古墳ではないが、ここもいいのではないかな。築上郡上毛町大平百留 県道16号を耶馬溪に向かうと右側に見えてくる。
恐らくは穴ヶ葉山古墳をご存知であれば訪問されたこともあるだろう。この日はもう一人訪れていた。珍しいぜ。
摘んでいる紙幣をまじまじと見つめ「えっ」 どうしたのだろうか。また失敗したのかなと見ていると「次どうするんだったかな」「あーそうだ そうだ」あれっ、自問自答しているのかな。あれっ一人で納得までしている。と、突然摘んだ紙幣を担当君の手の甲の周りで回転させているのである。まるでお祓いでもしているかのようだ。お祓いも終わりやおら口を開いた。
「はい 5ドルが2ドルに変わりました」と紙幣をゆっくりと開いてこう言ったのである。そうしておいて担当君の左手を拡げさせ握らせていた紙幣を開いて見せた「ほら 5ドルでしょ」
やってることは判らないわけではないが手品師との意思疎通がないものだからしらけてきた。手品はもうそろそろ限界なのか。担当君は一体全体何がどうなっているのか、何が起きているのかも判っていない。生贄にとられてしまった左手はまだ自分のものになってはいないし、まだ突き出したままである。
「・・・・・」
「えー これが判らんの」
「お前のー ちゃんと説明してやらんと判る訳なかろーもん」「そうよのう」と担当君の顔を覗いてみた。その途端我に返ったか、左手も動くようになった。
「今の判ったやろ」
「えっ なんやったんですか」
やはり呆然と突っ立っていたようだ。それを見ていた手品師は
「うーむ」
「うーむじゃねえ もうあれやれあれ テレビでうけたやつ おー そうよ あれがいいあれが あれやれあれやれあれ」