かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

戦後を問い直す視点

2006年04月26日 | Topics

今週、中西輝政さんの講演会を聞く機会があった。予備知識なしで行ったのだが、たいへん面白かった。たまたま竹島問題の先送りが決まった直後の講演だったので、亜細亜の話が多かったが、亜細亜にこだわる私の経験と照らし合わせても、的を得た内容だったと思う。

シンガポールから見ても、日本と、他の亜細亜諸国は、異質に感じられた。中西先生も、欧米に長くおられたが、同じ感触をお持ちのようだ。
文明をどう分類するかについては、いろんな考え方があるが、亜細亜で言えば、インド、中国の2大文明の偉大さは、誰しもが認めるところ。他の亜細亜の諸国も、その2大文明の中のどこかに、一応位置づけられる。では日本は、中国文明圏の中の国として位置づけられるかというと、無理だと先生は言う。顔や、文字は、確かに中国文明圏下ではないかと思われるが、いわゆる中国の中華思想の傘下に入ったことがあるかというと、足利義満が、明との貿易に目がくらんだ時だけで、足利義満がその天罰で、早死したというのは、明治時代までは、誰もが知っていたことだそうだ。交易や文化の面では、密接な関係を続けていた。今の状況もその流れを(図らずも?)継承している。

中華思想というのは、正義>真実(春秋の中で孔子が述べているらしい)で、正義のためなら真実は曲げられてもしょうがないという思想だという。

講演で聞いた面白い話に、中華思想というのは、ふっかけ文明”で、日本は、正直に最初から、リーズナブルな落としどころ(商売で言えば価格)を示すが、中華文明では、まずふっかけて、落ちたところ(お互いにのんだ価格)が、結論(正価=本当の価格)になるという考え方であるという話があった。そういった意味では、日本は、西欧の方にずぅっと近い。この経験は、亜細亜の他の国を旅行された方は、皆経験する。

韓国は、中華思想の中にある国であるから(王になるためには、中国のお墨付きが必要だった)、日本の思考法とは、GAPがあるのが当たり前で、そのところについての理解をした上で、交渉をしないととんでもないことになる。北朝鮮などは、その最たるものだと言う。
ちなみに駐〟i韓国名=独島)問題について言えば、韓国の言い分は、国際法上は到底受け入れられるものではなく、日本がもっと強行に国際法に則った行動を貫ぬいて言えば、韓国は、窮地に立たされたというのが先生のお考えだ。
日本が何故そう出来ないかというと、戦争時にアジアに対して誤った行動をしたという弱みから、対等な交渉ができなくなっていることが根底にある。この傾向は、戦後60年、ずっと続いている。日本は、占領軍の支配下から独立国に、はるか昔になったにもかかわらず、亜細亜との交渉においては、戦後は終わっていないということだ。
日本海を東海という名に変えるよう韓国がロビー活動をしており、その根拠が、古地図を調べたところ、6割が東海という呼び名であったということになっている。日本が調べたところ、2000近い古地図を調査し、東海という呼び名を使っているのは、何と1枚しかなかったという。恐るべし。こういった状況を、一般国民も知っておく必要があるし、政府も知らしめる必要があるのだろう。

先生の日本文明の興廃という新刊が出ている。戦後60年を迎えた今(単に10年刻みということではなく、30年×2=2世代)、小泉政権も入れ替わるタイミングで、よーっく考えた方がいい。物事、そう単純に割り切れるものではないことは、分かるが。
憲法、教育基本法、皇室典範の3法の改正問題が、日本の次の時代を形作る重要なイヴェントになる。

コメント
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