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今日は、冷たい雨が降り続く中のゴルフ。
どうなることかと思ったが、風があまり強くなく、まぁまぁだった。
調子を維持したい。
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本書は、本屋で見つけた。
ちょっと面白そうだったので、ゲット。
やや不安もあったのだが。
面白かった。
著者は、古代史専門家というより、憲政史が専門。
その関係で、天皇制について詳しい。
本書が売れれば、中世、近世の本も出してみたいと本書内で連呼されているが、どうか。
言葉遣いとか、やや品位に欠けると思われる面はあるが、内容は、極めてまとも。
私が、普段感じていることともかなり近い。
特に、男系天皇制を強く支持しており、その論拠も明快だ。
今までも女性の天皇はいたが、男系天皇の原則を外したことはない。
女系が男系を補完することはあったが。
奈良時代には、まだ混乱も見られ、皇位継承権利者が少なすぎたり、多すぎたり。
ただ、政治の中心の関心事は、常に、次の天皇は誰になるかだった。
東大寺の聖武天皇がかなり無茶をやって、その後大混乱。
その反省もあり、より、安定的な強固な天皇制が固まったのが平安時代で、それは、明治維新まで続いた。
これは、世界的にみても、稀有のことで、これを、今の風潮や、世界の他の王制に習う必要は全くない。
今までの、日本のやり方(特に、天皇制が安定運用された平安以降)をよく研究し、将来の天皇制を考えて行けばいいだけの話である。
まず、面白かったのは、古代史については、資料が少ないのだから、事実を探ろうとするよりも、何故、このような形で、今に伝えられたのかを考ることの方が、よっぽど重要という点だ。
確かに、神様から、今の天皇制につながっているわけはないので、突き詰めたら、嘘ということになるのだが、何故このように伝えられたかを考えられることに研究の目的を絞ると、より建設的な議論ができる。
また、断言することもよっぽどの証拠が出ない限り不可能なので、突き詰めた研究の結果を推定される結論として、次の議論を展開することが有効だ。
当たり前だけど、ムキになって、持論を押し付けたり、反対意見に反論を繰り返したりすることは、非生産的。
正統(せいとう)と、正統(しょうとう)の違いも初めて知った。
歴代天皇は、みな正統(せいとう)な天皇だが、天武系から天智系に移ったように、皇位継承によって、系統がかわると、今までの正統(しょうとう)が、違う正統(しょうとう)にシフトすることがある。
この研究も平安以降積み重ねられている。
極端なケースが、南北朝時代ということになろう。
天皇に即位したかどうかの判断も時代により、変わることがあり、明治時代に入ってから、即位が認められたり、諡号がつけられたりしたこともあった。
1000年前の誤りが正されたのだ。
凄い執念だ。
日本人である以上、日本国の始まりから綿々と続く天皇制について、より強く認識して、議論して、将来につなげる責務を我々は負っているのではないかと考えさせられる1冊だった。