現在の都知事の考え方として、ロードマップが描かれているようです。
ステップ1は安全性などの検証。
ステップ2は環境影響評価(アセスメント)。
スッテプ3は必要に応じた追加対策工事を行う。
最後が農林水産大臣の認可手続き。
現在の豊洲新市場は、少なくとも4つの法律(都市計画法、土壌汚染対策法、卸売市場法、環境影響評価法)に抵触するところがあると私は、考えています。
〇都市計画法への抵触について
⇒建物下に盛り土をするという環境影響評価書を前提として都市計画決定(下のブログ)。同法81条1項3号の適用の場面ではないだろうか。
〇土壌汚染対策法への抵触について
⇒土壌汚染対策法の趣旨の具現化として建物下に盛り土をする考え方が専門家会議と、技術会議でなされたはずであったのにも関わらず、盛り土をなさなかった。
土壌汚染調査不足
地下水位の低下がなされない
土壌汚染対策法上の「形質変更時要届出区域」の指定をはずすには、汚染のないことの2年間のモニタリングが必要であるところ、汚染が検出されており再度2年間のモニタリングがなければ、指定をはずすことができない。
〇卸売市場法への抵触について
⇒卸売市場計画では、建物下に盛り土をする計画であった。しかし、計画に反して盛り土がない。市場としての適切な場所に開設されていない(卸売市場法10条1項2号)。
土壌汚染対策法上の「形質変更時要届出区域」の指定のままでは、市場の認可をすることの想定外であることを、農林水産省は明記(農林水産省 食品産業部会平成23年3月25日配布資料)。
〇環境影響影響評価法への抵触について
⇒建物下に盛り土をすることで、環境影響評価書を作成していた。『第二次自己検証報告書』において東京都自身が、手続きの重大な違法であることを認めている(同報告書26頁)。
土壌汚染対策法に反する点に関連して、しっかりと、安全性の検証、土壌汚染対策がきちんとなされているか、地下水管理が大丈夫であるかを検証いただきたい。
それらが不十分であるがゆえに、築地の選択肢しかないと考えるところです。
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http://www.nikkei.com/article/DGXLASFB04H8H_U6A101C1000000/
「豊洲、再び環境アセスなら15カ月」小池知事会見
2016/11/4 18:06
東京都の小池百合子都知事は4日の記者会見で、築地市場(東京・中央)の豊洲市場(同・江東)への移転延期に関連し、移転に向けた課題や今後必要な行政手続きなどのロードマップ(行程表)を公表した。また、8月2日の都知事就任から100日の蜜月(ハネムーン)の区切りを迎える感想について答えた。主なやり取りは次の通り。
「豊洲移転の問題点を行政手続きの観点から整理したい。4つの手続きのあるロードマップを策定した。ステップ1は安全性などの検証。ステップ2は環境影響評価(アセスメント)。スッテプ3は必要に応じた追加対策工事を行う。最後が農林水産大臣の認可手続きで、全部で4段階だ。4段階の期間を通じて、市場業者の支援・補償や、豊洲市場の維持費の削減に取り組む」
「(ステップ2のアセスメントが)どれくらいかによって(延期期間が長引くかどうかの)道がわかれる。影響が軽微の場合、環境影響評価審議会に報告して変更届けの手続きが終了する。大体1~2カ月の作業だ。環境に著しい影響を及ぼす恐れがあり、審議会が再アセスの必要があると判断した場合は約15カ月かかることになる」
「移転延期に伴い市場業者は苦労している。設備導入が済んだリース料の支払いや、契約内容の変更で違約金などが発生し、資金繰りに困っている。そこで補償スキームを検討をする補償検討委員会を今月中旬にも立ち上げる。元(公益財団法人)日本仲裁人協会理事の鈴木五十三弁護士にお願いする」
「(豊洲市場が稼働しなくても要する)費用が1日700万円という数字が一人歩きした。数字を精査するよう事務方に指示した。維持管理の経費の中身は警備、設備保守などの委託料、光熱費。見直しで約200万円を削減して1日約500万円となる」
――築地市場の移転延期に伴う補償のあり方の結論はいつごろ出すか。
「補償検討委員会が今月中旬に立ち上がる。市場業者の皆さんからどのような要望があり、どのくらい費用が掛かっているかを精査する必要がある。支払いは順次発生するため、そこを考慮する必要性は理解している」
――築地から移転する時期的なめどを市場業者は知りたがっている。
「モニタリングなどの数値を重視してきた。予断を持たずに専門家会議と市場問題プロジェクトチームの判断をベースに考えたい。今年は年末年始の一番忙しい時を(築地市場で)年を越すのは明確だが、来年はどうなるか。確実な判断材料を専門家会議やプロジェクトチームにお願いしたい。市場業者の気持ちは十分理解するが、一歩一歩進めていきたい」
――地下水モニタリング調査の結果次第では豊洲に移転できない可能性もあるのか。
「築地市場はご承知の通り老朽化しており、豊洲(移転)につながっている。一方、築地市場は今まさに動いており、補修が必要なものは取り組む」
――就任間もないころに『勝負の時期』と語った就任100日を迎える。どう振り返るか。
「怒とうのような100日間で、10年分のエネルギーを使ってきた。これまでの東京都とは全く違う切り口で(都政に)取り組んでおり、職員も戸惑うことも多かったはず。議会にも心配をかけたと思う。しかし、東京大改革の基盤中の基盤として、100日間で課題をあぶり出してきた。ここからは答えを出す段階だ」
――2020年東京五輪で、都政改革本部の上山信一特別顧問が、五輪の総予算を都と組織委員会で管理する共同CFO(最高財務責任者)体制を設けることを提言している。
「上山氏はいつも明言する人で、東京五輪に『CEO(最高経営責任者)もCFOもいない』と辛辣な言葉を使っている。ただ(重要事項を協議する)『調整会議』にいないと言っており、組織委員会にいないとは言ってない。私は調整会議の役割は終えたと思っている。国内関係者が集まるより、国際オリンピック委員会(IOC)と一緒にやるのが一番手っ取り早い。IOCとのコミュニケーション密度が高まっているのが好ましい。どの五輪にも組織委員会は必ず存在する」
――無電柱化事業は国や都、区市町村など道路管理者の違いが課題になる場合がある。無電柱化事業をどう進めるか。
「道路は国道、都道府県道、区市町村道はカーペットの縦糸・横糸のようにつながっている。都は都道と区市町村道の連携をうまくすすめるということを盛り込むシステムを考えている。東京五輪に向けて、(東京都心の)センターコアエリアはできるだけ無電柱化する計画ができるだけスピーディーに進むように次の予算案に盛り込みたい」