「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

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「お薬手帳断ろう、20円安く」は、医療機関側としてはお勧めできません。厚労省の制度設計のミス。

2014-06-09 10:40:47 | 医療
 医療機関は、お薬手帳を必ずといってよいほど確認しながら、治療計画を立てています。

 複数の医療機関を受診した場合や、救急で受診された場合のかかりつけ医からの定期内服薬の内容など、非常に有益な情報を、お薬手帳は、私達医療機関側に提供してくれます。
 ひとつの治療経過を書いたカルテです。

 また、東日本大震災直後の医療支援では、お薬手帳も当然流されていて、診療にたいへん苦労したことを覚えています。
 この場合は、その補完として、レセプト情報から、処方薬経過を医療機関側と患者さん本人に、お薬処方の経過がわかるように情報提供可能にするという、別の仕組みが必要だと考えます。

 いずれにしろ、「お薬手帳断ろう、20円安く」は、医療機関側としてはお勧めできません。
 どうか、お薬手帳の拒絶は、やめて下さい。

 なお、このような拒絶をすることで医療費を安くする抜け穴を設ける制度設計をした厚労省側に根源的な責任があります。
 丁寧な薬局の情報提供はもともとなされるところであって、診療報酬で本来カットすべき部分ではありません。



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http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1406/09/news047_2.html


「お薬手帳断ろう、20円安く」 Twitterで情報拡散 薬局などは有用性PR



「お薬手帳を断れば、薬局の支払いが20円安くなる」。診療報酬が4月に改定されたことを受け、Twitterでそんな情報が広がり、現場でも手帳を断る患者が増えている。


[産経新聞]

 「お薬手帳を断れば、薬局の支払いが20円安くなる」。医療の値段である診療報酬が4月に改定されたことを受け、インターネットの短文投稿サイト「ツイッター」でそんな情報が広がっている。

 薬剤師などの医療従事者からは「自分の健康を守る手帳なのに、安くするために断るという考え方はなじまない」と戸惑いの声が上がるが、現場では手帳を断る患者が増えている。

 薬局側は「有用性を分かってもらうことが大切」として説明を強化し、理解を広げたい考えだ。

 お薬手帳は医療機関で処方された薬の名前や処方量などをシールで貼るなどして記録、管理する手帳。他の医療機関で出された薬との飲み合わせや過去の処方薬の確認ができることから、全国の薬局で取り入れられている。

 東日本大震災では、カルテを流された医療機関もあったが、患者が持参したお薬手帳が診療の大きな助けとなった。

 従来、手帳への記載などで薬局が得られる「薬剤服用歴管理指導料」は410円だったが、4月の診療報酬改定で手帳が不要な人への指導料は340円に減額された。3割負担だと自己負担額は20円安くなる計算だ。

ネット上では、「手帳を断れば20円安くなる」「20円を得るため、薬局は勧めてくるので断ろう」といった情報が拡散。逆に、「20円のために健康を危険にさらすのか」などの反論も続出している。

 厚生労働省は「安くなる裏技のように情報が広がるのは好ましくない」とするが、「患者側が手帳にメリットを感じていないから、そういう意見が出るのではないか」と医療者側にも責任があるとする。

 こうした事態に薬局も対応に本腰を入れ始めた。全国で調剤薬局を展開する「アイセイ薬局」(東京都千代田区)によると、お薬手帳を断る患者は1割ほどで、4月以降増えているという。同社は「診療報酬が改定されたのは、お薬手帳の運営が形骸化しているという批判があったからだろう」と分析。患者に手帳の有用性を説明するため、薬の飲み合わせによる副作用事例などをまとめた冊子を作成中だ。

 こうした動きは多くの薬局に広がり、ポスターを掲げたり、チラシを配布したりする店舗も。アイセイ薬局の担当者は「有用性をアピールするだけでなく、手帳が不要な場合は安くなることも伝え、患者の信頼を得ていきたい」と話している。
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