かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

内戦の日本古代史

2019年01月11日 | Books


本書は、本屋で見つけた。

まさに、興味のあるテーマの本。

表紙にあるように、古代史に残る内戦の一つ一つを、様々な文献を参考にしながら、実態を再構築している。
壬申の乱や磐井の乱などよく出てくるものから、藤原広嗣の乱など、ちょっと忘れがちな乱まで、丹念に拾って、伝えられた内容と、実態との乖離を明らかにしながら、真実に迫っており、極めて興味深い内容だった。

特に、乱というと、大規模な内戦を連想させるが、実態は、小競り合いが、いろんな曲解により、反体制的なものと捉えられ、乱になってしまったようなものも多い。
また、規模も、何万人という規模ではなく、数十人という規模のものも多い。
であるから、やはり、島国の特性を生かし、日本は、大乱を経ず、明治まで来れたということが再確認される。

一方、大和朝廷に対する地方の乱については、根強いものがあり、一歩間違ったら、統一日本が続かなかったこともあることも再認識される。
特に、東北と、九州は、繰り返し揉め事が起こっている。
九州は、ほぼ収まったが、武士の世界が近づくにつれ、天皇をまつりあげて、実質武士が権力を握る構図が出来、東国がパワーを握った。
西の方の乱は、大和朝廷が権力を握っていく過程で発生したのに対し、平将門の乱など、東国の乱は、武士の世界にシフトする過程で発生したことも再認識される。

ややディテイルなところもあるが、ひじょうに面白く読めた。
コメント
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