古代史絡みの本は、相変わらず、たくさん出ている。
文献資料については、出尽くしており、その後の考古学的発見から、文献資料を検証していくというのが、今の古代史研究の基本的なパターン。
本書も、継体天皇という特異な天皇にまつわる様々な論点を検証していく内容。
継体を機に大きな変化が起こったことは間違いないようだ。
たとえば、石棺に使われる石も、阿蘇から運んできたものが、近畿産に変わったらしい。
韓国に、前方後円墳が多数作られたのもこの頃だ。
継体期の太刀は、捩じり環頭達という特徴のあるものだが、その分布と、やはり広帯二山式冠の分布が一致しており、継体期に、全国の諸豪族を支配下に治めていったことが見てとれる。
それを象徴するのが、磐井の乱で、この乱を治めることで、まだ支配下になかった玄海・有明地区を支配することとなった。大和に都を遷したのもこの時期。
一方、韓国百済との関係を深め、五経博士を呼び、知識文化の優位性を高め、統治力を強化していった。
既存の大和の豪族勢力が、力を弱め、物部、蘇我など、新しい豪族が、力を得たのもこの時期。
あまりにも多くの変化が、継体期に起こっていることに間違いなく、その継体天皇が、今の天皇家に繋がっている。
明日から、小旅行。