ある読書会での課題本『小川未明童話集』(新潮文庫昭和26年発行、平成14年75刷)、読んだ直後は、なんかトーンが重くて、楽しい・愉快というよりは、悲しい話が多いけど、それが美しく描かれているなあ。という感じを受けました。
しかし、この本に出会えて、本当に良かったと心から思っています。
「日本のアンデルセン。ぜひ、子どもと一緒に童話文学をご堪能下さい。」とお勧めをしたいと思います。
私が、印象に残る箇所。
●「赤いろうそくと人魚」18ページおばあさんは、燈のところで、よくその金をしらべてみると、それはお金ではなくて、貝がらでありました。
●「飴チョコの天使」91ページ三人の天使は、青い空に上ってゆきました。
●「百姓の夢」104ページあの牛は、どうして水音もたてずに、この池を泳いでいったろう?百姓は、とにかく子供たちが無事なので、安心しました。
そして、
●「野ばら」25ページ敵の兵でありながら、その兵を思う老人に、青年が現れる夢のシーン。
2022年は「日本のアンデルセン」と呼ばれた未明の生誕140年にあたる年だったといいます。
未明は生涯、薄幸な存在に思いを寄せ続け、「弱き者の為に立ち 代弁なき者のために起つ我これを芸術の信条となす」という言葉を残しました。
ぜひぜひ、ご一読を!!!
余談ですが、「童話は文学か?」と解説で書かれており、そのたとえで、小児科医が比較に上げられています。
******小川未明童話集232ページ*******
小川未明氏に関し、坪田譲治氏の解説抜粋