CLASS3103 三十三組

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【読書】明智左馬助の恋

2020-11-23 21:11:40 | 読書感想文とか読み物レビウー
明智左馬助の恋  作:加藤廣

シリーズではないでしょうが、似た事象を扱った3つの小説のうちの
最後のひとつであります
かなり前に2つは読んでいたんだが、なんとなし、明智の話を先送りにしていたんだが
今回、大河ドラマもあって読んでみたのであります
余談だが、衝撃的なのはこの小説で書かれているほとんどの話が
まだ、大河ドラマで始まってもいないというところで
ドラマのほう、大丈夫なのかといらん心配を抱いてしまった

さて、主人公を明智左馬助にして、
明智光秀の謀反にいたるまでを少し離れたところから描写した
そんな按配なんだけども、このシリーズの根底にある
信長のあり方というのが、そのまま描かれていて
小説としては、案外明智がどうしたということは
さらっとしているというか、さほどの意外な展開はなく、
信長の死については、秀吉の暗躍があった、それの補完をするためのような
事件というか、事象がいくつも書かれているといった感じ
タイトルの恋部分も、随分あっさりしてて、
もうちょっとしっかり描いてくれてもよかったんじゃないかと
ちょっと思ってしまったのでありました

とはいえ、光秀がどんな酷い目にあったか
あるいは、信長がどういうつもりでそう当たっていたかを
結局、下々には理解できなかったからと
そんなあたりで幕引きとしているのでありまして、
実際はわかるはずもないが、信長という男がどうであったか
そのあたりが読み応えあるところでありました

この物語上の光秀が、かなり実直なそれとして描かれていて
頼りないけども、それなりの人という評価ができそうで
なかなか楽しいところであります
ただ、細川のことを蛇蝎の如く嫌っているかのような描き方で、
変節ものといった感じなのが、ちょっと残念に思わなくもないが
実際はそんなもんなのか、戦国大名としては当たり前とみるべきかと
考えさせられたのでありました

大河ドラマが終盤に向うにつれ、補完のために読んでおいて
よかったと思うのであります


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