「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

本日報道発表の「築地市場移転の予算執行」という強引な行政運営に強く抗議いたします。

2010-10-22 18:03:42 | 築地を守る、築地市場現在地再整備
 朝日新聞(2010/10/08)、毎日新聞(2010/10/21)、産経新聞(2010/10/22)などで報道され、予想はされていたことですが、石原都知事は、予算執行の決断をされたとのことです。

 第3回都議会定例会で継続審議とされている案件の審議を見ないうちの予算執行は、都議会を無視した強引な行政運営であり言語道断です。
 豊洲の日本最大規模の土壌汚染処理の現況とその対策について都民にきちんと説明をする(リスクコミュニケーションをする)ことを行っていただきたい。
 都議会においては、きちんと審議を経て付帯決議を遵守いただきたい。
 都民への説明と都議会での十分な審議を求めて、強く抗議をいたします。

 さもなくば、都知事リコールです。

*****共同通信*****
築地市場移転の予算執行へ 東京都が決断
http://www.47news.jp/CN/201010/CN2010102201000477.html

 東京都は22日、築地市場(中央区)の移転予定地になっている豊洲地区(江東区)の用地取得費など1281億円を本年度中に執行することを決めた。

 石原慎太郎知事は同日の会見で「これ以上結論が出ないので決断した」と表明。実質的な移転の最終判断となり、築地での再整備を主張する都議会最大会派の民主党との対立は必至となった。

 移転に関する本年度予算は3月の都議会で「再整備の可能性について知事が議会の検討結果を尊重する」との付帯決議を付けて可決。予算は事実上凍結されていた。

 その後、都議会は約半年間にわたり再整備の利点や課題を検討してきた。移転か再整備かの結論は出ず、今月定例会で検討結果を報告書にまとめた上で審議を継続することになっていた。

2010/10/22 15:35 【共同通信】
*****共同通信以上*****


******毎日新聞******
築地市場:豊洲移転へ用地買収手続き 石原知事表明
http://mainichi.jp/select/today/news/20101022k0000e040091000c.html?inb=tw

2010年10月22日 15時55分

 築地市場(東京都中央区)の移転問題で、石原慎太郎都知事は22日、江東区豊洲に移転するため、用地の買収手続きを始めることを記者会見で表明した。買収予算案は3月の都議会で「一定期間、議会で築地での改築の可能性を検討する」との付帯決議付きで可決され、凍結されてきた。

 都議会では知事与党の自民、公明が豊洲移転を推進する立場だが、最大会派ながら野党の民主は「築地で改築できないか検討を続けるべきだ」と主張してきた。

 年度内の予算執行には今月中に手続きを始める必要があった。今回の都の決断を受け、民主の対応が注目される。

******毎日新聞以上*****
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五歳児健診の重要性

2010-10-22 17:18:11 | マニフェスト2011
 本日10/22、中央区の小児科専門医が集まる会合「中央区小児科医会」が開催されます。

 テーマは、5歳児健診。

 本区に導入するには、マンパワーの問題があるかもしれませんが、それに変わるシステムの構築・整備は不可欠です。
 5歳健診により、特に「発達障害」といわれる高機能広汎性発達障害、注意欠陥多動障害、学習障害などを小学校入学前に早期発見、早期対応することは、その子のその後の小学校生活にかかわる重大問題となります。

 行政、教育・幼稚園・保育園・学校現場、福祉センター、医療機関・医師会などの連携の中で、考えて行きたいと思います。
 

*****以前のブログ(2008-11-23 23:00:00)抜粋*****
http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/691a09945538187374133c05569a9746

(前略)

 特に、実際に、東かがわ市で、5歳児健診を実施されている宮崎先生のお話は、非常に参考になりました。

 子どもの定期健康診断は、一ヶ月、三ヶ月、六ヶ月、九ヶ月、一歳半、三歳、就学前健診などがあります。
 5歳児健診は、一部自治体や、問題意識のある小児科の先生が、自分の園医をする幼稚園で独自に実施していたりします。

 子どもの脳は、年とともに成長発育していきます。人間が、人間として生活するのに大事な脳の部分である「前頭前野」は、4歳~5歳で発育がほぼ完成します。その発育をみるのが、5歳児健診です。
 発達障害としての、対人関係の障害としての高機能広汎性発達障害、行動障害としての注意欠陥多動障害、認知障害としての学習障害、不随意運動をもつ慢性チックなどの障害、運動障害としての発達性協調運動障害、全体的な知的機能の障害としての軽度精神遅滞を、5歳児健診で診断することが可能です。小学生の5~6%の子に上記のなんらかなものをもった子がいると報告されています。
 5歳児ですので、幼稚園の年中です。早期に発見して、早期介入・治療を行うことで、スムーズな小学校生活への移行を目指します。
 3歳児健診では、脳の発育は、側頭葉や頭頂葉付近までであり、前頭前野まで発育していないため、前頭前野の発育と大いに関係する上記疾患を診断できないことが多々あります。

 東かがわ市は、3~4万人の総人口で、一学年の子ども数は200~300人です。
 東かがわ市福祉課、子ども健康課、教育委員会の庁内の連携と、療育センターと小児科医院の連携で、実施にいたりました。
 平成17年は、3箇所でモデル事業をし、18年から全市で実施。これから三年間の実績をまとめていく段階です。
 
対象:年中相当児。参加・不参加は保護者の自由

会場:通園中の幼稚園、保育園、平日午後に実施。
(親もいっしょに受けに来る。園に通わない子も最寄園で実施)

方法:
①チェックリストでスクリーニング
 28項目の質問を、3段階の答えから選ぶ。

②保健師の問診

③療育センタースタッフによる発達検査、生活観察
発達検査は言語・動作全7項目

④小児科医・小児神経科専門医による診察
会話・動作模倣・協働運動など全9項目
)問診
*何組?
*お母さんの名前は?
*カレーとうどんは、どちらが好き?(さすが、香川という質問!小坂注)
*お母さんのカレー(うどん)は、おいしいですか?

)診察
*視診
*聴診
*触診

)神経学的診察
*両手を前、横、上にあげる
*手指のタッピング、親指と他の指との対立運動
*両方の手首を左右に動かす(回内、回外)

)概念について
*右はどっち、左はどっち
*ジャンケンをして勝者を決定する

などなど

⑤成長・発達判定会議で総合評価。
園の先生も入る。

①~⑤をして、すべてで1時から5時まで4時間かかる。
一回に20人から30人。(医師一人の場合)

実績:
①三年間で664人対象者で、644人受診。
受診率97.0%

②経過観察135名(21.0%)

③664名中39名(5.9%)が要医療と判定

④要医療の39名の内訳
22名自閉症
7名軽度精神遅滞
3名注意欠陥多動障害
4名反応性愛着障害(虐待関連の子もいる)
1名分離不安障害
2名その他

⑤要医療の39名の3歳児健診での結果
12名正常の判断
23名経過を見る
ということであった。
⇒三歳児健診では、診断しきれないことがわかります。
経過観察といわれた23名をあらためて評価しなおす場の必要性もわかります。


早期介入:
生活リズムの改善
生活環境を、改善(時間・空間的構造化)
共同作業・遊び
手指を使う
読み書き計算
薬物治療


小坂の感じたこと:
①五歳児健診は、とても有意義なこと
 年中でみつけ、年長の一年間をかけて、小学校生活の準備ができる。就学時健診でわかっても、間に合わない。3歳児健診なら見付からないことが多い。
 そして、実際の学校現場では、5~6%に特別な支援の必要が子がいる現状がある。

②行政、教育、福祉センター、医療機関の連携があってこそ、なしうる

③診断をつけて、フォローできる態勢が整って、実施すべき。
 フォロー態勢がないうちで、診断をつけるだけなら、やらない方がよいかもしれない。

④専門医療機関の予約外来は、半年待ち以上、
小児精神科の人材不足

⑤健診で医師の技量の差を埋める必要がある

⑥小児科かかりつけ医をもつことで、フォロー態勢もなお充実

⑦昔なら、集団の中で育っていたため、要医療の子がいたとしても、自然と医療ケアがなされていた。現在、少子化、孤立化され、その環境がない。

⑧5歳児健診を実施することで、幼稚園の先生も、小学校の先生も、両者非常に喜んでいる状況であった。
 幼稚園では、対応の仕方が、分かるから。そして、診断を前提に、保護者の方と対応を考えることができるようになる。
 小学校では、その対応を十分なされて、小学校にあがってくるから。


 以上、参加して、学んできたことでした。
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『第9次卸売市場整備基本方針案』

2010-10-22 10:39:42 | 築地を守る、築地市場現在地再整備
 東京都中央卸売市場築地市場の再整備のあり方は、都の方針のみならず、国の大きな市場整備の流れの中で決まっていくものでもあります。

 昨日、農林水産省で「食料・農業・農村政策審議会 第6回食品産業分会」が開催され、下記記事にありますように、『第9次卸売市場整備基本方針案』が審議され、私も傍聴して参りました。
 

 傍聴している中で、気になった言葉は、

 「商物一致原則の緩和」

 「市場の二極化」



*生鮮食料品の流通のあるべき姿とはなにか、守っていくべき原則は何か、

*生産地が衰退することなく、また安心安全の食材を消費地が供給できること、

*情報通信システムを有効に活用した効率化

 がなされることを見守って行きたいと思っています。

 
 水産仲卸の野末氏がよく口にする言葉ですが、「食は、人を良くする」と書きます。

 食の安全・安心は、ひとが健康であるための絶対条件です。

 

****日経新聞(2010/10/22)****
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819698E0E3E2E3918DE0E3E3E2E0E2E3E2839FEAE2E2E2;at=ALL
卸売拠点市場整備へ 農水省が基本方針
2010/10/21 23:20

 農林水産省は21日、2011年度以降の卸売市場整備の基本方針をまとめた。中央卸売市場の中から、取扱量が多いなど条件を満たす市場を「中央拠点市場」に指定し、機能を強化するのが柱。指定から漏れた市場は他市場との統合を迫られ、再編の動きが活発となる可能性がある。

 有識者らでつくる食料・農業・農村政策審議会に諮問し、了承された。同省は10年度中に整備基本計画を作成する。

 中央拠点市場は青果と水産の市場が対象。大規模産地から生鮮食品を大量に集荷し、一部を周辺市場に振り向ける機能を担う。大型車両に対応できる物流施設や情報システムも重点的に整える。

 仲卸業者の経営強化に向け、従業員1人当たりの取扱量に応じて対策を打つことも盛り込んだ。

 甲府、富山両市の中央市場と、花き部門を除く秋田市の中央市場はいずれも地方市場に転換する。

*****以上****
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参考記事:これから出産を迎える方や女性に向けて ~助産師として思うこと~

2010-10-22 09:36:32 | 小児医療
 中央区では、これからも安心して産み育てられる環境整備を行っていかねばなりません。
 喫緊の課題です。

 さて、以下は、国立成育医療センター発行のメールマガジンからの記事です。
 発行者の許可をいただき、転載させていただきました。

 出産についての勇気付けられる情報だと思っています。

 
*****転載*****
http://www.ncchd.go.jp/mailmagazine/sukoyakalist.html


●これから出産を迎える方や女性に向けて ~助産師として思うこと~

                        6階西病棟 助産師 末高 奈緒

 当院では年間約2000人の赤ちゃんが産まれています。私たち助産師は、妊娠期に正常な経過をたどれるように栄養指導など皆様が健康に過ごせるようなケアをさせて頂いたり、貴重な出産の場面において、進行状況の把握や赤ちゃんが産まれる際のお手伝いをさせて頂きます。また産後はお母さんや赤ちゃんの体調に合わせ、退院後に困らないよう育児のスタートの支援をさせて頂いています。
 私は今まで多くの出産に立ち合わせて頂きましたが、女性の持っている力は素晴らしいということを痛感しています。

 出産は一人ひとりかかる時間も、陣痛の強さも赤ちゃんが外の世界に出ようとするスピードも全く違います。赤ちゃんを産み出すという行為は皆同じなのに、2000人の出産があれば2000通りの経過があるとはとても神秘だと思いませんか?
 つまり、出産というものは予定日が決まっているものの、誕生日はいつになるのか、何時に会えるのか誰もわかりません。
 赤ちゃんが外の世界に出たいと思ったら陣痛は始まると言われていますので、お母さんは赤ちゃんの意思を尊重してあげることが大切なことだと思います。

 妊娠・出産は病気ではありません。
 子宮という「いのちの部屋」に赤ちゃんを宿し、10ヶ月という長い期間お母さんは赤ちゃんを育みます。この10ヶ月にどんな意味があるのでしょうか?哺乳類は卵を産むことが出来ないので、赤ちゃんは外の世界に出て安定した呼吸ができる時期までお母さんの「いのちの部屋」で成長します。
 もちろんその間はお母さんが食べた物が赤ちゃんの栄養となり、お母さんに不安なことがあれば赤ちゃんも不安な気持ちになります。
 赤ちゃんはお母さんと一緒に同じ時間を過ごしているのです。お母さんは妊娠するのも出産するのも自分自身ですので、自分が出来ることは赤ちゃんにしてあげたいと思うようになります。赤ちゃんの存在をお母さんが受け入れようとした時から「母性」が少しずつ育まれます。

 女性は赤ちゃんのおかげで自己の健康管理を見直す機会をもらえるのです。妊娠すれば食事に気をつけたり、難産にならないように体重管理に努めたり、運動を始める方もいます。

 現代は、妊婦さんが助産院のような医師のいない施設や当院のような病院施設を、自己選択できる時代です。初めにお伝えしたように妊娠・出産は病気ではありません。自分自身がどのように妊娠期の貴重な10ヶ月という時間を過ごしたいのか、どのような出産がしたいのかをよく考え、自分で産んだという自信を、育児という苦楽のある長い道のりの糧にして頂けたらと思います。

 ここで少し話がそれますが…母親学級や外来で妊婦健診を担当すると、妊婦さんに決まって言われる言葉は「陣痛が怖い」「耐えられるのか不安。」「友達には言葉にならない程痛いと聞いた。」など、陣痛をマイナスイメージに捉えられているような内容です。
 確かに最近のドラマなどで出産場面が出ると、叫んでいたり暴れていたり、不安を助長させるような印象を持ちます。また「陣」=いくさ、「痛」=痛みという意味がありこの文字自体が恐怖をそそるような言葉です。
 陣痛という赤ちゃんを生み出す神秘的な痛みは、男性には耐えることが出来ないと言われています。お母さんが陣痛時、痛みを感じることはよく知られていますが、実は赤ちゃんも陣痛を感じているのです。陣痛は子宮が収縮することを言います。陣痛が始まると赤ちゃんがのんびりと過ごしていた「いのちの部屋」がきゅっと小さくなり、赤ちゃんも苦しくなります。ただし、赤ちゃんはお母さんが10か月間丈夫に育ててくれたお蔭で、陣痛による苦しさに耐える力を十分に持っています。つまり出産はお母さんと赤ちゃんの初めての共同作業となるのです。

 もちろん人間を一人、世に生み出すということは簡単なことではありません。
 しかし、自分自身の中から出てくる陣痛が自分の限度を超えるということはありません。何より赤ちゃんが一緒に頑張ってくれていることを励みとし、女性が母親となっていくのです。だからこそ陣痛には大きな意味があるのです。

 最後になりますが、皆さんもこれを機に是非、自分のからだや生活を振り返って、妊娠・出産・育児について考えてみるのはいかがでしょうか?

以上、
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10月21日(木)のつぶやき

2010-10-22 03:08:48 | 築地を守る、築地市場現在地再整備
09:05 from goo
本日21日、食料・農業・農村政策審議会 食品産業部会(第6回) #goo_kodomogenki http://bit.ly/bBiJyv
10:29 from goo
毎日新聞21日記事;築地市場移転 都「豊洲」買収方針 週内にも石原知事表明 #goo_kodomogenki http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/4b082c9dd2bb173b26d0afb05971884e
22:15 from web
本日も、街づくりに関わる貴重なご意見を夜遅くまでいただきました。現場の視察もさせていただき、問題の大きさを理解いたしました。一朝一夕にはいかないにしても、区及び都に働きかけ、早急なる対応が必要と思われました。さまざまな声をこれからもお気軽に届けていただければと思います。
by kosakakazuki on Twitter
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