京都を突然の地震が襲い、その際に口を開いた大迷宮から怪物があふれ出してから２年。当初は自衛隊による掃討が試みられていたが、現在では応募者から選抜された民間人による迷宮探索が続けられていた……。京都の町で「ウィザードリィ」（脚注）をする話。もともとはｗｅｂ小説で、それに加筆した群像劇なんだそうです。
私の好きな小説で『ヴァンガード』という、東京の町で「ウィザードリィ」をする話もあるのだけれど、あちらが銃器ＯＫな設定に対して、こちらは現代日本でありながら剣と魔法オンリイ。理由は火薬や電子機器が機能しないから……ではなく、「現代日本だから」。
銃刀法云々が理由というなら剣だってダメじゃない？とか、現に自衛官のチームは銃を使って崩壊を食い止めているじゃないか（相手に効果がある）とか、お話的に「なぜ剣が良くて銃がダメか」説得できていないのが残念。それから冒険者たちの収入が少なすぎるのも気になるところ。最低限の衣食住は保証されているものの、経費は自分持ちで健康保険の適用外、冒険者の死亡率14％って、金銭的なうまみがありません。
群像劇としては面白いので、完結の４巻までは読んでみたいと思います。
（脚注）迷宮に潜って怪物を倒して経験値や金銭を稼いだり高性能の装備を手に入れていく、コンピュータＲＰＧの古典的代表作。
【生還まで何マイル？】【迷宮街クロニクル１】【林亮介】【津雪】【ＧＡ文庫】【ＷＥＢ小説】
「生きる為に必死でもがくのは、上を見て生きることの出来る人間の特権……尊いことだ」
師である老竪琴師ペティロンの死により、少女メノリから音楽が奪われた。
竜に乗った騎士やオーク鬼など、銀座に突如として出現した謎の「門」から異世界の軍勢がなだれ込み、東京は阿鼻叫喚の地獄絵図となる。
「他愛のない会話の中から重要な情報を聞き出すのは、女の子の得意とするところだもの」
「テンション上げて突っ込めば大抵のことはなんとかなるものです」
『人生のたいがいのことは、度胸と根性で乗りこえられる。いちばんには、なれないかもしれないが……』
映画館の上映後に、父親が小学生くらいの子供に向かって「面白かったなあ……面白かった？」とか熱心に訊いていたけれど反応は今ひとつ。
南海の孤島の巨大学園で繰り広げられる秘宝争奪戦の第３巻は、ショッピングモール地下の迷宮が舞台。
『恋愛とはある程度までバカになってナンボ』
「人は一人でもいいのよ」
「人間はな、利口になれないのなら、せめて正直でなくちゃいけないんだ。愚かで悪ではどうしようもない」
この作品を始めて読んだのは中学生のとき。
人類の黄昏の光景をゆる～く描いた『人類は衰退しました』の７冊目。表紙のイラストレイターが変更になり、刊行し直しているうちにやっと新刊が出ました。
他人との関係がどう変化していくかを表すフラグが見えるようになった少年の物語の２巻。通し番号は打ってないし、サブタイトルは長すぎるし最悪だ。
