十分に控訴審の判決文にも当たってみるべきところですが、
以下、最高裁の判決が、少しひっかかります。
弁護人は、たとえ国選弁護人であれ、どのような罪をおかした被告人に対してでも、誠実義務を負うものです。
裁くのは裁判官であって、決して弁護人となった弁護士ではありません。
下記最高裁の裁判となった事案の控訴審では、国選弁護人が、控訴趣意書で、「控訴の理由なし」「本件罪状を鑑みるとき死刑はやむをえない」「その行為は実に戦慄を覚ゆる」「事実の誤認はない」などと記載提出しただけであり、その他に必要な弁護活動をしませんでした。
結果、被告人は、その国選弁護人により控訴権を侵害されました。
(その後、被告人は、その弁護人に対する民事の損害賠償請求で勝訴しています。東京地裁昭和38年11月28日)
控訴審における手続の違法があるのではないかという点がひっかかります。
************最高裁ホームページ************************
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=51701&hanreiKbn=02
事件番号 昭和35(あ)1562
事件名 殺人、死体遺棄、死体損壊
裁判年月日 昭和36年03月30日
法廷名 最高裁判所第一小法廷
裁判種別 判決
結果 棄却
判例集等巻・号・頁 刑集 第15巻3号688頁
原審裁判所名 東京高等裁判所
原審事件番号
原審裁判年月日 昭和35年06月13日
判示事項 刑訴法第四一一条第一号にあたらない事例。
裁判要旨 必要的弁護事件の控訴審において選任された国選弁護人の控訴趣意書には「控訴の理由なし」と記載してあつても、同弁護人は、量刑の当不当、法令適用の正誤、事実誤認の有無、訴訟手続違反の有無、刑訴第三七七条、第三八三条関係の各事項にわたり詳細に取り調べた上控訴の理由なしとしたものであり、また被告人の控訴趣意は量刑不当の主張のみであつて、原判決がこれにつき詳細に説示していることを認めることができるときは、原審の訴訟手続には違法は認められない。
参照法条 憲法37条3項,刑訴法第36条,刑訴法298条,刑訴法388条
判決文全文
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/js_20100319120201039235.pdf
主 文 本件上告を棄却する。
理 由
弁護人佐藤喜代作の上告趣意は、量刑の非難であつて刑訴四〇五条の上告理由に 当らない。 被告人本人の上告趣意は違憲をいうが実質は単なる法令違反の主張に帰し、同補 充の趣意は事実誤認、量刑不当の主張を出でないものであつて、すべて刑訴四〇五 条の上告理由に当らない。そして、記録を調べると、原審弁護人は、量刑の当不当、 法令適用の正誤、事実誤認の有無、訴訟手続違反の有無、刑訴三七七条、三八三条 関係等の各事項にわたり詳細に取り調べた上控訴の理由なしとしたものであり、ま た、被告人の控訴趣意は、量刑不当の主張のみであつて、原判決はこれにつき詳細 に説示していることを認めることができるから、原審の訴訟手続には所論違法は認 められない。その他記録を調べても、本件につき刑訴四一一条一号ないし三号を適 用すべきものとは認められない。 よつて同四一四条、三九六条、一八一条一項但書により裁判官全員一致の意見で 主文のとおり判決する。
検察官 中村哲夫公判出席
昭和三六年三月三〇日 最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 高 木 常 七 裁判官 斎 藤 悠 輔 裁判官 入 江 俊 郎 裁判官 下 飯 坂 潤 夫
以下、最高裁の判決が、少しひっかかります。
弁護人は、たとえ国選弁護人であれ、どのような罪をおかした被告人に対してでも、誠実義務を負うものです。
裁くのは裁判官であって、決して弁護人となった弁護士ではありません。
下記最高裁の裁判となった事案の控訴審では、国選弁護人が、控訴趣意書で、「控訴の理由なし」「本件罪状を鑑みるとき死刑はやむをえない」「その行為は実に戦慄を覚ゆる」「事実の誤認はない」などと記載提出しただけであり、その他に必要な弁護活動をしませんでした。
結果、被告人は、その国選弁護人により控訴権を侵害されました。
(その後、被告人は、その弁護人に対する民事の損害賠償請求で勝訴しています。東京地裁昭和38年11月28日)
控訴審における手続の違法があるのではないかという点がひっかかります。
************最高裁ホームページ************************
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=51701&hanreiKbn=02
事件番号 昭和35(あ)1562
事件名 殺人、死体遺棄、死体損壊
裁判年月日 昭和36年03月30日
法廷名 最高裁判所第一小法廷
裁判種別 判決
結果 棄却
判例集等巻・号・頁 刑集 第15巻3号688頁
原審裁判所名 東京高等裁判所
原審事件番号
原審裁判年月日 昭和35年06月13日
判示事項 刑訴法第四一一条第一号にあたらない事例。
裁判要旨 必要的弁護事件の控訴審において選任された国選弁護人の控訴趣意書には「控訴の理由なし」と記載してあつても、同弁護人は、量刑の当不当、法令適用の正誤、事実誤認の有無、訴訟手続違反の有無、刑訴第三七七条、第三八三条関係の各事項にわたり詳細に取り調べた上控訴の理由なしとしたものであり、また被告人の控訴趣意は量刑不当の主張のみであつて、原判決がこれにつき詳細に説示していることを認めることができるときは、原審の訴訟手続には違法は認められない。
参照法条 憲法37条3項,刑訴法第36条,刑訴法298条,刑訴法388条
判決文全文
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/js_20100319120201039235.pdf
主 文 本件上告を棄却する。
理 由
弁護人佐藤喜代作の上告趣意は、量刑の非難であつて刑訴四〇五条の上告理由に 当らない。 被告人本人の上告趣意は違憲をいうが実質は単なる法令違反の主張に帰し、同補 充の趣意は事実誤認、量刑不当の主張を出でないものであつて、すべて刑訴四〇五 条の上告理由に当らない。そして、記録を調べると、原審弁護人は、量刑の当不当、 法令適用の正誤、事実誤認の有無、訴訟手続違反の有無、刑訴三七七条、三八三条 関係等の各事項にわたり詳細に取り調べた上控訴の理由なしとしたものであり、ま た、被告人の控訴趣意は、量刑不当の主張のみであつて、原判決はこれにつき詳細 に説示していることを認めることができるから、原審の訴訟手続には所論違法は認 められない。その他記録を調べても、本件につき刑訴四一一条一号ないし三号を適 用すべきものとは認められない。 よつて同四一四条、三九六条、一八一条一項但書により裁判官全員一致の意見で 主文のとおり判決する。
検察官 中村哲夫公判出席
昭和三六年三月三〇日 最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 高 木 常 七 裁判官 斎 藤 悠 輔 裁判官 入 江 俊 郎 裁判官 下 飯 坂 潤 夫