文庫】【クリスマス会】【東京ディスティニーランド】【ブラックサンダーマウンテン】【賢者の贈り物】