CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

陶磁器を探す旅~近鉄京都プラッツ~

2006-11-08 08:53:29 | 陶磁器を探す旅と名物
仕事で追い詰められていたことから
会社から脱走をはかり
挙句、京都近鉄に逃げ込んだときでありました
7階催会場にて「華と陶」展というのが
開催されておったのであります

京都近鉄はあと半年くらいすると
オサラバになるという悲しい運命を
たどっておるのでありまして
その閉店セールを狙うため、ちろちろと
暇を見つけては、値札の確認にいそしんでおる昨今
ここの6階だったかなんだかに
陶器屋というか、食器屋さんがあるのでそこの
おつとめ品コーナーをうろうろしておるのでありますが
今回のは、そうではなく
それを上回るといったらよいのか
実際のところ、陶器、という美術品の展示みたいな
そういう展示会を催していたのであります

最近も、相変わらず
茶碗に眼がないとしつつも、茶入れ、壷関係に
興味を示しておりまして
その食指を動かすというべきか
今回の陶器展では備前焼の特集がなされており
鼻息荒く早速そこへと

言ってみると、近代生け花といったらよいのか
得たいのしれない植物が、がすがすと挿されている
そういった作品がずらずらと並んでいたのであります
うおお、すげぇ、アンスリウムがこんなにも
というか、ハスの葉っぱ枯れてるやん
とかなんとか、よくわからん熱帯風の植物が
寂びたというのか、備前焼の華美さのない壷やら
花入れやらに突き刺さっておる姿は凄いのでありました

値札は全部ついてないので
ナンボでだったのかわかりませんが、とりあえず
なんか凄いもんを見た、そういうことにしておきつつ
理解できない芸術はさておいて
綺麗なデンドロビウムだとか
あからさまに浮いてる鶏頭だとか
そんなのを観賞したのであります
わかったことは、備前焼の壷は、バッタモンと本物の区別が
まったくつかないということでありました
素人にそんなもんわかるかよ・・・

それが備前のナニなのかはわからないのでありますが
独特の土色、表面には油膜とは違うが
あんなような角度を変えたときに虹色に見えるような
奇妙な光沢というか、肌加減
釉薬のせいなのかわからんが、ともかくそれと
焼加減でついたと思われる、壷表面の色変化
そのあたりがそれぞれ、いわゆる、景色が違うとかいう
それだったような気がする(遠い)

無理やり納得しておき、もたもたと
備前も大して見るところねえななどと
無知をひけらかしておったのでありますが
その展示会の奥で販売コーナーを発見
そりゃデパートの展示会だから当たり前だよな
そう思って、そちらにいくと
なにやら、近代備前焼の有名人なのかそうでもないのか
わからんが「山根義秋」さんという作家さんの陶器が
販売されておったのであります

後々気づいたのですが、その
いけばなの陶器も全てその人の作品だったらしく
ほほうなどと、わかったふりしてうろうろ
ああ、見覚えのある物体がいっぱい並んでる
香合だわ、見たことあるけど使い方のわからないそれだわ
なぜか女言葉になりつつ見ていると、すわ

茶入れだ

時が止まりました
思わず、息を呑むとはこのこと
ガラスケースなどまったくなく、生で目の前に
備前の茶入れがあるではないか、うおお
す、すげぇ、肩衝きだ、畳みつきから腹にかかるまで
微妙な風合いが、すげぇ
と、覚えたての言葉を使い切ってみたりしたのだが
ともかくあれだ、茶入れがもったり置いてあるのだ
値札を見る、16万、高価ぇっ
先日手に入れた4000円程度の物体とはわけが違うのであります
そりゃそうだな、だいたい大きさが違うもん
ちょっと大きいもんな

大きさが値段に反映されるという典型的な名古屋思考はさておき
その物体を穴があくほど見て、何度も嘆息を漏らし
さりげなく回りを伺う、おお、全然人気無いのか
また柱の影だから、係員から見えぬ位置じゃ、お救いせねば(ぉぃ
一瞬、古田左介が乗り移ったかというところでありましたが
とりあえず長年というでもないが
茶入れ見物にあたり、自分で不思議でならなかったところ
蓋について、触れてみたのであります

とりあえず、触っちゃダメとはどこにも書いてなかったので
考えてみたら、そんなに困ることでもなかったのかもしれませんが
茶入れの蓋に触れてみたのであります
噂に聞くところでは、茶入れの蓋は象牙でできてるらしい
俺のやつは、プラスチックだった、たぶん5年したら自壊する(しません)
さて、本物、いや16万もするような物体だとどうなのだ
むぅっ、プラスチックではない

それしか解らなかったのであります
情けないが、象牙がどういうものかよくわからんので
じっと見て、確かに、なんか年輪みたいなのが
表面に見えるのでもしかしたら削りだしなのかもですが
それが鹿の角なのか、象の牙なのか、はてまた
別の動物の骨なのか、まったくわからんのでありますが
少し、ひやり、そういう沈んだ冷たさが心地よく
なかなかの物体、ひっくり返してみると裏側には
私の持ってるうそものと一緒で、金箔というか
金色の銀紙が貼り付けてある、これはこういう拵えのものなのだな
感心して、しっかりと見ておいた
結論、よくわからん、でありましたが、満足

そっと戻しておいて、また眺めてみたのでありました
肩衝きの横には茄子と見せかけて、大海の茶入れもあり
ほほうと見てきたのでありました
横に服仕、桐箱とならんでいて
さて16万の内訳はどうなってんだろうかななどと
下衆の勘繰り、そういう感じで満足してきたのでありましたとさ

他にも、色々な食器の類とかもあったのですが
食器については備前はあんまりだなと
個人的な趣向が判断したので、特に興味もなく
ただ、香合、香炉、茶入れ、そういったものの
備前を見た、そういう貴重な体験をしたのであります
ガラスケースごしでもなく、実際に触れられてというのは
大きいなぁなんて思ったりなんだったりしつつ

ついの器探しは続くのであります(そんなに壮大ではない)