
前回で終わりかと思ったら、3の登場。正確には、「男子高校生(中略)首を絞められている。」の1巻と2巻が「Time to Play」の上下巻で、今度の3巻は「Time to Pray」。思わず間違い探しです。1巻と2巻はセットで完結する話でしたが、(あとがきにもいろいろ書いてありましたが)3巻は続く気満々の展開。けれど、ライトノベル作家入門みたいな部分はなくなって、歪な部分をそれぞれ抱えた少年と少女の物語になりました。
似鳥絵里は困惑していた。
年上のクラスメイトで売れっ子ライトノベル作家の男子を殺すところだったのに、彼はなんでもないという態度で普通に接してくるのだ。彼が何を考えているのか分からない。復讐の機会をうかがっているのではないかと疑いもしたけれど、ボディガードの茜さんはそれはないという……。
今回は、学校のプリント作りが最大の山場かな。
作業をしながらクラスメイトと教師が自分の作品に言及し始め、しかも教師がしっかり読み込んでいて先の展開を当ててしまうわ、伏線はがんがん読み解いていくわ、最後には作者の内面までずんずんと踏み込んでくるのをただ知らんぷりして作業しながら聞いていないふりをするしかない作者の心中やいかに。
思わず、逃げて!と叫びたくなるよね。
【男子高校生で売れっ子ライトノベル作家をしているけれど、年下のクラスメイトで声優の女の子に首を絞められている。III ―Time to Pray― (3)】【時雨沢恵一】【黒星紅白】【電撃文庫】【幼児虐待】【死生観】【電撃文庫MAGAZINE】