かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

三島由紀夫

2020年12月27日 | Books
今日もすばらしい天気。
大晦日の跡片付けに最高の日和なのだが.....



今年は、ジョンが亡くなってから、50周年だったが、三島由紀夫が亡くなってからは、50周年で、多くの本、報道、映画公開などがあった。
その1部をご紹介。

本書は、新聞の宣伝で見つけた。
分厚い本ではないが、きりっと引き締まった本だった。

著者は、まだお若いが、かつてから三島由紀夫に興味を持っており、戦後思想のエッセンスシリーズの執筆依頼があった際、自ら三島由紀夫を選んだという。

三島由紀夫という人物は、本当に不可解な人で、その思想を研究した書は、山ほどある。
本書は、それらの先達達の研究成果をかみ砕いて、著者なりのストーリーにまとめたという印象を受ける。

難解な表現も多いが、三島由紀夫自体、難解な人物であり、やむないところもあろう。
本書で、新たに得た感想は、三島由紀夫の思想も、時々で、変化していったらしいということ。

前回読んだ本では、初期の作品から、将来を見通していたと思われる部分があるということだったが、本書では、例えば、洋行の際、ハワイで、太陽の光を見た時とか、森鴎外の本に出合った時とか、三島由紀夫にとって、画期と呼べる出来事が、あったとする。
確かに、ボディビルに走ったり、右翼思想に走ったり、とにかく大きく振れている。
それを、客観的に見られているようで、常に自分探しをしているという矛盾。
その矛盾に対し、三島の人生のステージ、ステージで、格闘し、その結果、あの最後があったのではないかと説く。

作品群を読んだだけではわからなくて、当時の三島に会った人々の論説、三島による告白等をすべて、かみ砕かないと、わからない。かみ砕いてもわからないかもしれないが。

難解だったが、面白かった。
コメント
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