本日、予算特別委員会の審議が終了致しました。
平成28年度中央区各会計予算案に対する私の考え方は、以下です。
*********平成28年度中央区各会計予算案に対する考え方********************
平成28年度の各会計予算特別委員会においては、各施策が、誰一人として区民を排除しない「全員参加型社会」に資するものであるかを最重点項目として分析を加えた。
区政の手続面においては、区民参加を区政に求める場合、まず、区政において何が起こっているかを区民に伝えていく必要があり、各種審議会・協議会の公開が求められるところである。中央区の憲法ともいうべき新たな「基本構想」の平成29年度の策定に向けて「中央区基本構想審議会」が設置され、そこにおいて傍聴のルール「中央区基本構想審議会等傍聴事務処理要領」が定められたところである。本処理要領では、区議会議員は、傍聴人の定員には入れないことを明文化され、議員の審議会での役割の重要性を再認識する。一方、区民の審議会等の傍聴は、原則遅刻禁止は当然のこととしても、仕事を理由とする遅刻は例外として入室を認めるなどのさらなる配慮を求める。他の附属機関も本処理要領をひな形に傍聴規定の整備を求めるとともに、防災拠点運営委員会、まちづくり協議会、在宅療養支援協議会などの各種委員会、協議会においても、広く区民へ公開をし、さらなる議論の活発化をはかるべきものであると考える。
また、情報発信のツールとして重要な役割を担う中央区のホームページにおいては、各種会合の日程はわかりやすく表示することを求めるとともに、ページ内容を更新した際はその更新日が記載されることなどの厳格な運用を求める。
さらに区は、新公会計制度の導入に取り組んでいるところである。会計分析と事業評価・施策評価とが結合し、質の高いPDCAサイクルが構築されることに期待をする。
予算の内容面において、以下、5点を特に指摘をする。
一、全員参加型社会について
ソーシャルインクルージョン「誰もが社会から孤立したり、排除されたりせず、社会の構成員として能力を発揮でき、互いを支え合おう」という考え方をいずれの施策においても忘れることなく取り入れることを期待する。
たとえ、どんなに重い障害をもった児であったとしても、その親御さんは、その我が子に対し、今を一生懸命に生きる息子をとてもいとおしく、深く尊敬の思いを抱いておられる。「子ども発達支援センター」の設置を計画しているところであるが、児のケアをその家族だけにまかせてしまうのではなく、要保護児童等対策協議会の機能強化と共に、地域包括ケアシステムを、高齢者だけではなく、子どもや成人に対しても構築し、このような児や家族も区民の一員として社会参加できる仕組みを中央区は早急に整備していく必要性を考える。
さらに、児童虐待問題もあり、予定されている児童福祉法改正にともなう児童相談所の区の設置権限の移行に伴って、本区も早急に児童相談所を設置することを合わせて要求をする。
また、平成28年3月1日認知症高齢者の鉄道事故の賠償請求事件について重要な最高裁判決が出されたところであり、認知症高齢者を地域で見守る仕組みや、住み慣れた自宅で生を全うできる在宅療養を支援する構築も合わせて期待をする。
一、人口増に当たっての待機児童問題解消について
「保育園落ちた」匿名ブログから、待機児問題からの親御さんの切迫した状況が伝わってくる。政治に求められることは、その魂の叫びに共感をし、当事者意識をもって解決に邁進することである。幸い、本予算特別委員会においても、待機児童数632名の数字が出されたが、すべての会派の質疑内容はその解消を求める内容となっており議会は、その解消に向け取り組むべきことで方向性を同じくしていることが確認された。
中央区子ども子育て会議でも、保育園を増やす様々な手法が提案されている。
1)再開発の際の保育園設置(ただし現状では、設置されても定員が、再開発の規模に比して少ない。)
2)休園中の幼稚園の利用
3)区の既存施設を保育園へ転用
など。
それら提案は、福祉保健部の所管を離れる内容の提案となり、福祉保健部だけでは解決できない。
待機児童解消をトッププライオリティーにおいた、企画部を中心とした全庁的ななお一層の取り組みに期待をする。
一、東京五輪までになすべきこと及び五輪後に残すべきレガシーについて
東京五輪までになすべきこととして、①受動喫煙をなくすこと、②感染症をなくすこと、③ヘイトスピーチをなくすこと、④テロへの完璧な備えをすること、そして、④区内外の観光客を受け入れる商店街振興策の充実、これらの取り組み方に期待をする。
また、東京五輪後に残すべきことは、区民のスポーツへの意識の高揚である。スポーツ技術のさらなる向上を目指すひとのたてのひろがりとともに、スポーツや運動を取り組んでみようという、障害のあるかたもないかたも、誰もがスポーツをやってみようと思う福祉のスポーツの意味も含めたスポーツのよこへの広がり、すそのの広がりに期待をする。例えば、区民スポーツの日には、区民マラソンだけではなく、障害のあるかたもない方も一緒に参加できるイベントの企画を期待するとともに、障害者スポーツの普及が「オリンピック・パラリンピック区民協議会」で議論されることを期待する。
一、教育の中央区のさらなる発展について
子ども達の社会参加、すべての児童への小学校教育の場の提供は、憲法26条が保障するところであるが、学校教育法22条、児童福祉法24条1項2項の趣旨からは、医療的なケアを必要な子どもを含め、すべての子ども達の保育、幼稚園教育の場の提供が保障されている。
教育費予算において、国際教育、ICT教育、英語教育、理数教育などの先進的な教育の取り組み方や、各学校に特別支援教室を設置し、情緒障害児教育の充実を図っている点をく評価をする。また、図工の教科書に月島第一小学校の子ども達の作品が複数個所取り上げられていることなど、あらゆる教科で教育が充実していることも合わせて評価をする。
しかし、例えば、特別支援教室での個別指導する場としては、パーテーションでの対応では不完全であり、完全隔離の個室を順次整備していくことや、対象児童の増加と共に、情緒障害児教育のための固定学級の整備などさらなる教育環境の整備を期待する。
増加する児童数に対応し、学校改築する方向性は理解するところであるが、阪本小学校等復興小学校については、子ども達にとって、威厳と風格のある校舎で学ぶこともまた教育効果の向上に資すると考える。その改築の方向性においては、明石小学校改築の経験を踏まえつつ、文化財保護審議会の意見も聴取しながら、リノベーションも含めた幅広い改築のありかたを検討することを期待をする。
教える側、教員のストレスを減らすためにも、ストレスチェックを有効に活用したり、学習補助員を適切に補充を行うことも期待をする。
一、都市基盤整備について
全員参加型社会とするためには、バリアフリー、福祉のまちづくりは欠かせないところである。
自立支援協議会など福祉保健関連の委員会や協議会では、バリアフリーのまちづくりがテーマとして多く出されているところであり、福祉保健関係部署と都市整備・環境土木関連部署とのより一層の連携、情報交換のもと、まちづくりの推進に期待をする。
区施設の更新にあたっても、防災拠点の核となる全小学校へのエレベーターの設置なども含め、まずもって、バリアフリーの観点を取り入れることを期待をする。
築地市場跡地整備に関連して、築地市場は、本来は現在地再整備をするべきものであった。東京都の誤った政策については、豊洲の土壌汚染地を汚染のない価格で購入した点につき、住民訴訟が東京地方裁判所で係属中であり、この秋頃に結審の予定という。豊洲新市場では、土壌汚染問題を払しょくし、約束されたハサップ(HACCP)を取り入れた安全安心な食の流通に期待をするとともに、築地の食の文化伝統が、「築地魚河岸」で引き継がれていくことに大いに期待をする。
築地の地は、銀座近傍地、国立がんセンター、浜離宮、朝日新聞という立地の点からは、地上水上交通の結節点という機能と合わせて、学術芸術交流拠点としての施設がふさわしいと考えるところであるが、都民たる中央区民の要望を早急に集約し、新たな基本構想にも反映をさせた上で、築地市場跡地整備の方向性を積極的に都に提案をすることを望む。
次に、以下、3点、予算案に関連して「再検討を強く求める事項」を述べる。
まず、豊海町6番と7番での「大型流通配送センター」の計画においては、中央区も区道の付け替えで関与するところである。その屋上にフットサルコートなどの広場の整備がされ区民福祉の向上に資するものではあり一定の評価はする。しかし、豊海町は、「月島漁業基地」という港湾法に定められた「漁港区」であり、主たる機能を物流センターとしてもつ建物は、同法の委任を受けた「東京都臨港地区内の分区における構築物に関する条例」の別表第4に該当するはずもなく、港湾法に抵触する可能性のあることを指摘する。
次に、今回第一回定例会で提出の議案第18号「中央区議会議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例」については、日本経済の回復の基調が未だなく、区民生活の向上が見られないこの機における議員報酬等の増額が認められない点から、再検討を強く求める。
合わせて、議案29号「中央区立公園条例の一部を改正する条例」については、第15条の2を新設し「中央区立坂本町公園の占用の 許可に係わる仮設の施設として中央区立城東小学校及び中央区立坂本小学校の仮設校舎」を定めるものであるが、手続面においては、中央区教育委員会における両校の校舎の整備についての「決定」がないままの状態での議決であって、教育委員会の政治的中立性を確保するという目的の『地方教育行政の組織及び運営に関する法律』第21条7号に抵触する可能性があり、内容面においては、都市公園を両校の仮校舎で占用することは、同地区における災害時の避難場所としての機能を著しく阻害し、「公衆の利用に著しい支障」を来すおそれがあり、また、仮校舎という決して好ましいとはいえない教育環境で良好の子ども達を学ばせなくとも、中央小学校や明正小学校の改築の際に用いた手法「一校舎二学校」を取りうるのであって、都市公園の仮校舎による占用は、「必要やむを得ないとは認められない」ことから、占用許可の厳格な要件を定めた都市公園法7条に抵触する可能性があると考える。
従って、両校の改築の手法においてさらなる検討を強く求める。
最後に、中央区基本構想の方向性に関し付言をする。
『東京一極集中が日本を救う』 市川宏雄(いちかわひろお)都市政策専門家 ディスカヴァー携書2015年10月25日第1刷 という書(以下、「本著」という。)がある。
本著では、「東京一極集中」から連想される「東京VS地方」という二項対立の見方をやめて、国際都市間競争の中で、東京都が勝ち残るための手法を論じたものである。
すなわち、
〇本著は、東京一極集中は、歴史の必然として生じ、第三次産業繁栄が東京で起きている。(第1章)
〇かつては、「東京」「地方」「政府」の幸福な関係があったが、1992~93年のバブル経済崩壊とともに瓦解した。(80頁)
〇東京一極集中を肯定する形での政策転換は、二つの理由でできない。(118~120頁)
ひとつは、地方選出の議員がまだまだ多数派をしめていること、もうひとつは、人口動向から地方自体が、消滅の可能性があること。
〇道州制の議論には、反対する勢力がふたつある。(125頁)
ひとつは、権限と予算を地方に渡すことになる政府、もうひとつは、地方の小都市。
〇国際都市間競争時代の東京の課題
1、東京でのビジネスの成長性、容易性で東京は難点であるという、経営者からの評価の低さ(155頁)
2、1950年代~70年代前半に整備された道路・鉄道・橋梁・トンネル・上下水道などのインフラの一斉老朽化を迎えること(164~167頁)
(維持補修にかかる費用のピークは2016年度、更新にかかる費用のピークが2023年度)
3、超高齢化(169頁)
東京の高齢化率24.2%(2015年)⇒30.7%(2035年)
〇東京の二つの武器
1、リニア中央新幹線の開業(184頁)
東京~名古屋間286km40分 2027年先行開業⇒名古屋をいれ7000万人都市圏誕生(現在3562万人)、東京~大阪間438km67分 全線開業予定2045年
2、2020年東京オリンピック・パラリンピック(218頁)
経済波及効果19兆3522億円(2014年度の実質GDP525兆8664億円の0.26%)、2020年の経済成長率を0.26%程度押し上げる
〇東京一極集中の状況下、大震災に対しては、大阪圏をバックアップにスムーズにできる体制を整えることが必要である。(関西広域連合提言)(244~245頁)
これら論点を踏まえると、最終的な政策のありかたは、決して、単なる「東京一極集中でよい」という結論ではなく(書名だけにつられて、そのような論がはびこることを最も危惧するところではあるが)、再度、「東京」「地方」「政府」が、WIN-WIN-WINの幸福な関係を構築し、その結果として、国際都市間競争に勝ち抜く東京を築きあげることだと私は考える。
このような東京そして日本の再生を、ここ中央区から築くことを目指す新たな基本構想策定がなされることを期待する。
以上、「再検討を強く要望する事項」にも十分配慮をした予算執行を期待しつつ、かつ、中央区の未来を切り開くにふさわしい新たな基本構想が策定されることをおおいに期待して、各会計予算案に、賛成の態度を表明する。
平成28年度中央区各会計予算案に対する私の考え方は、以下です。
*********平成28年度中央区各会計予算案に対する考え方********************
平成28年度の各会計予算特別委員会においては、各施策が、誰一人として区民を排除しない「全員参加型社会」に資するものであるかを最重点項目として分析を加えた。
区政の手続面においては、区民参加を区政に求める場合、まず、区政において何が起こっているかを区民に伝えていく必要があり、各種審議会・協議会の公開が求められるところである。中央区の憲法ともいうべき新たな「基本構想」の平成29年度の策定に向けて「中央区基本構想審議会」が設置され、そこにおいて傍聴のルール「中央区基本構想審議会等傍聴事務処理要領」が定められたところである。本処理要領では、区議会議員は、傍聴人の定員には入れないことを明文化され、議員の審議会での役割の重要性を再認識する。一方、区民の審議会等の傍聴は、原則遅刻禁止は当然のこととしても、仕事を理由とする遅刻は例外として入室を認めるなどのさらなる配慮を求める。他の附属機関も本処理要領をひな形に傍聴規定の整備を求めるとともに、防災拠点運営委員会、まちづくり協議会、在宅療養支援協議会などの各種委員会、協議会においても、広く区民へ公開をし、さらなる議論の活発化をはかるべきものであると考える。
また、情報発信のツールとして重要な役割を担う中央区のホームページにおいては、各種会合の日程はわかりやすく表示することを求めるとともに、ページ内容を更新した際はその更新日が記載されることなどの厳格な運用を求める。
さらに区は、新公会計制度の導入に取り組んでいるところである。会計分析と事業評価・施策評価とが結合し、質の高いPDCAサイクルが構築されることに期待をする。
予算の内容面において、以下、5点を特に指摘をする。
一、全員参加型社会について
ソーシャルインクルージョン「誰もが社会から孤立したり、排除されたりせず、社会の構成員として能力を発揮でき、互いを支え合おう」という考え方をいずれの施策においても忘れることなく取り入れることを期待する。
たとえ、どんなに重い障害をもった児であったとしても、その親御さんは、その我が子に対し、今を一生懸命に生きる息子をとてもいとおしく、深く尊敬の思いを抱いておられる。「子ども発達支援センター」の設置を計画しているところであるが、児のケアをその家族だけにまかせてしまうのではなく、要保護児童等対策協議会の機能強化と共に、地域包括ケアシステムを、高齢者だけではなく、子どもや成人に対しても構築し、このような児や家族も区民の一員として社会参加できる仕組みを中央区は早急に整備していく必要性を考える。
さらに、児童虐待問題もあり、予定されている児童福祉法改正にともなう児童相談所の区の設置権限の移行に伴って、本区も早急に児童相談所を設置することを合わせて要求をする。
また、平成28年3月1日認知症高齢者の鉄道事故の賠償請求事件について重要な最高裁判決が出されたところであり、認知症高齢者を地域で見守る仕組みや、住み慣れた自宅で生を全うできる在宅療養を支援する構築も合わせて期待をする。
一、人口増に当たっての待機児童問題解消について
「保育園落ちた」匿名ブログから、待機児問題からの親御さんの切迫した状況が伝わってくる。政治に求められることは、その魂の叫びに共感をし、当事者意識をもって解決に邁進することである。幸い、本予算特別委員会においても、待機児童数632名の数字が出されたが、すべての会派の質疑内容はその解消を求める内容となっており議会は、その解消に向け取り組むべきことで方向性を同じくしていることが確認された。
中央区子ども子育て会議でも、保育園を増やす様々な手法が提案されている。
1)再開発の際の保育園設置(ただし現状では、設置されても定員が、再開発の規模に比して少ない。)
2)休園中の幼稚園の利用
3)区の既存施設を保育園へ転用
など。
それら提案は、福祉保健部の所管を離れる内容の提案となり、福祉保健部だけでは解決できない。
待機児童解消をトッププライオリティーにおいた、企画部を中心とした全庁的ななお一層の取り組みに期待をする。
一、東京五輪までになすべきこと及び五輪後に残すべきレガシーについて
東京五輪までになすべきこととして、①受動喫煙をなくすこと、②感染症をなくすこと、③ヘイトスピーチをなくすこと、④テロへの完璧な備えをすること、そして、④区内外の観光客を受け入れる商店街振興策の充実、これらの取り組み方に期待をする。
また、東京五輪後に残すべきことは、区民のスポーツへの意識の高揚である。スポーツ技術のさらなる向上を目指すひとのたてのひろがりとともに、スポーツや運動を取り組んでみようという、障害のあるかたもないかたも、誰もがスポーツをやってみようと思う福祉のスポーツの意味も含めたスポーツのよこへの広がり、すそのの広がりに期待をする。例えば、区民スポーツの日には、区民マラソンだけではなく、障害のあるかたもない方も一緒に参加できるイベントの企画を期待するとともに、障害者スポーツの普及が「オリンピック・パラリンピック区民協議会」で議論されることを期待する。
一、教育の中央区のさらなる発展について
子ども達の社会参加、すべての児童への小学校教育の場の提供は、憲法26条が保障するところであるが、学校教育法22条、児童福祉法24条1項2項の趣旨からは、医療的なケアを必要な子どもを含め、すべての子ども達の保育、幼稚園教育の場の提供が保障されている。
教育費予算において、国際教育、ICT教育、英語教育、理数教育などの先進的な教育の取り組み方や、各学校に特別支援教室を設置し、情緒障害児教育の充実を図っている点をく評価をする。また、図工の教科書に月島第一小学校の子ども達の作品が複数個所取り上げられていることなど、あらゆる教科で教育が充実していることも合わせて評価をする。
しかし、例えば、特別支援教室での個別指導する場としては、パーテーションでの対応では不完全であり、完全隔離の個室を順次整備していくことや、対象児童の増加と共に、情緒障害児教育のための固定学級の整備などさらなる教育環境の整備を期待する。
増加する児童数に対応し、学校改築する方向性は理解するところであるが、阪本小学校等復興小学校については、子ども達にとって、威厳と風格のある校舎で学ぶこともまた教育効果の向上に資すると考える。その改築の方向性においては、明石小学校改築の経験を踏まえつつ、文化財保護審議会の意見も聴取しながら、リノベーションも含めた幅広い改築のありかたを検討することを期待をする。
教える側、教員のストレスを減らすためにも、ストレスチェックを有効に活用したり、学習補助員を適切に補充を行うことも期待をする。
一、都市基盤整備について
全員参加型社会とするためには、バリアフリー、福祉のまちづくりは欠かせないところである。
自立支援協議会など福祉保健関連の委員会や協議会では、バリアフリーのまちづくりがテーマとして多く出されているところであり、福祉保健関係部署と都市整備・環境土木関連部署とのより一層の連携、情報交換のもと、まちづくりの推進に期待をする。
区施設の更新にあたっても、防災拠点の核となる全小学校へのエレベーターの設置なども含め、まずもって、バリアフリーの観点を取り入れることを期待をする。
築地市場跡地整備に関連して、築地市場は、本来は現在地再整備をするべきものであった。東京都の誤った政策については、豊洲の土壌汚染地を汚染のない価格で購入した点につき、住民訴訟が東京地方裁判所で係属中であり、この秋頃に結審の予定という。豊洲新市場では、土壌汚染問題を払しょくし、約束されたハサップ(HACCP)を取り入れた安全安心な食の流通に期待をするとともに、築地の食の文化伝統が、「築地魚河岸」で引き継がれていくことに大いに期待をする。
築地の地は、銀座近傍地、国立がんセンター、浜離宮、朝日新聞という立地の点からは、地上水上交通の結節点という機能と合わせて、学術芸術交流拠点としての施設がふさわしいと考えるところであるが、都民たる中央区民の要望を早急に集約し、新たな基本構想にも反映をさせた上で、築地市場跡地整備の方向性を積極的に都に提案をすることを望む。
次に、以下、3点、予算案に関連して「再検討を強く求める事項」を述べる。
まず、豊海町6番と7番での「大型流通配送センター」の計画においては、中央区も区道の付け替えで関与するところである。その屋上にフットサルコートなどの広場の整備がされ区民福祉の向上に資するものではあり一定の評価はする。しかし、豊海町は、「月島漁業基地」という港湾法に定められた「漁港区」であり、主たる機能を物流センターとしてもつ建物は、同法の委任を受けた「東京都臨港地区内の分区における構築物に関する条例」の別表第4に該当するはずもなく、港湾法に抵触する可能性のあることを指摘する。
次に、今回第一回定例会で提出の議案第18号「中央区議会議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例」については、日本経済の回復の基調が未だなく、区民生活の向上が見られないこの機における議員報酬等の増額が認められない点から、再検討を強く求める。
合わせて、議案29号「中央区立公園条例の一部を改正する条例」については、第15条の2を新設し「中央区立坂本町公園の占用の 許可に係わる仮設の施設として中央区立城東小学校及び中央区立坂本小学校の仮設校舎」を定めるものであるが、手続面においては、中央区教育委員会における両校の校舎の整備についての「決定」がないままの状態での議決であって、教育委員会の政治的中立性を確保するという目的の『地方教育行政の組織及び運営に関する法律』第21条7号に抵触する可能性があり、内容面においては、都市公園を両校の仮校舎で占用することは、同地区における災害時の避難場所としての機能を著しく阻害し、「公衆の利用に著しい支障」を来すおそれがあり、また、仮校舎という決して好ましいとはいえない教育環境で良好の子ども達を学ばせなくとも、中央小学校や明正小学校の改築の際に用いた手法「一校舎二学校」を取りうるのであって、都市公園の仮校舎による占用は、「必要やむを得ないとは認められない」ことから、占用許可の厳格な要件を定めた都市公園法7条に抵触する可能性があると考える。
従って、両校の改築の手法においてさらなる検討を強く求める。
最後に、中央区基本構想の方向性に関し付言をする。
『東京一極集中が日本を救う』 市川宏雄(いちかわひろお)都市政策専門家 ディスカヴァー携書2015年10月25日第1刷 という書(以下、「本著」という。)がある。
本著では、「東京一極集中」から連想される「東京VS地方」という二項対立の見方をやめて、国際都市間競争の中で、東京都が勝ち残るための手法を論じたものである。
すなわち、
〇本著は、東京一極集中は、歴史の必然として生じ、第三次産業繁栄が東京で起きている。(第1章)
〇かつては、「東京」「地方」「政府」の幸福な関係があったが、1992~93年のバブル経済崩壊とともに瓦解した。(80頁)
〇東京一極集中を肯定する形での政策転換は、二つの理由でできない。(118~120頁)
ひとつは、地方選出の議員がまだまだ多数派をしめていること、もうひとつは、人口動向から地方自体が、消滅の可能性があること。
〇道州制の議論には、反対する勢力がふたつある。(125頁)
ひとつは、権限と予算を地方に渡すことになる政府、もうひとつは、地方の小都市。
〇国際都市間競争時代の東京の課題
1、東京でのビジネスの成長性、容易性で東京は難点であるという、経営者からの評価の低さ(155頁)
2、1950年代~70年代前半に整備された道路・鉄道・橋梁・トンネル・上下水道などのインフラの一斉老朽化を迎えること(164~167頁)
(維持補修にかかる費用のピークは2016年度、更新にかかる費用のピークが2023年度)
3、超高齢化(169頁)
東京の高齢化率24.2%(2015年)⇒30.7%(2035年)
〇東京の二つの武器
1、リニア中央新幹線の開業(184頁)
東京~名古屋間286km40分 2027年先行開業⇒名古屋をいれ7000万人都市圏誕生(現在3562万人)、東京~大阪間438km67分 全線開業予定2045年
2、2020年東京オリンピック・パラリンピック(218頁)
経済波及効果19兆3522億円(2014年度の実質GDP525兆8664億円の0.26%)、2020年の経済成長率を0.26%程度押し上げる
〇東京一極集中の状況下、大震災に対しては、大阪圏をバックアップにスムーズにできる体制を整えることが必要である。(関西広域連合提言)(244~245頁)
これら論点を踏まえると、最終的な政策のありかたは、決して、単なる「東京一極集中でよい」という結論ではなく(書名だけにつられて、そのような論がはびこることを最も危惧するところではあるが)、再度、「東京」「地方」「政府」が、WIN-WIN-WINの幸福な関係を構築し、その結果として、国際都市間競争に勝ち抜く東京を築きあげることだと私は考える。
このような東京そして日本の再生を、ここ中央区から築くことを目指す新たな基本構想策定がなされることを期待する。
以上、「再検討を強く要望する事項」にも十分配慮をした予算執行を期待しつつ、かつ、中央区の未来を切り開くにふさわしい新たな基本構想が策定されることをおおいに期待して、各会計予算案に、賛成の態度を表明する。