「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

医療的ケア児を取りまく課題

2016-02-21 23:28:53 | 小児医療
 2016年2月21日22日開催『小児等在宅移行研修事業多職種合同研修』参加を終え、医療的ケア児を取り巻く課題について、列挙します。

<本人◎発達支援>
◎生命の安全、健康の維持、社会生活の三つの要素のバランスの取れた保障

○療育

◎児童の権利
 生きる権利、守られる権利、育つ権利、参加する権利





<家族◎家族支援>
◎病院から在宅に移行をした場合、特に母親の負担が増大する→母親の休息をいかに確保するか

○「働きながら在宅で子どもを看たい」という母親の希望。

○父母のコミュニケーションの時間の確保

○兄弟支援:兄弟への対応:親と兄弟との時間、保育園、幼稚園の送り迎え、持病の悪化への対応

○すまいの改修

○家族が医療的ケアのスキルをつけること

○医療者介護者が常に家に入るということの負担

◎長期介護

◎介護者の老い

○後見人の選定

◎子どもの看取り

<地域>
◎相互理解、共生
 同化でも、すみわけでもない!

◎ノーマライゼーション+アートオブライフ


<多職種連携>
◎職種間の文化の違いの克服

○一時退院を用い、在宅への移行練習をし、課題を明らかにする
 例、喀痰乾燥
   アラーム設定

<医療>
◎訪問看護師、訪問リハスタッフの確保

◎地域かかりつけ医(訪問診療)の確保

◎緊急時の受け入れ体制

○急病時の、受診支援

◎知的障害、身体障害だけの指標(大島分類)ではなく、医療的ケアの指標の加わり

<終末期医療>
◎不条理感、受容の困難さ

◎人生全体の時間の中で占める割合が大きい

◎緩和ケアに対する抵抗→1分1秒でも長くという親の想い

◎疼痛、呼吸苦などの身体症状及び死の恐怖、長くてつらいがん治療による精神症状のコントロールが非常に困難

○緩和ケアでの疼痛コントロール、

○家族の心理的ケア

○グリーフケア



<福祉>
◎レスパイトを含めたデイケア・ショートステイ事業
 ⇒ショートステイを用いることで、下の子の出産も可能

◎医療的ケアに対応可能な居宅(訪問)介護事業

◎相談支援事業

○訪問療育指導

<教育>
◎学校における看護配置

◎教員による医療的ケア研修

◎移動中、宿泊行事中の医療的ケアの保障




<行政のサポート>
◎小児の地域包括ケアの根拠法がない!
 (cf. 高齢者 法律に根拠規定がある。医療介護総合確保促進法 H26年法改正にて追加)

○医療的ケア児の実数把握

○自立支援協議会、小児在宅療養支援協議会、要保護児童対策協議会
 医療的ケア児の検討を入れる

○64歳⇒65歳スムーズな移行

○差別解消法施行後の合理的配慮を、幼稚園通園、保育園通園、小学校で行うこと


<災害時への備え>
○災害対応

○非常時のバッテリー



以上
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