付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「幼女戦記2」 カルロ・ゼン

2014-06-25 | 架空戦記・仮想戦史
 『幼女戦記』というふざけたタイトルでは成年向けマンガかほんわか4コマみたいな印象しか浮かばないけれど、どちらかというと「幼女」より「戦記」に重きが置かれた作品で、20世紀初頭の欧州に似た異世界での世界大戦ものです。それでもって 「見た目は子供、頭脳は大人」ね。
 これは長男からのオススメなんだけれど、気がついたら三男も同じ本を買っていて、我が家には同じ本が2冊あります。三男曰く「本は借りない・貸さない・盗まない」主義なんだそうだ。

「シャベル、それは、文明の利器だ。文明万歳」
 ターニャ・フォン・デグレチャフの言葉。塹壕にシャベルはつきものです。

 この帝国は第一次大戦期のドイツに似ていると、ターニャ・デグレチャフ少佐は前世の記憶に思いをはせる。まさに四方八方に戦線を抱えていての四面楚歌で、みんなそんなに戦争が好きなのかと呆れてしまう。願わくば、自分が退役して年金暮らしを堪能できるまで、国家が存続しますように。
 テクノロジーの近代化に置いてけぼりをくらった万の大軍を磨りつぶし、敵の首都までおでかけし、とりあえず敵の軍需工場は潰してしまいましょう。
「けいこくします。
 わたしたち、ていこくぐんは、これから、ぐんじしせつを、こうげきしますっ!」
 デグレチャフ魔導少佐は幼女である。幼女であることの何がメリットかというと弾が当たりにくいということで、デメリットは酒が呑めないということなのだ……。

 自分では単に他人にうまく仕事を押しつけて効率よく仕事をしているつもりでも、端から見れば戦略的視野と一流の作戦参謀としてこなせる頭脳を持った勇猛果敢で沈着冷静な前線指揮官。給料泥棒と言われない程度の仕事だけ効率よく処理しているつもりでも、周囲の評価は働きの完璧主義者で戦争狂。自分がワーカーホリックなことに気づいてないのは、いかにも前世が日本のエリートサラリーマンです。しかも、いつの間にか部下が血に飢えた、危険を笑い飛ばすような豪胆な人間ばかりになっていく理由がわからなくて悩んでます。
 それはあんたのせいや。

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