都市計画法11条1項7号で、市場は、都市施設になり、都市計画法に縛られます。
豊洲市場も当然、同法に縛られています。
実際、建物下に盛り土をすることを前提とした環境影響評価書(平成23年7月)が、東京都都市計画審議会に送付され、同都市計画審議会において、平成23年7月29日議第7058号として豊洲新市場建設事業は審議されました。http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/・・・/toshikei193a.htm
都市計画決定で約束された盛り土がなされないまま建設工事がなされたのであるから、都市計画にそった形の是正の必要性が生じていると考えます。
(併せて、都市計画決定の前提となる環境影響評価法の重大な違反を『第二次自己検証報告書』(26ページ)で東京都が認めていることも重要なポイントです。)
従って、同法81条のいずれかに該当し、現状において、監督処分などを受けることになるのではないでしょうか。
都市計画法81条適用の理由をもう少し、詳しく述べます。
H23.7.29都市計画審議会に、『豊洲新市場建設事業 環境影響評価書』が送付されました。そのうえで、都市計画決定がなされています。すなわち、この都市計画決定の“条件”として、その環境影響評価書で約束された「建物下に盛り土がなされる」ということが付された都市計画で決定がなされたと考えます。
今回9/10発覚したところによりますと、その条件としての建物下の盛り土がなされていませんでした。
従って、都市計画法81条1項3号「この法律の規定による許可、認可又は承認に付した条件に違反している」文言に該当するのではないかと、私は考えます。
よって、都市計画決定をした都知事は、豊洲新市場の工作物の「改築、移転若しくは除去その他違反を是正するために必要な措置をとること」を命じる監督処分を、事業者である都知事に対してなすべきであると考えます。
81条の監督処分に従わない場合、第7章のいずれかの罰則が適用になる場合もあります。
東京都は、盛り土がないことを、なんとなくやり過ごそうとしていますが、都市計画法違反をそのまま放置する気なのだろうか?
少なくとも、環境影響評価法のことは、『第二次自己検証報告書』に書かれていますが、都市計画法関連のことも検証すべきでは?
H28.11.1 豊洲市場地下空間に関する調査特別チーム『第二次自己検証報告書』 重要カ所の一部抜粋 (赤字は、小坂のメモ)
******都市計画法******
(都市施設)
第十一条 都市計画区域については、都市計画に、次に掲げる施設を定めることができる。この場合において、特に必要があるときは、当該都市計画区域外においても、これらの施設を定めることができる。
一 道路、都市高速鉄道、駐車場、自動車ターミナルその他の交通施設
二 公園、緑地、広場、墓園その他の公共空地
三 水道、電気供給施設、ガス供給施設、下水道、汚物処理場、ごみ焼却場その他の供給施設又は処理施設
四 河川、運河その他の水路
五 学校、図書館、研究施設その他の教育文化施設
六 病院、保育所その他の医療施設又は社会福祉施設
七 市場、と畜場又は火葬場
八 一団地の住宅施設(一団地における五十戸以上の集団住宅及びこれらに附帯する通路その他の施設をいう。)
九 一団地の官公庁施設(一団地の国家機関又は地方公共団体の建築物及びこれらに附帯する通路その他の施設をいう。)
十 流通業務団地
十一 一団地の津波防災拠点市街地形成施設(津波防災地域づくりに関する法律 (平成二十三年法律第百二十三号)第二条第十五項 に規定する一団地の津波防災拠点市街地形成施設をいう。)
十二 一団地の復興再生拠点市街地形成施設(福島復興再生特別措置法 (平成二十四年法律第二十五号)第三十二条第一項 に規定する一団地の復興再生拠点市街地形成施設をいう。)
十三 一団地の復興拠点市街地形成施設(大規模災害からの復興に関する法律 (平成二十五年法律第五十五号)第二条第八号 に規定する一団地の復興拠点市街地形成施設をいう。)
十四 その他政令で定める施設
2項以下略
(監督処分等)
第八十一条 国土交通大臣、都道府県知事又は市長は、次の各号のいずれかに該当する者に対して、都市計画上必要な限度において、この法律の規定によつてした許可、認可若しくは承認を取り消し、変更し、その効力を停止し、その条件を変更し、若しくは新たに条件を付し、又は工事その他の行為の停止を命じ、若しくは相当の期限を定めて、建築物その他の工作物若しくは物件(以下この条において「工作物等」という。)の改築、移転若しくは除却その他違反を是正するため必要な措置をとることを命ずることができる。
一 この法律若しくはこの法律に基づく命令の規定若しくはこれらの規定に基づく処分に違反した者又は当該違反の事実を知つて、当該違反に係る土地若しくは工作物等を譲り受け、若しくは賃貸借その他により当該違反に係る土地若しくは工作物等を使用する権利を取得した者
二 この法律若しくはこの法律に基づく命令の規定若しくはこれらの規定に基づく処分に違反した工事の注文主若しくは請負人(請負工事の下請人を含む。)又は請負契約によらないで自らその工事をしている者若しくはした者
三 この法律の規定による許可、認可又は承認に付した条件に違反している者
四 詐欺その他不正な手段により、この法律の規定による許可、認可又は承認を受けた者
2 前項の規定により必要な措置をとることを命じようとする場合において、過失がなくて当該措置を命ずべき者を確知することができないときは、国土交通大臣、都道府県知事又は市長は、その者の負担において、当該措置を自ら行い、又はその命じた者若しくは委任した者にこれを行わせることができる。この場合においては、相当の期限を定めて、当該措置を行うべき旨及びその期限までに当該措置を行わないときは、国土交通大臣、都道府県知事若しくは市長又はその命じた者若しくは委任した者が当該措置を行う旨を、あらかじめ、公告しなければならない。
3 国土交通大臣、都道府県知事又は市長は、第一項の規定による命令をした場合においては、標識の設置その他国土交通省令で定める方法により、その旨を公示しなければならない。
4 前項の標識は、第一項の規定による命令に係る土地又は工作物等若しくは工作物等の敷地内に設置することができる。この場合においては、同項の規定による命令に係る土地又は工作物等若しくは工作物等の敷地の所有者、管理者又は占有者は、当該標識の設置を拒み、又は妨げてはならない。
第七章 罰則 (全条89-97条引用)
第八十九条 第五十九条第四項の規定により認可を受けて都市計画事業を施行する者(以下「特別施行者」という。)又は特別施行者である法人の役員若しくは職員が、当該都市計画事業に係る職務に関し、賄賂を収受し、又は要求し、若しくは約束したときは、三年以下の懲役に処する。よつて不正の行為をし、又は相当の行為をしないときは、七年以下の懲役に処する。
2 特別施行者又は特別施行者である法人の役員若しくは職員であつた者が、その在職中に請託を受けて当該都市計画事業に係る職務上不正の行為をし、又は相当の行為をしなかつたことにつき賄賂を収受し、又は要求し、若しくは約束したときは、三年以下の懲役に処する。
3 特別施行者又は特別施行者である法人の役員若しくは職員が、当該都市計画事業に係る職務に関し、請託を受けて第三者に賄賂を供与させ、又はその供与を約束したときは、三年以下の懲役に処する。
4 犯人又は情を知つた第三者の収受した賄賂は、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。
第九十条 前条第一項から第三項までに規定するわいろを供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する。
2 前項の罪を犯した者が自首したときは、その刑を減軽し、又は免除することができる。
第九十一条 第八十一条第一項の規定による国土交通大臣、都道府県知事又は市長の命令に違反した者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第九十二条 次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
一 第二十五条第五項の規定に違反して、同条第一項の規定による土地の立入りを拒み、又は妨げた者
二 第二十六条第一項に規定する場合において、市町村長の許可を受けないで障害物を伐除した者又は都道府県知事等の許可を受けないで土地に試掘等を行つた者
三 第二十九条第一項若しくは第二項又は第三十五条の二第一項の規定に違反して、開発行為をした者
四 第三十七条又は第四十二条第一項の規定に違反して、建築物を建築し、又は特定工作物を建設した者
五 第四十一条第二項の規定に違反して、建築物を建築した者
六 第四十二条第一項又は第四十三条第一項の規定に違反して、建築物の用途を変更した者
七 第四十三条第一項の規定に違反して、建築物を建築し、又は第一種特定工作物を建設した者
八 第五十八条の七の規定に違反して、届出をせず、又は虚偽の届出をした者
第九十二条の二 第五十八条の八第二項の規定による報告を求められて、報告をせず、又は虚偽の報告をした者は、三十万円以下の罰金に処する。
第九十三条 次の各号の一に該当する者は、二十万円以下の罰金に処する。
一 第五十八条の二第一項又は第二項の規定に違反して、届出をせず、又は虚偽の届出をした者
二 第八十条第一項の規定による報告又は資料の提出を求められて、報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をした者
三 第八十二条第一項の規定による立入検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
第九十四条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関して第九十一条から前条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。
第九十五条 次の各号の一に該当する者は、五十万円以下の過料に処する。
一 第五十二条の三第二項(第五十七条の四において準用する場合を含む。)、第五十七条第二項又は第六十七条第一項の規定に違反して、届出をしないで土地又は土地建物等を有償で譲り渡した者
二 第五十二条の三第二項(第五十七条の四において準用する場合を含む。)、第五十七条第二項又は第六十七条第一項の届出について、虚偽の届出をした者
三 第五十二条の三第四項(第五十七条の四において準用する場合を含む。)、第五十七条第四項又は第六十七条第三項の規定に違反して、同項の期間内に土地建物等を譲り渡した者
第九十六条 第三十五条の二第三項又は第三十八条の規定に違反して、届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、二十万円以下の過料に処する。
第九十七条 第五十八条第一項の規定に基づく条例には、罰金のみを科する規定を設けることができる。