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最高裁判所が、現行制度下では、司法裁判所であって、憲法裁判所ではない(日本国憲法81条)。

2015-06-03 18:15:33 | 日本国憲法
 最高裁判所が、現行制度下では、司法裁判所であって、憲法裁判所ではないことを示す判例。

 日本の違憲審査制を付随的審査制としてとらえていることを示しています。

 裁判所の違憲審査権は、「司法権の範囲内」で行使されるものであり、その司法権の発動には「具体的な争訟事件」の定期が必要である。
 下線部参照。

憲法81条
最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。

***********最高裁ホームページ*********
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/366/057366_hanrei.pdf

         主    文
     本件訴を却下する。
     訴訟費用は原告の負担とする。


         事    実
 原告訴訟代理人は請求の趣旨として、昭和二六年四月一日以降被告がなした警察
予備隊の設置並びに維持に関する一切の行為(行政行為は勿論事実行為私法上の行
為の外予備隊の設置維持に関する法令規則の一切を含む。別紙目録の記載は例示に
過ぎない)の無効であることを確認する。訴訟費用は被告の負担とする旨の判決を
求めその請求原因として別添訴状中請求の原因及び昭和二七年七月一六日附準備書
記載のとおり述べた。


         理    由
 原告は、最高裁判所が一方司法裁判所の性格を有するとともに、他方具体的な争
訟事件に関する判断を離れて抽象的に又一審にして終審として法律、命令、規則又
は処分が憲法に適合するや否やを判断する権限を有する点において、司法権、以外
のそして立法権及び行政権のいずれの範疇にも属しない特殊の権限を行う性格を兼
有するものと主張する。
 この点に関する諸外国の制度を見るに、司法裁判所に違憲審査権を行使せしめる
もの以外に、司法裁判所にこの権限を行使せしめないでそのために特別の機関を設
け、具体的争訟事件と関係なく法律命令等の合憲性に関しての一般的抽象的な宣言
をなし、それ等を破棄し以てその効力を失はしめる権限を行わしめるものがないで
はない。しかしながらわが裁判所が現行の制度上与えられているのは司法権を行う
権限であり、そして司法権が発動するためには具体的な争訟事件が提起されること
を必要とする。我が裁判所は具体的な争訟事件が提起されないのに将来を予想して
憲法及びその他の法律命令等の解釈に対し存在する疑義論争に関し抽象的な判断を
下すごとき権限を行い得るものではない
。けだし最高裁判所は法律命令等に関し違
憲審査権を有するが、この権限は司法権の範囲内において行使されるものであり、
この点においては最高裁判所と下級裁判所との間に異るところはないのである(憲
法七六条一項参照)。原告は憲法八一条を以て主張の根拠とするが、同条は最高裁
判所が憲法に関する事件について終審的性格を有することを規定したものであり、
従つて最高裁判所が固有の権限として抽象的な意味の違憲審査権を有すること並び
にそれがこの種の事件について排他的なすなわち第一審にして終審としての裁判権
を有するものと推論することを得ない。原告が最高裁判所裁判官としての特別の資
格について述べている点は、とくに裁判所法四一条一項の趣旨に関すると認められ
るがこれ最高裁判所が合憲牲の審査のごとき重要な事項について終審として判断す
る重大な責任を負うていることからして十分説明し得られるのである。
 なお最高裁判所が原告の主張するがごとき法律命令等の抽象的な無効宣言をなす
権限を有するものとするならば、何人も違憲訴訟を最高裁判所に提起することによ
り法律命令等の効力を争うことが頻発し、かくして最高裁判所はすべての国権の上
に位する機関たる観を呈し三権独立し、その間に均衡を保ち、相互に侵さざる民主
政治の根本原理に背馳するにいたる恐れなしとしないのである。
 要するにわが現行の制度の下においては、特定の者の具体的な法律関係につき紛
争の存する場合においてのみ裁判所にその判断を求めることができるのであり、裁
判所がかような具体的事件を離れて抽象的に法律命令等の合憲牲を判断する権限を
有するとの見解には、憲法上及び法令上何等の根拠も存しない。そして弁論の趣旨
よりすれば、原告の請求は右に述べたような具体的な法律関係についての紛争に関
するものでないことは明白である。従つて本訴訟は不適法であつて、かかる訴訟に
ついては最高裁判所のみならず如何なる下級裁判所も裁判権を有しない。この故に
本訴訟はこれを下級裁判所に移送すべきものでもない。
 以上の理由により、本件訴訟は不適法として却下すべく、訴訟費用の負担につき
民訴八九条を適用し主文のとおり判決する。
 この判決は裁判官全員の一致の意見によるものである。

     最高裁判所大法廷
         裁判長裁判官    田   中   耕 太 郎
            裁判官    霜   山   精   一
            裁判官    井   上       登
            裁判官    栗   山       茂
            裁判官    真   野       毅
            裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    島           保
            裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    岩   松   三   郎
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    谷   村   唯 一 郎
            裁判官    本   村   善 太 郎
 裁判官沢田竹治郎は退官につき、署名捺印することができない。
         裁判長裁判官    田   中   耕 太 郎


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