「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

【築地 UP DATE 13】 環境影響評価調査計画書―豊洲新市場建設事業―に対する意見書

2009-06-07 23:32:11 | 築地を守る、築地市場現在地再整備
 意見書を書きはじめました。構想はあったものをいま、吐き出している段階です。
 ようやく、総論が終わり、各論へと進む段階です。
 とりあえず、途中経過を記載します。

 読めば読むほど、腹立たしくなり、悲しくもなる「環境アセス計画書」です。
 東京都には、本当に食の安全・安心を守る気があるのだろうか???

****書きかけの意見書****

環境影響評価調査計画書―豊洲新市場建設事業―平成21年5月(再実施)に対する意見書

中央区議会議員、小児科医師(医学博士)
小坂 和輝(42歳、男)
東京都中央区月島3-30-3
メール:kazuki.kosaka@e-kosaka.jp

Ⅰ総論的な観点から
① 縦覧の再度やり直しについて
この環境影響評価調査計画書(以下、計画書とする)の縦覧は、中央区と江東区役所の関連施設と都環境局都市地球環境部環境都市づくり課(都庁第二本庁舎8階中央)、都多摩環境事務所管理課(立川合同庁舎4階)でのみしか行っていないと思われる。
 食の安全・安心に関わる都民全体の問題であるから、計画書の縦覧も都内全域でできるようにすべきであったのではないか。
 中央卸売市場のホームページでも、縦覧のことの記載はなかった。築地市場内の関係者にはこの計画書の縦覧はおこなったのであるかどうか不明である。
 再度、幅広く都内全域および市場内関係者に縦覧を行い、意見を聞くべきであり、縦覧と意見書募集を再度行うべきである。

② 専門家会議、技術会議の委員の意見の反映
 専門家会議と技術会議の委員の意見も反映させて計画書を作るべきである。

③ 協議会の設置を記載すべきである。
技術会議の報告書では、「国内最大級の地下水管理システムであり、地下水質のモニタリングを継続的に実施する。また、学識経験者などからなる協議会で情報の共有化を図ることを計画する」とある。
この計画では、一切、協議会のことは記載がない。
きちんと技術会議の報告書に沿って、協議会の記載をいれるべきである。

④ 対象事業の名称及び種類(計画書1ページ)
名称:豊洲新市場建設事業
種類:卸売市場の設置、自動車駐車場の設置
とあるが、記載漏れである。
この対象事業で重要なのは、「土壌汚染対策工事及び液状化対策工事」である。
よって、追加する形で、
名称:豊洲新市場建設事業
種類:土壌汚染対策工事及び液状化対策工事、卸売市場の設置、自動車駐車場の設置
というように記載を改めるべきである。

⑤ 4.1.1現築地市場の状況 文章の修正について
まず、抜粋するが、「現築地市場は、国内外から大量かつ多様な商品を集め、多数の小売業者等へ迅速に販売する集荷・分荷機能、需給動向に応じた公正な価格形成を行う価格形成機能、代払制度により、販売代金を迅速に決済する決済機能などを有し、これまで生鮮食料品流通の中核を担ってきた。
 しかしながら、施設の老朽化、狭あい化が著しく、生産供給や流通形態の変化、小売業界の変化など、市場を取り巻く環境の変化に十分対応しきれていない。」
 本当に「十分対応しきれていない。」と断定できるであろうか。断定する根拠をお示しいただきたい。
 少なくとも「市場を取り巻く環境の変化に対応していく必要性が考えられる。」と文章を改めるべきである。

⑥ 4.2事業内容 4.2.1位置及び概況 (3)計画地の立地特性 文章の修正について
 「③東京の海の玄関にふさわしい位置」
における文章を抜粋する。
「・計画地は、以前、砂質土からなる港湾施設整備に伴う浚渫土で埋め立てられた場所だが、すでに沈下量も小さく、護岸周囲を埋立て、緩傾斜型の防潮護岸を整備するなど、高潮に対して安全で人々に開かれた水辺空間として回復・創造しており、防災上も安全である。」
 土壌汚染があり、土壌を入れ替え、かつ多量の地下水も抜くわけであり、再度土壌を入れ替えてから地盤の安定をきちんと見なくてはならない。地盤沈下量を過小評価することはあやまりである。
 今後、地盤沈下対策工事も行っていく必要があることが容易に想像できる。葛西の市場では地盤沈下の対策工事に多額の経費を費やしているのではないか。同様の経費がかさむことを案ずる。
 「すでに沈下量も小さく」を少なくとも文章から抜くべきである。
 参考までに、計画書88ページでは、「工事の完了後における地下水の管理(地下水の揚水)に伴う地盤沈下が考えられる。」と正しいことを記載している。

⑦ ⑦4.2事業内容 4.2.1位置及び概況 (3)計画地の立地特性 文章の修正について
 「③東京の海の玄関にふさわしい位置」
における文章を抜粋する。
「・海上輸送も可能であることから、災害時にも都民に対して食料品の供給が可能な広域輸送基地として活用できる。」
 この記載は、誤りである。
 豊洲新市場は、上記とも関連して、軟弱地盤の上に建設する市場であり、また埋没谷の存在から、大地震の場合、壊滅的な被害にあう。
 土壌汚染以前に、軟弱地盤の上に、市場建設を行うこと自体、ナンセンスなことであり、関東大震災にも耐え抜いた地盤の上に立つ築地市場こそが、災害時の広域輸送基地として機能する市場としてふさわしい。
この利点は、全文削除すべきである。

⑧ 給排水計画(計画書19ページ)
  築地市場では、海水を浄化して利用している。
  豊洲新市場では、上水と集水した雨水のことは、記載しても、海水の記載がない。当然、土壌汚染、地下水汚染のある周辺海域の海水の再利用などありえないわけであるが、海水使用ができない点で、豊洲新市場は、水産物の市場にはふさわしくないことがわかる。
 海水利用ができない点を明記すべきである。

⑨ 土壌汚染対策計画 (計画書20ページ)
 技術会議の報告を受けた内容を記載しているが、上述したように、技術会議の報告書では、「国内最大級の地下水管理システムであり、地下水質のモニタリングを継続的に実施する。また、学識経験者などからなる協議会で情報の共有化を図ることを計画する」とある。
 協議会の設置の旨も土壌汚染対策計画の項目に明記すべきである。
よって、「・土壌汚染調査結果や土壌汚染処理過程をきちんと検証するとともに、地下水位や地下水質のモニタリングをし、それら報告の情報の共有化を図るため、学識経験者及び市場関係者と都民からなる協議会(公開)を設置する。」という一文を追加すべきである。

⑩ 5.事業計画の策定に至った経過 5.1事業計画の策定の経過及び環境配慮書の作成 の文章の修正について
 文章を抜粋する。「築地市場は、昭和10年2月11日の開場以来、戦前、戦後を通じ約70年の長期にわたり、都民への安定した生鮮食料品の供給という役割を果たしてきた。また、水産物については、世界最大の取扱規模を誇るとともに、我が国のリーディング・マーケットとしての地位を築き上げ、現在に至っている。」
 ここまでは、よしとする。
 「しかし、モータリゼーション・情報技術の進展に伴う物流形態の変化など、市場を取り巻く環境が大きく変化する中で、現市場の施設は、老朽化、場内の狭あい化が進み、都民の期待や時代の要請に十分応えられない状況になっている。」
 上述したが、本当に、「都民の期待や時代の要請に十分応えられない状況になっている。」と断定できるのだろうか。「都民の真の期待は、築地市場を現在地であり続けること。築地の食文化を守ること。」ではないだろうか。
 都民のどのような期待に応えられないのか、どのような時代の要請に応えられないのか、きちんと説明をすべきである。
 少なくとも、「都民の期待や時代の要請に今後とも応えていく必要がある。」程度に文を修正すべきである。

***書きかけです。これから、各論突入です。***
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【築地 UP DATE 12】 6/8 環境アセスメント意見書 提出締め切り迫る

2009-06-07 11:19:20 | 築地を守る、築地市場現在地再整備
 6/8の意見書提出締め切りが迫っています。

 今回の新市場建設の大きな問題点のひとつは、土壌汚染地に生鮮食料品を扱う市場をつくるという問題です。

 6/6ある土壌汚染処理技術の専門家の方を囲んで話し合いを持ちました。延々3時間半に及びました。
 なんとその場に、坂巻先生も、ご多忙の中、お越しいただいたのには、感激いたしました。
 急な呼びかけにも関わらず、その専門家の方を含め6名の方が、集まった勉強会となりました。

 私自身が、いままで述べてきた専門家会議、技術会議の問題点に、昨日学んだ事柄もあわせ、今回の豊洲土壌汚染の問題点を記載します。

 少々見づらいかもしれませんが、メモ書き程度で羅列してみます。

 

【土壌汚染調査の不十分さ】
①検査サンプル数の不足
②調査対象項目数の不足
③調査基準の設定の妥当性(特にベンゾ(a)ピレン)
④ベンゾ(a)ピレンは、含有量のみの検査であるが、溶出量の検査も必要である。
⑤地下水は、広範囲に移動することの考慮がない
⑥協力会ヤード周辺や今ある道路下、6街区の池があった周辺などを中心に汚染物質をどの場所でどのように処理したかという東京ガス資料の提出がなされねばならない。
⑦変電所近辺のPCB汚染が調査されていない
⑧コアサンプルが、採取時に1mとったとしても、1m20cm程度に延びるが、延びた部分を何の考えもなく捨てている。(汚染状況の過小評価を含め、汚染状況の正確な分析を行っていない。)
⑨揮発性ガスゆえ、取ったサンプルは、適切な処理を即座に加える必要があるが、実施していない。

【汚染処理技術の実行可能性の証明の欠如】
①もともとの東京ガス工場基礎部分の除去とその部分の汚染処理方法の証明がない
②バイオ処理技術の有効性(複合汚染の場合、微生物は死滅して、機能しないはず。実際にかつて、東京ガスも同じ場所でこころみ失敗している。)
③中温加熱処理のドラムを作成する技術の欠如
④水処理には処理膜を用いる必要が考えるがそれが欠如
⑤粘性の強い土壌から、地下水を出し切る技術の欠如
⑥地下水を東京湾にながすことによる東京湾の汚染の可能性がある。
⑦有楽町層の下まで汚染が浸透している場合の処理とその対策費の算出がない
⑧地下水を出し切ってから、土壌汚染処理になるが、少なくとも50万トンはある。この地下水を出し切ることで、地盤沈下を起こし、道路やゆりかもなど周辺施設に影響を与える
⑨地下水を出し切ろうとしても、囲いの外から、水が浸透してきて、出し切ることは不可能
⑩水分を多く含んだ土壌の加熱処理では、まず、水分を飛ばすため多大なエネルギーを浪費することになる
⑪飛ばした水分の中に含まれる化学物質の処理が明確ではない
⑫100万トン(10トンダンプ10万台分)は、新たに土を持ち込む必要があるが、どこからその土を搬入するのか。近隣県の国有林を伐採し、そこの土を搬入しようとでもするのか。

【土壌汚染地で働く人のマネジメント】
①1000人程度働く人の健康被害をどのようにチェックするのか

【土壌汚染処理時の周辺環境へ及ぼす環境汚染への対策の欠如】
①揮発性物質であり、処理している間、揮発性ガスが周辺環境に飛散するが対策が述べられていない。


【液浄化対策の不十分さ】
①土壌汚染処理と液浄化対策を同時に実施するフローがかかれていない。


【検証方法の欠如】
①土壌検査サンプルは5年間保存が必要であるが、どこにどのように保存し、管理するのか述べられていない。
②サンプル管理が、不適切。どのようなサンプルを分析したかの記載なし。


【情報の公開性の欠如】
①情報の隠蔽を阻止し、情報公開をいかに担保するか

【東京ガスとの関係性】
①そもそも東京ガスの土地を東京都が購入するが、購入する側がなぜ、お金を払って、購入先の土壌汚染処理をする必要があるかの説明責任を果たしていない。

【PFI】
①東京都が、汚染処理と液浄化対策を行い、建物建設と市場運営をPFIで行うことの明白な線引きが難しい

などなど
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする