かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

遣唐使と外交神話

2018年06月21日 | Books



「本と日本史」シリーズ第二弾。

今回は、遣唐使と外交神話ということだが、基本的には、吉備大臣入唐絵巻に関する様々な情報を、集めて、1冊に組立てたという感じ。
この絵巻については、前回のボストン美術館展の時にお目にかかっているので、親近感あり。
出光美術館の伴大納言絵巻、彦火々出見尊絵巻と共に、京が戦乱時代は、若狭の小浜に疎開していたのだという。彦火々出見尊絵巻は、江戸城の火事で、焼失してしまったとのこと。
吉備大臣絵巻の方は、その後縷々転々して、今は、ボストン美術館にあるが、最初の部分と最後の部分は欠落しており、そういった意味では、伴大納言絵巻の方が、絵はすぐれているし、保存もいい。

ただ、内容は、現実と、架空の物語が、混在している吉備大臣の方が、ユニークとも言え、その物語は、代々、様々な時代、様々な場所で取り上げられたり、発展したり。それほど、有名な話だった。

そこで欠かせなくなるのが、遣唐使の歴史とその中心人物とも言える阿部仲麻呂だ。まさに、日中の架橋であり、それは日本サイドだけではなく、中国サイドにとっても重要人物であった。
そして、真備よりも仲麻呂の方が段々大きく取り上げられるようになった。

いずれにしても、遣唐使の時代、日中をまたに掛け活躍した二人は、ずっと日本人の憧れだったということかもしれない。
やや構成にばらばら感はあるが、面白い1冊だった。

コメント
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