かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

ジャポニズム

2019年01月25日 | Books



本書は、書店で見つけてすぐゲット。

ジャポニズムに関する企画展は、結構見たが、本書は、総括的かつディティルにも踏み込んでいて、すばらしい本だった。

ジャポニズムというと一部芸術家の世界の話かと思っていたら、庶民も巻き込んだ、もっと大きなムーブメントであったことがわかる。
アヘン戦争時代から、中国とセットで欧州に流入し、江戸時代の開国に伴い鎖国で閉ざされていた日本の文化が、大きな驚きを持って欧州に持たされた。

欧州の文化とは全く違う文化が、極東で、このような高いレベルで存在したというのはまさに驚異であったろう。
あらゆる分野で、欧州に流入したわけだが、芸術以外の分野のもの以外は、残らず、ジャポニズムというと、芸術の世界の話のように見えるようになった。

そのムーブメントは、19世紀から20世紀初頭まで続いたが、アールヌーボーの流れに同化していった。
逆輸入の流れも顕著になった。

芸術の面で言えば、黒の使い方、画面をばっさり切る構図、シンメトリーを無視する配置、一律でない線の使い方。
驚くべき感覚が、数百年続いた、江戸の世界で培われていたのだ。

最後に、現在の欧米での日本のアニメブームが紹介される。
実は、150年前の再現なのか。
それは、まだわからない。

本書は、それを新書というコンパクトな中で、バランスよく、網羅的に解説した、すばらしい本と思ったのだが、いかが?

コメント
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