「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

6月22日(日)中央区月島3丁目 こども元気クリニック03-5547-1191急病対応は、電話対応応需。

2014-06-20 15:33:11 | 小児医療
 6月22日(日)午前9時~午前中、中央区月島3丁目 こども元気クリニック03-5547-1191急病対応は、電話対応の形で応需させていただきます。
 クリニックにお問い合わせください。
 ℡ 03-5547-1191

 
 胃腸炎や、高熱のご病気が、今、流行っています。
 高熱の風邪の子の中に、アデノウイルス感染症の子もおられるようです。

 喘息の子が、体調を咳の発作を出したりもしています。


 日曜祝日は、平日なかなか時間が作れない場合でも、休日も、予防接種も実施いたしますので、ご利用ください。


こども元気クリニック・病児保育室
中央区月島3-30-3
電話 03-5547-1191

小坂和輝
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残念な都議会。どうか、正々堂々と、都政の課題をご議論下さる議会になって下さい。

2014-06-20 12:14:38 | 議会改革

 新聞記事に目を疑いました。

 一議員の心無いヤジですが、都議会がしっかりしてほしいです。

 どうか、正々堂々と、都政の課題をご議論下さる議会になって下さい。

 


*****************東京新聞********************************************
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014062002000140.html

【政治】


都議会やじ波紋 「産めないのか」「早く結婚しろ」
 

2014年6月20日 朝刊

 東京都議会の本会議で、妊娠や出産に悩む女性への支援策について都側に質問していた女性都議に対し、「自分が早く結婚したらいいじゃないか」「産めないのか」などのやじが飛び、議会内外に波紋を広げている。女性を蔑視し議会の品位をおとしめる内容の発言に、業を煮やした超党派の女性都議25人全員が19日、再発防止を徹底するよう議長に異例の申し入れをした。 


 やじを受けたのは、十八日に一般質問に立った塩村文夏(あやか)議員(35)=一期、世田谷区。ツイッターに「政策に対してのヤジは受けますが悩んでる女性に対して言っていいとは思えない」と書き込むと、これを引用して拡散する「リツイート」の数は二万件を超えた。都議会局には十九日、千件を超える意見が電話や電子メールで寄せられ、ほとんどが「女性に対して失礼な内容だ」などの苦情や批判だった。


 やじは男性の声だったが、発言者は特定されておらず、名乗り出てもいない。「自民党議員席から聞こえた」との証言が複数会派からあり、塩村氏が所属するみんなの党は、幹部が抗議したが、自民幹部は「確認できていない」と取り合わなかった。


 塩村氏は十九日、取材に「代弁すべき議員が人格を否定する発言をするのはやめてほしい」と語った。




**************************************
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG20019_Q4A620C1CC0000/
都議会セクハラヤジ、発言議員の処分求める要求書提出
2014/6/20 11:10

 東京都議会の本会議で質問したみんなの党の塩村文夏議員(35)に対しヤジが飛んだ問題で、塩村議員は20日、地方自治法の規定に基き、発言した議員の処分を求める要求書を議長宛てに提出した。みんなの党本部の女性局と同党東京総支部も、調査や再発防止を求める申し入れ書を議長宛てに提出した。

 要求書によると、塩村議員が18日、妊娠や出産を巡る都の支援策について質問した際、「早く結婚しろ」「子供もいないのに」といったヤジが飛んだ。発言者は特定されていないが、複数の会派によると、声は自民党の議員席付近から聞こえたという。

 今回の問題に対し、複数の閣僚から批判の声が相次いだ。太田昭宏国土交通相は閣議後の記者会見で「全体の流れは十分承知していないが、一瞬の発言といえども極めてひどい発言だったと思う」と述べた。田村憲久厚生労働相も「女性に対して失礼。同時に人として大問題だ。断じて許されない」と話した。

 

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情報公開法で、開示しなくてよいと定められている情報とは(同法5条1号~6号)、それ以外は原則公開。

2014-06-19 23:00:00 | メディア・リテラシー
 国民の知る権利は、憲法21条で保障されていますが、情報公開法が出来て初めて、情報公開請求権という権利の形で、国や公共団体等に情報の開示を請求できるようになりました。


 情報公開法(行政機関の保有する情報の公開に関する法律)は、原則公開ですが、5条で、公開しないでもよい理由を定めています。

 公開しないでもよい情報は、5条1号から6号で規定されています。


 1号 個人に関する情報

 2号 法人に関する情報

 3号 国の安全に関する情報

 4号 公安に関する情報

 5号 意思形成過程の情報

 6号 事務又は事業に関する情報


 本当に、1~6号に該当して開示されないと決定されたのかは、吟味する必要があります。

 

 


*******情報公開法*************************************************
(行政文書の開示義務)
第五条  行政機関の長は、開示請求があったときは、開示請求に係る行政文書に次の各号に掲げる情報(以下「不開示情報」という。)のいずれかが記録されている場合を除き、開示請求者に対し、当該行政文書を開示しなければならない。

一  個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)又は特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの。ただし、次に掲げる情報を除く。

イ 法令の規定により又は慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報
ロ 人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報
ハ 当該個人が公務員等(国家公務員法 (昭和二十二年法律第百二十号)第二条第一項 に規定する国家公務員(独立行政法人通則法 (平成十一年法律第百三号)第二条第二項 に規定する特定独立行政法人の役員及び職員を除く。)、独立行政法人等(独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律 (平成十三年法律第百四十号。以下「独立行政法人等情報公開法」という。)第二条第一項 に規定する独立行政法人等をいう。以下同じ。)の役員及び職員、地方公務員法 (昭和二十五年法律第二百六十一号)第二条 に規定する地方公務員並びに地方独立行政法人(地方独立行政法人法 (平成十五年法律第百十八号)第二条第一項 に規定する地方独立行政法人をいう。以下同じ。)の役員及び職員をいう。)である場合において、当該情報がその職務の遂行に係る情報であるときは、当該情報のうち、当該公務員等の職及び当該職務遂行の内容に係る部分

二  法人その他の団体(国、独立行政法人等、地方公共団体及び地方独立行政法人を除く。以下「法人等」という。)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、次に掲げるもの。ただし、人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報を除く。
イ 公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの
ロ 行政機関の要請を受けて、公にしないとの条件で任意に提供されたものであって、法人等又は個人における通例として公にしないこととされているものその他の当該条件を付することが当該情報の性質、当時の状況等に照らして合理的であると認められるもの

三  公にすることにより、国の安全が害されるおそれ、他国若しくは国際機関との信頼関係が損なわれるおそれ又は他国若しくは国際機関との交渉上不利益を被るおそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由がある情報

四  公にすることにより、犯罪の予防、鎮圧又は捜査、公訴の維持、刑の執行その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由がある情報

五  国の機関、独立行政法人等、地方公共団体及び地方独立行政法人の内部又は相互間における審議、検討又は協議に関する情報であって、公にすることにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、不当に国民の間に混乱を生じさせるおそれ又は特定の者に不当に利益を与え若しくは不利益を及ぼすおそれがあるもの

六  国の機関、独立行政法人等、地方公共団体又は地方独立行政法人が行う事務又は事業に関する情報であって、公にすることにより、次に掲げるおそれその他当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの
イ 監査、検査、取締り、試験又は租税の賦課若しくは徴収に係る事務に関し、正確な事実の把握を困難にするおそれ又は違法若しくは不当な行為を容易にし、若しくはその発見を困難にするおそれ
ロ 契約、交渉又は争訟に係る事務に関し、国、独立行政法人等、地方公共団体又は地方独立行政法人の財産上の利益又は当事者としての地位を不当に害するおそれ
ハ 調査研究に係る事務に関し、その公正かつ能率的な遂行を不当に阻害するおそれ
ニ 人事管理に係る事務に関し、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれ
ホ 独立行政法人等、地方公共団体が経営する企業又は地方独立行政法人に係る事業に関し、その企業経営上の正当な利益を害するおそれ
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裁くのは裁判官であって、決して弁護人ではありません。

2014-06-18 23:00:00 | シチズンシップ教育
 十分に控訴審の判決文にも当たってみるべきところですが、

 以下、最高裁の判決が、少しひっかかります。

 弁護人は、たとえ国選弁護人であれ、どのような罪をおかした被告人に対してでも、誠実義務を負うものです。

 裁くのは裁判官であって、決して弁護人となった弁護士ではありません。

 下記最高裁の裁判となった事案の控訴審では、国選弁護人が、控訴趣意書で、「控訴の理由なし」「本件罪状を鑑みるとき死刑はやむをえない」「その行為は実に戦慄を覚ゆる」「事実の誤認はない」などと記載提出しただけであり、その他に必要な弁護活動をしませんでした。

 結果、被告人は、その国選弁護人により控訴権を侵害されました。
 (その後、被告人は、その弁護人に対する民事の損害賠償請求で勝訴しています。東京地裁昭和38年11月28日)

 控訴審における手続の違法があるのではないかという点がひっかかります。


************最高裁ホームページ************************
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=51701&hanreiKbn=02

事件番号  昭和35(あ)1562
事件名  殺人、死体遺棄、死体損壊
裁判年月日  昭和36年03月30日
法廷名  最高裁判所第一小法廷
裁判種別  判決
結果  棄却
判例集等巻・号・頁  刑集 第15巻3号688頁
原審裁判所名  東京高等裁判所
原審事件番号  
原審裁判年月日  昭和35年06月13日
判示事項  刑訴法第四一一条第一号にあたらない事例。
裁判要旨 必要的弁護事件の控訴審において選任された国選弁護人の控訴趣意書には「控訴の理由なし」と記載してあつても、同弁護人は、量刑の当不当、法令適用の正誤、事実誤認の有無、訴訟手続違反の有無、刑訴第三七七条、第三八三条関係の各事項にわたり詳細に取り調べた上控訴の理由なしとしたものであり、また被告人の控訴趣意は量刑不当の主張のみであつて、原判決がこれにつき詳細に説示していることを認めることができるときは、原審の訴訟手続には違法は認められない。
参照法条 憲法37条3項,刑訴法第36条,刑訴法298条,刑訴法388条

判決文全文
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/js_20100319120201039235.pdf

主 文 本件上告を棄却する。

理 由

弁護人佐藤喜代作の上告趣意は、量刑の非難であつて刑訴四〇五条の上告理由に 当らない。 被告人本人の上告趣意は違憲をいうが実質は単なる法令違反の主張に帰し、同補 充の趣意は事実誤認、量刑不当の主張を出でないものであつて、すべて刑訴四〇五 条の上告理由に当らない。そして、記録を調べると、原審弁護人は、量刑の当不当、 法令適用の正誤、事実誤認の有無、訴訟手続違反の有無、刑訴三七七条、三八三条 関係等の各事項にわたり詳細に取り調べた上控訴の理由なしとしたものであり、ま た、被告人の控訴趣意は、量刑不当の主張のみであつて、原判決はこれにつき詳細 に説示していることを認めることができるから、原審の訴訟手続には所論違法は認 められない。その他記録を調べても、本件につき刑訴四一一条一号ないし三号を適 用すべきものとは認められない。 よつて同四一四条、三九六条、一八一条一項但書により裁判官全員一致の意見で 主文のとおり判決する。

検察官 中村哲夫公判出席

昭和三六年三月三〇日 最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 高 木 常 七 裁判官 斎 藤 悠 輔 裁判官 入 江 俊 郎 裁判官 下 飯 坂 潤 夫
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海外旅行中、子どもの病気・事故に、どのように備え・対応するか。外来診療中にもお気軽にご相談を。

2014-06-17 12:41:15 | 小児医療

 そろそろ、夏休み中の国内外の旅行のことが視野に入る時期です。

 国内外の旅行中、子どもの病気・事故に、どのように備え・対応するか。

 外来診療中にもお気軽にご相談を下さい。

 個別具体的に、アドバイスさせていただきます。


 本日、国内外の旅行中の子どもの健康と安全について、このテーマに関しては今年二度目の雑誌取材をお受けするところです。


*****************************

 外旅行中の子どもの健康と安全、そのための対処法

 以下、5点が、大事と思います。


1、持病への対応

 〇ぜんそく対策

 〇熱性けいれん対策

 〇アレルギー性鼻炎・結膜炎対策

 〇便秘対策


2、一般的な風邪症状などへの対応

 〇発熱への対処

 〇下痢・嘔吐への対処

 〇せき・ぜんそく発作への対処

 〇熱中症

 〇高山病

 〇時差ボケ

 〇乗り物よい

3、その地域特有の感染症、風土病への対応

 〇感染症
  ウイルス:コレラ、A型肝炎

  細菌:腸チフス、赤痢

  寄生虫:条虫

 〇蚊を媒介
  マラリア、日本脳炎、デング熱

 〇ダニを媒介
  


4、事故への対応

 〇子どもの死亡原因の一位は事故
  事故 交通事故、おぼれる、窒息 この三大原因が事故の8割
     その他、転落、やけど

 〇狂犬病
  犬、猫、タヌキなど小動物から

 〇けが
  切り傷:洗って、消毒

  打撲:冷やす

  出血:心臓に近い側の圧迫で止血

  骨折:固定


5、準備、予防、心肺蘇生など万が一への対応

 〇準備
 1:持病の薬

 2:一般的な薬、風邪薬、下痢、解熱剤、経口補水剤(ORS;Oral Rehaydration Salte)の粉末剤

 3:軟膏
  ひやけ
  スキンケア、保湿剤
  虫刺され

 4:長時間フライト対策


 5:けが
  
  消毒薬、ばんそうこう 


 6:その他 体温計、熱さまシート、虫よけスプレー、ウェットティッシュ

 


 〇予防接種 

  定期予防接種は、日本脳炎含めきちんとする

  特別な予防接種は地域によってする、A型肝炎、狂犬病、黄熱など


 〇心肺蘇生法の習得


 〇国際電話できるかかりつけ医をもつ

  海外旅行傷害保険やクレジットカードの相談デスク、日本大使館・領事館も相談にのってくれるはず。



 〇旅行する地域の情報を得る

 厚生労働省検疫所http://www.forth.go.jp/

 外務省海外安全ホームページhttp://www.anzen.mofa.go.jp/  

 国立感染症研究所http://www.nih.go.jp/niid/ja/index.html 

 日本渡航医学会 http://www.tramedjsth.jp// 

 日本旅行医学会http://www.jstm.gr.jp/ 

 〇基礎的な知識の情報

 日本旅行業協会  http://www.jata-net.or.jp/travel/info/safety/health/medical/index.html

 〇やや専門的な論文

 子どもの海外旅行 小川富雄氏
 http://www.jstm.gr.jp/kodomo.pdf#search='%E5%AD%90%E3%81%A9%E3%82%82%E3%81%AE%E6%B5%B7%E5%A4%96%E6%97%85%E8%A1%8C'
 
以上

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違反建築物を、周辺住民が除去させる方法(建築基準法9条1項&行政事件訴訟法3条6項1号)

2014-06-16 23:00:00 | 街づくり
 違反建築物を行政によって、周辺住民が除去させる方法として、

 建築基準法9条1項の規定があります。

 建築主が建築基準法に従わない、あるいは、行政が動こうとしない場合には、

 「非申請型の義務付けの訴え」(行政事件訴訟法3条6項1号、同法37条の2)を用いることで、法の力(行政代執行法)によって、除去できます。




**************建築基準法**********************

(違反建築物に対する措置)
第九条  特定行政庁は、建築基準法令の規定又はこの法律の規定に基づく許可に付した条件に違反した建築物又は建築物の敷地については、当該建築物の建築主、当該建築物に関する工事の請負人(請負工事の下請人を含む。)若しくは現場管理者又は当該建築物若しくは建築物の敷地の所有者、管理者若しくは占有者に対して、当該工事の施工の停止を命じ、又は、相当の猶予期限を付けて、当該建築物の除却、移転、改築、増築、修繕、模様替、使用禁止、使用制限その他これらの規定又は条件に対する違反を是正するために必要な措置をとることを命ずることができる。
2  特定行政庁は、前項の措置を命じようとする場合においては、あらかじめ、その措置を命じようとする者に対して、その命じようとする措置及びその事由並びに意見書の提出先及び提出期限を記載した通知書を交付して、その措置を命じようとする者又はその代理人に意見書及び自己に有利な証拠を提出する機会を与えなければならない。
3  前項の通知書の交付を受けた者は、その交付を受けた日から三日以内に、特定行政庁に対して、意見書の提出に代えて公開による意見の聴取を行うことを請求することができる。
4  特定行政庁は、前項の規定による意見の聴取の請求があつた場合においては、第一項の措置を命じようとする者又はその代理人の出頭を求めて、公開による意見の聴取を行わなければならない。
5  特定行政庁は、前項の規定による意見の聴取を行う場合においては、第一項の規定によつて命じようとする措置並びに意見の聴取の期日及び場所を、期日の二日前までに、前項に規定する者に通知するとともに、これを公告しなければならない。
6  第四項に規定する者は、意見の聴取に際して、証人を出席させ、かつ、自己に有利な証拠を提出することができる。
7  特定行政庁は、緊急の必要がある場合においては、前五項の規定にかかわらず、これらに定める手続によらないで、仮に、使用禁止又は使用制限の命令をすることができる。
8  前項の命令を受けた者は、その命令を受けた日から三日以内に、特定行政庁に対して公開による意見の聴取を行うことを請求することができる。この場合においては、第四項から第六項までの規定を準用する。ただし、意見の聴取は、その請求があつた日から五日以内に行わなければならない。
9  特定行政庁は、前項の意見の聴取の結果に基づいて、第七項の規定によつて仮にした命令が不当でないと認めた場合においては、第一項の命令をすることができる。意見の聴取の結果、第七項の規定によつて仮にした命令が不当であると認めた場合においては、直ちに、その命令を取り消さなければならない。
10  特定行政庁は、建築基準法令の規定又はこの法律の規定に基づく許可に付した条件に違反することが明らかな建築、修繕又は模様替の工事中の建築物については、緊急の必要があつて第二項から第六項までに定める手続によることができない場合に限り、これらの手続によらないで、当該建築物の建築主又は当該工事の請負人(請負工事の下請人を含む。)若しくは現場管理者に対して、当該工事の施工の停止を命ずることができる。この場合において、これらの者が当該工事の現場にいないときは、当該工事に従事する者に対して、当該工事に係る作業の停止を命ずることができる。
11  第一項の規定により必要な措置を命じようとする場合において、過失がなくてその措置を命ぜられるべき者を確知することができず、かつ、その違反を放置することが著しく公益に反すると認められるときは、特定行政庁は、その者の負担において、その措置を自ら行い、又はその命じた者若しくは委任した者に行わせることができる。この場合においては、相当の期限を定めて、その措置を行うべき旨及びその期限までにその措置を行わないときは、特定行政庁又はその命じた者若しくは委任した者がその措置を行うべき旨をあらかじめ公告しなければならない。
12  特定行政庁は、第一項の規定により必要な措置を命じた場合において、その措置を命ぜられた者がその措置を履行しないとき、履行しても十分でないとき、又は履行しても同項の期限までに完了する見込みがないときは、行政代執行法 (昭和二十三年法律第四十三号)の定めるところに従い、みずから義務者のなすべき行為をし、又は第三者をしてこれをさせることができる。
13  特定行政庁は、第一項又は第十項の規定による命令をした場合(建築監視員が第十項の規定による命令をした場合を含む。)においては、標識の設置その他国土交通省令で定める方法により、その旨を公示しなければならない。
14  前項の標識は、第一項又は第十項の規定による命令に係る建築物又は建築物の敷地内に設置することができる。この場合においては、第一項又は第十項の規定による命令に係る建築物又は建築物の敷地の所有者、管理者又は占有者は、当該標識の設置を拒み、又は妨げてはならない。
15  第一項、第七項又は第十項の規定による命令については、行政手続法 (平成五年法律第八十八号)第三章 (第十二条及び第十四条を除く。)の規定は、適用しない。



**************行政事件訴訟法**********************
(抗告訴訟)
第三条  この法律において「抗告訴訟」とは、行政庁の公権力の行使に関する不服の訴訟をいう。
2  この法律において「処分の取消しの訴え」とは、行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為(次項に規定する裁決、決定その他の行為を除く。以下単に「処分」という。)の取消しを求める訴訟をいう。
3  この法律において「裁決の取消しの訴え」とは、審査請求、異議申立てその他の不服申立て(以下単に「審査請求」という。)に対する行政庁の裁決、決定その他の行為(以下単に「裁決」という。)の取消しを求める訴訟をいう。
4  この法律において「無効等確認の訴え」とは、処分若しくは裁決の存否又はその効力の有無の確認を求める訴訟をいう。
5  この法律において「不作為の違法確認の訴え」とは、行政庁が法令に基づく申請に対し、相当の期間内に何らかの処分又は裁決をすべきであるにかかわらず、これをしないことについての違法の確認を求める訴訟をいう。
6  この法律において「義務付けの訴え」とは、次に掲げる場合において、行政庁がその処分又は裁決をすべき旨を命ずることを求める訴訟をいう。
一  行政庁が一定の処分をすべきであるにかかわらずこれがされないとき(次号に掲げる場合を除く。)。

二  行政庁に対し一定の処分又は裁決を求める旨の法令に基づく申請又は審査請求がされた場合において、当該行政庁がその処分又は裁決をすべきであるにかかわらずこれがされないとき。
7  この法律において「差止めの訴え」とは、行政庁が一定の処分又は裁決をすべきでないにかかわらずこれがされようとしている場合において、行政庁がその処分又は裁決をしてはならない旨を命ずることを求める訴訟をいう。


(義務付けの訴えの要件等)
第三十七条の二  第三条第六項第一号に掲げる場合において、義務付けの訴えは、一定の処分がされないことにより重大な損害を生ずるおそれがあり、かつ、その損害を避けるため他に適当な方法がないときに限り、提起することができる。
2  裁判所は、前項に規定する重大な損害を生ずるか否かを判断するに当たつては、損害の回復の困難の程度を考慮するものとし、損害の性質及び程度並びに処分の内容及び性質をも勘案するものとする。
3  第一項の義務付けの訴えは、行政庁が一定の処分をすべき旨を命ずることを求めるにつき法律上の利益を有する者に限り、提起することができる。
4  前項に規定する法律上の利益の有無の判断については、第九条第二項の規定を準用する。
5  義務付けの訴えが第一項及び第三項に規定する要件に該当する場合において、その義務付けの訴えに係る処分につき、行政庁がその処分をすべきであることがその処分の根拠となる法令の規定から明らかであると認められ又は行政庁がその処分をしないことがその裁量権の範囲を超え若しくはその濫用となると認められるときは、裁判所は、行政庁がその処分をすべき旨を命ずる判決をする。

*************************************


****************行政代執行法 全文************

行政代執行法
(昭和二十三年五月十五日法律第四十三号)


最終改正:昭和三七年九月一五日法律第一六一号



第一条  行政上の義務の履行確保に関しては、別に法律で定めるものを除いては、この法律の定めるところによる。

第二条  法律(法律の委任に基く命令、規則及び条例を含む。以下同じ。)により直接に命ぜられ、又は法律に基き行政庁により命ぜられた行為(他人が代つてなすことのできる行為に限る。)について義務者がこれを履行しない場合、他の手段によつてその履行を確保することが困難であり、且つその不履行を放置することが著しく公益に反すると認められるときは、当該行政庁は、自ら義務者のなすべき行為をなし、又は第三者をしてこれをなさしめ、その費用を義務者から徴収することができる。

第三条  前条の規定による処分(代執行)をなすには、相当の履行期限を定め、その期限までに履行がなされないときは、代執行をなすべき旨を、予め文書で戒告しなければならない。
○2  義務者が、前項の戒告を受けて、指定の期限までにその義務を履行しないときは、当該行政庁は、代執行令書をもつて、代執行をなすべき時期、代執行のために派遣する執行責任者の氏名及び代執行に要する費用の概算による見積額を義務者に通知する。
○3  非常の場合又は危険切迫の場合において、当該行為の急速な実施について緊急の必要があり、前二項に規定する手続をとる暇がないときは、その手続を経ないで代執行をすることができる。

第四条  代執行のために現場に派遣される執行責任者は、その者が執行責任者たる本人であることを示すべき証票を携帯し、要求があるときは、何時でもこれを呈示しなければならない。

第五条  代執行に要した費用の徴収については、実際に要した費用の額及びその納期日を定め、義務者に対し、文書をもつてその納付を命じなければならない。

第六条  代執行に要した費用は、国税滞納処分の例により、これを徴収することができる。
○2  代執行に要した費用については、行政庁は、国税及び地方税に次ぐ順位の先取特権を有する。
○3  代執行に要した費用を徴収したときは、その徴収金は、事務費の所属に従い、国庫又は地方公共団体の経済の収入となる。

以上
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刑事弁護の論点2 被告人が凶悪犯罪の真犯人であり、自己の良心に反する被告人の弁護をする場合について

2014-06-15 23:00:00 | 社会問題

刑事弁護の論点2 被告人が凶悪犯罪の真犯人である等考えられて、国選弁護人として自己の良心に反する被告人の弁護をする場合について

1、決して行ってはならないこと

 被告人の承諾が無いのに、弁護人の正義感やその他の個人的価値観を優先させて、有罪を前提とした弁護活動や、犯罪の成立を求める方向での弁護活動を行うことは許されない。
 
 裁くのは裁判官であって、決して、弁護人ではない。


2、「控訴理由なし」と控訴趣意書に記載した控訴審弁護人Y(以下、「被告Y」という。)の不法行為責任(東京地判昭和38年11月28日)

 控訴審からはじめて凶悪犯罪の被告人の国選弁護人として選任された被告Yは、もともと、弁護権の本質は、被告人の権利利益に対する不当な侵害を排除し、守ることにあると考えていた。

 原審の訴訟記録9冊を閲覧しても原審の訴訟手続になんら不当な権利侵害が存在しない以上、控訴理由なき旨の控訴趣意書を提出しても、弁護権を行使しているとし、また、控訴理由を発見することができないのによい加減な控訴趣意書を作成することは弁護士としての良心の許すところではないので、結局控訴理由なき旨の控訴趣意書を提出せざるを得なかったと主張している。

 裁判所は、事後審の性格を有する控訴審における国選弁護人の義務を①原審の訴訟記録の法定の調査義務(最小限の調査義務)、②例外的事実または刑の量定についての事情に関する訴訟記録外の法定の調査義務(少なくとも被告人の面接をすること)、③適当な控訴理由を発見することができなかった旨の法の定めのない告知義務、④被告人の名においてする控訴趣意書の作成について必要な技術的援助を惜しまないが、それ以上被告人の期待するごとき協力をすることができないことを告げて被告人の善処を求める法の定めのない義務の4つの作為義務があるとした。

 その上で、本件では、裁判所は、被告Yがなしたことは①のみであり、②③④の作為義務が不履行であるのであるから過失があり、その過失によって被告人の控訴権が侵害され、結果、被告人は精神上の苦痛を受けた。その苦痛は、加害者に対して慰謝料の支払い義務を認めるに値する程度の損害と認定をした。


3、自己の良心に反する被告人の弁護人として、それでも、なすべきこと

 被告人は、裁判が確定するまでは無罪と推定され、防御のために事実を争うための訴訟行為をなす権利が認められている。

 弁護人が、被告人の展開する弁解弁明にそって検察官立証の矛盾や不備を指摘したり、法律上有利な主張が可能であればそれを用いて無罪の弁護をすることは、当然の職務であり許容される。

以上
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行政機関が情報を出さない理由として、最も多用される形:意思形成過程への支障(情報公開法5条5号)

2014-06-14 23:00:00 | メディア・リテラシー
 行政機関が、情報を出さない理由として最も多用されるのは、「意思形成過程への支障」という理由です。

 きっと、なんらかの事情で、なんでもっと早く情報を出してくれないのかと、行政機関に尋ねると、このような理由が返された経験をお持ちの方が、多くいらっしゃるのではないでしょうか。

 例えば、以下のように説明されて、断られます。 

行政機関の担当者の説明
「本件公文書は,岐阜県において検討中のものであり,本件専門部会の審議,協
議,調査等が行われていた段階の未成熟かつ不確定なものというべきであるから,
これを公開すると,そこに記載された本件都市計画に係る事業による環境への影響
の予測ないし評価が既に確定したものとの印象を県民に与えることが予想され,無
用な誤解を招き,上記事業に関する議論が錯そうするなどして,現在又は将来の都
市計画事業の審議等に係る意思形成に著しい支障が生ずるおそれがある。したがっ
て,本件公文書には本件条例6条1項7号所定の非公開情報が記録されているから
,同項8号所定の非公開情報が記録されているかどうかについて判断するまでもな
く,岐阜県は本件公文書を公開しないことができる。」

 
 しかし、よくよく考えてみてください。
 本当に、その情報自体が出されることで、意思形成過程に支障が出るのかどうかを。


 上記のように行政機関のかたから説明を受けたとしても、以下のように反論し、情報の公開を求めることができる場合もあります。


情報公開を求める住民の反論

「しかしながら,そのような判断は是認することができない。

 その理由は,次のとおりである。

 前記事実関係等によれば,本件非公開決定がされた時点においては,本件環境影
響評価書等の内容が確定し,これらが公にされていた上,既に本件都市計画の変更
決定が行われていたというのである。そうすると,本件公文書を公開することによ
り,当該事務事業に係る意思形成に支障が生ずる余地はない。また,将来の同種の
事務事業に係る意思形成に対する影響についてみると,本件環境影響評価書等のよ
うな環境影響評価準備書や環境影響評価書は,一定の技術的指針に従って作成され
る技術的な性格を有する文書で,公表することが本来予定されているものであり,
その事務事業が決定されて意思形成が完了した後に上記各文書の成案前の案が公開
されることになったとしても,その事務事業に係る意思形成に支障が生ずるという
ことはできない。
 結局,本件公文書を公開することにより,当該事務事業
又は将来の同種の事務事業に係る意思形成に著しい支障が生ずるということはでき
ないから,本件公文書に本件条例6条1項7号所定の非公開情報が記録されている
ということはできない。

 さらに,本件公文書を公開することにより,当該事務事業若しくは将来の同種の
事務事業の目的が損なわれ,又はこれらの事務事業の公正かつ円滑な執行に著しい
支障が生ずるおそれがあると認めるべき事情が存することにつき特に主張,立証の
ない本件においては,本件公文書に本件条例6条1項8号所定の非公開情報が記録
されているということもできない。

 以上によれば,行政機関のかたが非開示とした本件公文書に関する部分には,
判断に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。

 私達住民の言い分には理由があり,行政機関が非開示とした判断は破棄を免れない。

 行政機関がなした本件非公開決定のうち本件公文書に関する部分を取り消すべきである。」



 実は、「行政機関の担当者の説明」としたのは、高裁の判決で、「情報公開を求める住民の反論」としたのは、最高裁の判決を少しだけアレンジしたものです。

 高裁では、情報公開が求められた情報は、意思形成過程に支障が出るとして、行政の判断が正しいと判決しました。
 しかし、最高裁は、意思形成過程に支障が出る情報ではないとして、高裁の判断を破棄して、行政機関に対して情報公開に応じることを認める判決を下しました。(さすが行政法の大家 藤田宙靖先生が加わった裁判体であったからこその判決でしょうか。)


 高裁でさえ、判断を誤ります。
 よくよく、本当に情報を出さない理由として、住民の意思形成過程に支障が出る情報かをご検討ください。

 なお、取り上げた裁判で、情報公開された情報は、「東海環状自動車道の計画策定に関する公文書」でした。



*******最高裁ホームページ*******
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/js_20100319130633415440.pdf

         主    文
       1 原判決のうち第1審判決文書目録(四)記載の文書
         及び資料に関する部分を破棄し,同部分につき第1
         審判決を取り消す。
       2 被上告人が別紙選定者目録記載の選定者らに対して
         平成10年12月1日付けでした公文書非公開決定
         のうち,第1審判決文書目録(四)記載の文書及び
         資料に関する部分を取り消す。
       3 上告人のその余の上告を棄却する。
       4 訴訟の総費用はこれを4分し,その3を被上告人の
         負担とし,その余を上告人の負担とする。
         理    由
 上告人の上告受理申立て理由(ただし,排除されたものを除く。)について
 1 本件は,岐阜県(以下「県」という。)の住民である別紙選定者目録記載の
選定者らが,旧岐阜県情報公開条例(平成6年岐阜県条例第22号。平成12年岐
阜県条例第56号による全部改正前のもの。以下「本件条例」という。)に基づき
,被上告人に対し,東海環状自動車道の計画策定に関する公文書の公開の請求(以
下「本件公開請求」という。)をしたところ,被上告人から平成10年12月1日
付けで公文書非公開決定(以下「本件非公開決定」という。)を受けたため,上告
人が選定当事者として本件非公開決定の取消しを求めている事案である。
 2 原審の適法に確定した事実関係等の概要は,次のとおりである。
 (1) 被上告人は,建設省が東海環状自動車道(関市~a町)のルートを公表し
たことを受け,関係地域の都市計画道路を上記自動車道のルートに合わせて変更す
る内容の都市計画(以下「本件都市計画」という。)の案を作成し,これをその事
- 1 -
業に係る環境影響評価準備書と共に公衆の縦覧に供した上,平成8年8月20日,
岐阜県都市計画地方審議会(以下「本件審議会」という。)に対し上記案を付議し
た。付議に際しては,本件都市計画の事業に係る環境影響評価書(以下「本件環境
影響評価書」といい,上記環境影響評価準備書と併せて「本件環境影響評価書等」
という。)が添付された。なお,当時,都市計画における環境影響評価は建設省の
通達に従って行われており,同通達によれば,都市計画決定権者は,当該都市計画
に係る事業の実施が環境に及ぼす影響について所定の技術的指針に従って調査,予
測及び評価を行い,これに基づき環境影響評価準備書及び環境影響評価書を作成す
るものとされ,環境影響評価準備書及び環境影響評価書については,それぞれ都市
計画の案又は都市計画の図書若しくはその写しに添付して公衆の縦覧に供するもの
とされていた。
 (2) 本件審議会は,平成8年8月23日,被上告人から付議された本件都市計
画の案を調査,審議し,これを適当と認める旨の議決を行った。これを受け,被上
告人は,建設大臣の認可を得た上,同年10月4日,上記案のとおり本件都市計画
に係る都市計画変更決定を行って,これを告示し,その図書を本件環境影響評価書
と共に公衆の縦覧に供した。
 (3) 本件審議会は,被上告人からの付議に先立ち,本件都市計画の事業に係る
環境影響評価に関する事項を調査,審議するため委員5人以内で組織する東海環状
自動車道(関市~a町)環境影響評価専門部会(以下「本件専門部会」という。)
を設置した。本件専門部会は,平成6年11月から同8年8月まで7回にわたって
開催され,本件環境影響評価書等の各案(第1審判決文書目録(四)記載の文書及
び資料。以下「本件公文書」という。)の検討を行った。被上告人は,その検討結
果を踏まえて,本件環境影響評価書等を作成した。
 (4) 被上告人は,本件公開請求を受け,本件公文書については,本件条例6条
- 2 -
1項8号所定の非公開情報が記録されていることを理由としてこれを非公開とする
旨の本件非公開決定を平成10年12月1日付けで行った。被上告人は,本件訴訟
において,本件公文書を非公開とすべき理由として,上記理由に加えて,本件公文
書に同項7号所定の非公開情報が記録されていることを主張している。
 (5) 本件条例6条1項は,「実施機関は,次の各号のいずれかに該当する情報
が記録されている公文書については,当該公文書に係る公文書の公開をしないこと
ができる。」と規定している。そして,同項7号は,「県又は国等の事務事業に係
る意思形成過程において,県の機関内部若しくは機関相互間又は県と国等との間に
おける審議,協議,調査,試験研究等に関し,実施機関が作成し,又は取得した情
報であって,公開することにより,当該事務事業又は将来の同種の事務事業に係る
意思形成に著しい支障が生ずると認められるもの」と規定し,また,同項8号は,
「監査,検査,取締り等の計画及び実施要領,争訟又は交渉の方針,入札の予定価
格,試験の問題及び採点基準その他県又は国等の事務事業に関する情報であって,
公開することにより,当該事務事業若しくは将来の同種の事務事業の目的が損なわ
れ,又はこれらの事務事業の公正かつ円滑な執行に著しい支障が生ずるおそれのあ
るもの」と規定している。
 3 原審は,上記事実関係等の下において,次のとおり判断した。
 本件公文書は,被上告人において検討中のものであり,本件専門部会の審議,協
議,調査等が行われていた段階の未成熟かつ不確定なものというべきであるから,
これを公開すると,そこに記載された本件都市計画に係る事業による環境への影響
の予測ないし評価が既に確定したものとの印象を県民に与えることが予想され,無
用な誤解を招き,上記事業に関する議論が錯そうするなどして,現在又は将来の都
市計画事業の審議等に係る意思形成に著しい支障が生ずるおそれがある。したがっ
て,本件公文書には本件条例6条1項7号所定の非公開情報が記録されているから
- 3 -
,同項8号所定の非公開情報が記録されているかどうかについて判断するまでもな
く,被上告人は本件公文書を公開しないことができる。
 4 しかしながら,原審の上記判断は是認することができない。その理由は,次
のとおりである。
 前記事実関係等によれば,本件非公開決定がされた時点においては,本件環境影
響評価書等の内容が確定し,これらが公にされていた上,既に本件都市計画の変更
決定が行われていたというのである。そうすると,本件公文書を公開することによ
り,当該事務事業に係る意思形成に支障が生ずる余地はない。また,将来の同種の
事務事業に係る意思形成に対する影響についてみると,本件環境影響評価書等のよ
うな環境影響評価準備書や環境影響評価書は,一定の技術的指針に従って作成され
る技術的な性格を有する文書で,公表することが本来予定されているものであり,
その事務事業が決定されて意思形成が完了した後に上記各文書の成案前の案が公開
されることになったとしても,その事務事業に係る意思形成に支障が生ずるという
ことはできない。【要旨】結局,本件公文書を公開することにより,当該事務事業
又は将来の同種の事務事業に係る意思形成に著しい支障が生ずるということはでき
ないから,本件公文書に本件条例6条1項7号所定の非公開情報が記録されている
ということはできない。

 さらに,本件公文書を公開することにより,当該事務事業若しくは将来の同種の
事務事業の目的が損なわれ,又はこれらの事務事業の公正かつ円滑な執行に著しい
支障が生ずるおそれがあると認めるべき事情が存することにつき特に主張,立証の
ない本件においては,本件公文書に本件条例6条1項8号所定の非公開情報が記録
されているということもできない。
 5 以上によれば,原判決のうち本件公文書に関する部分には,判決に影響を及
ぼすことが明らかな法令の違反がある。論旨は理由があり,原判決のうち上記部分
- 4 -
は破棄を免れない。そして,上記部分については,上告人の請求は理由があるから
,第1審判決を取り消し,本件非公開決定のうち本件公文書に関する部分を取り消
すべきである。
 なお,その余の請求に関する上告については,上告受理申立て理由が上告受理の
決定において排除されたので,棄却することとする。
 よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 金谷利廣 裁判官 濱田邦夫 裁判官 上田豊三 裁判官 藤田
宙靖)
- 5 -


http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=62520&hanreiKbn=02

事件番号

 平成13(行ヒ)9



事件名

 東海環状道関連情報非公開処分取消請求事件



裁判年月日

 平成16年06月29日



法廷名

 最高裁判所第三小法廷



裁判種別

 判決



結果

 その他



判例集等巻・号・頁

 集民 第214号561頁




原審裁判所名

 名古屋高等裁判所



原審事件番号

 平成12(行コ)5



原審裁判年月日

 平成12年09月13日




判示事項

 都市計画に係る事業に関する環境影響評価準備書及び環境影響評価書の成案前の案が旧岐阜県情報公開条例(平成6年岐阜県条例第22号。平成12年岐阜県条例第56号による全部改正前のもの)6条1項7号所定の非公開情報が記録されている公文書に当たらないとされた事例




裁判要旨

 公文書の非公開決定がされた時点において,都市計画に係る事業に関する環境影響評価準備書及び環境影響評価書が公表され,当該事業につき都市計画変更決定が行われていたこと,環境影響評価準備書及び環境影響評価書が,一定の技術的指針に従って作成される技術的な性格を有する文書で,公表することが本来予定されているものであることなど判示の事情の下においては,都市計画地方審議会の専門部会で検討された上記各文書の成案前の案は,旧岐阜県情報公開条例(平成6年岐阜県条例第22号。平成12年岐阜県条例第56号による全部改正前のもの)6条1項7号所定の非公開情報である「公開することにより当該事務事業又は将来の同種の事務事業に係る意思形成に著しい支障が生ずると認められる情報」が記録されている公文書に当たらない。




参照法条

 旧岐阜県情報公開条例(平成6年岐阜県条例第22号。平成12年岐阜県条例第56号による全部改正前のもの)6条1項7号,環境影響評価法第三章 準備書,環境影響評価法第四章 評価書

 
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6月15日(日)中央区月島3丁目 こども元気クリニック03-5547-1191急病対応致します。ご来院前にお電話を。

2014-06-13 17:44:06 | 小児医療
 6月15日(日)午後12時半~、中央区月島3丁目 こども元気クリニック03-5547-1191急病対応致します。

 いつもは、午前中ですが、丁度、一年に一度の地域の消防団の大会に当たっており、終わり次第対応致します。

 胃腸炎や、高熱のご病気が、今、流行っています。
 高熱の風邪の子の中に、アデノウイルス感染症の子もおられるようです。

 喘息の子が、体調を咳の発作を出したりもしています。


 合わせて、平日なかなか時間が作れない場合でも、休日も、予防接種も実施いたしますので、ご利用ください。


こども元気クリニック・病児保育室
中央区月島3-30-3
電話 03-5547-1191

小坂和輝
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民主主義に反するもの。政治では、独裁。経済では、独占。

2014-06-12 01:14:23 | 国政レベルでなすべきこと
 日本国が、真に民主主義の国になるためには、
 政治と経済の民主化が必要です。

 経済法を学び、強く感じることです。

 民主主義に反するもの。政治では、独裁。経済では、独占。
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専門職がなす営利的広告は、どこまで許されるのか?

2014-06-11 17:46:22 | 国政レベルでなすべきこと
 専門職が行う広告はどこまで許されるか。

 以下、先駆的な判例です。
 あん摩師、はり師、きゆう師及び柔道整復師法七条の事件です。

 賛否両論あります。

***********最高裁ホームページ****************************
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/js_20100319120022963374.pdf

         主    文
    本件上告を棄却する。
    当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

         理    由

 被告人の上告趣意について。
 あん摩師、はり師、きゆう師及び柔道整復師法七条は、あん摩、はり、きゆう等
の業務又は施術所に関し、いかなる方法によるを問わず、同条一項各号に列挙する
事項以外の事項について広告することを禁止し、同項により広告することができる
事項についても、施術者の技能、施術方法又は経歴に関する事項にわたつてはなら
ないものとしている。そして本件につき原審の適法に認定した事実は、被告人はき
ゆう業を営む者であるところその業に関しきゆうの適応症であるとした神経痛、リ
ヨウマチ、血の道、胃腸病等の病名を記載したビラ約七〇三〇枚を判示各所に配布
したというのであつて、その記載内容が前記列挙事項に当らないことは明らかであ
るから、右にいわゆる適応症の記載が被告人の技能を広告したものと認められるか
どうか、またきゆうが実際に右病気に効果があるかどうかに拘らず、被告人の右所
為は、同条に違反するものといわなければならない。
 論旨は、本件広告はきゆうの適応症を一般に知らしめようとしたものに過ぎない
のであつて、何ら公共の福祉に反するところはないから、同条がこのような広告ま
でも禁止する趣旨であるとすれば、同条は憲法一一条ないし一三条、一九条、二一
条に違反し無効であると主張する。しかし本法があん摩、はり、きゆう等の業務又
は施術所に関し前記のような制限を設け、いわゆる適応症の広告をも許さないゆえ
んのものは、もしこれを無制限に許容するときは、患者を吸引しようとするためや
やもすれば虚偽誇大に流れ、一般大衆を惑わす虞があり、その結果適時適切な医療
を受ける機会を失わせるような結果を招来することをおそれたためであつて、この
- 1 -
ような弊害を未然に防止するため一定事項以外の広告を禁止することは、国民の保
健衛生上の見地から、公共の福祉を維持するためやむをえない措置として是認され
なければならない。されば同条は憲法二一条に違反せず、同条違反の論旨は理由が
ない。
 なお右のような広告の制限をしても、これがため思想及び良心の自由を害するも
のではないし、また右広告の制限が公共の福祉のために設けられたものであること
は前示説明のとおりであるから、右規定は憲法一一条ないし一三条及び一九条にも
違反せず、この点に関する論旨も理由がない。
 よつて刑訴四一四条、三九六条、一八一条に従い主文のとおり判決する。
 この判決は、裁判官垂水克己、同河村大助の補足意見、裁判官斎藤悠輔、同藤田
八郎、同河村又介、同奥野健一の少数意見があるほか裁判官全員一致の意見による
ものである
 裁判官垂水克己の補足意見は次のとおりである。
 心(意思)の表現が必ずしもすべて憲法二一条にいう「表現」には当らない。財
産上の契約をすること、その契約の誘引としての広告をすることの如きはそれであ
る。アメリカては憲法上思想表現の自由、精神的活動の自由と解しこれを強く保障
するが、経済的活動の自由はこの保障の外にあるものとされ、これと同じには考え
られていないようである。
 本法に定めるきゆう師等の業務は一般に有償で行われるのでその限りにおいてそ
の業務のためにする広告は一の経済的活動であり、財産獲得の手段であるから、き
ゆう局的には憲法上財産権の制限に関連する強い法律的制限を受けることを免れな
い性質のものである。この業務(医師、殊に弁護士の業務も)は往々継続的無料奉
仕として行われることも考えられる。しかし、それにしても専門的知識経験あるこ
とが保障されていない無資格者がこれを業として行うことは多数人の身体に手を下
- 2 -
しその生命、健康に直接影響を与える仕事であるだけに(弁護士は人の権利、自由、
人権に関する大切な仕事をする)公共の福祉のため危険であり、その業務に関する
広告によつて依頼者を惹きつけるのでなく「桃李もの言わねども下おのづから蹊を
なす」ように、無言の実力によつて公正な自由競争をするようにするために、法律
で、これらの業務を行う者に対しその業務上の広告の内容、方法を適正に制限する
ことは、経済的活動の自由、少くとも職業の自由の制限としてかなり大幅に憲法上
許されるところであり、本法七条にいう広告の制限もかような制限に当るのである。
そのいずれの項目も憲法二一条の「表現の自由」の制限に当るとは考えられない。
 とはいえ、本法七条広告の制限は余りにも苛酷ではなかろうか、一般のきゆう師
等の適応症を広告すること位は差支ないではないか、外科医に行かず近所の柔道整
復師で間に合うことなら整復師に頼みたいと思う人には整復師の扱う適応症が広告
されていた方がよいのではないか、といつたような疑問は起こる。また、本法七条
が適応症の広告を禁止した法意は、きゆう師等が(善意でも)適応症の範囲を無暗
に拡大して広告し、広告多ければ患者多く集まるという、不公正な方法で同業者ま
たは医師と競争し、また、重態の患者に厳密な医学的診断も経ないで無効もしくは
危険な治療方法を施すようなことを防止し、医師による早期診断早期治療を促進し
ようとするにあるようにも思える。とすれば憲法三一条に違反する背理な刑罰法規
ともいえないのではないか。
 とに角、本法七条広告の禁止は憲広二一条に違反しない。むしろ同条の問題では
ない。だから、この禁止条項が適当か否かは国会の権限に属する立法政策の問題で
あろう。
 裁判官河村大助の補足意見は次のとおりである。
 原判決の確定した事実関係の要旨は、被告人はきゆう業を営むものであるところ、
きゆうの適応症であるとした神経痛、リヨウマチ、血の道、胃腸病等の病名を記載
- 3 -
したビラ約七〇三〇枚を配付し以て法定の事項以外の事項について広告したという
のである。
 そこで右認定の証拠となつた押収の広告ビラ(特に証二、五号)を見るに(一)
a町のA灸と題し、施術所の名称、施術時間等あん摩師、はり師、きゆう師及び柔
道整復師法(以下単に法と略称する)第七条一項において許された広告事項の記載
が存するの外(二)きゆうの適応症として数多くの疾病が記載され更にその説明が
附記されている。例えば「灸の効くわけ」として、「○熱いシゲキは神経に強い反
応を起し、体の内臓や神経作用が、興奮する○血のめぐりが良くなり、血中のバイ
菌や病の毒を消すメンエキが増へる○それ故体が軽く、気持が良くなりよく寝られ
る、腹がへる等は灸をした人の知る所である◎(注射や服薬で効かぬ人は灸をする
と良い)」「人体に灸ツボ六百以上あり、病によつてツボが皆違ふ故ツボに、すえ
なければ効果はない」等の説明が附記されている。しかして右のようにきゆう業者
の広告に適応症としての病名やその効能の説明が(一)の許された広告事項に併記
された場合には、その広告は法第七条二項の「施術者の技能」に関する事項にわた
り広告したものということができる。蓋しきゆうは何人が施術するも同様の効果を
挙げ得るものではなく、それぞれの疾病に適合したツボにすえることによつて効果
があるものであるから、施術者又は施術所ときゆうの適応症を広告することは、そ
の施術者の技能を広告することになるものと解し得るからである。されば本件広告
は法第七条二項に違反するものというべく、この点の原判示はやや簡略に過ぎる嫌
いはあるが、要するに本件ビラの内容には適応症及びその説明の記載があつて施術
者の技能に関する事項にわたる広告をした事実を認定した趣旨と解し得られるから、
同法七条違反に問擬した原判決は結局相当である。
 広告の自由が憲法二一条の表現の自由に含まれるものとすれば、昭和二六年法律
第一一六号による改正に当り法第七条一項において一定事項以外の広告を原則的に
- 4 -
禁止するような立法形式をとつたことについては論議の余地があろう。しかし、同
条二項は旧法第七条の規定の趣旨をそのまま踏襲したものであつて、即ち施術者の
技能、施術方法又は経歴に関する事項は、患者吸引の目的でなす、きゆう業広告の
眼目であることに着眼し、これを禁止したものと見られるから、第一項の立法形式
の当否にかかわりなく、独立した禁止規定として、その存在価値を有するものであ
る。そこで本件被告人の所為が既述の如く右第二項の施術者の技能に関する広告に
該当するものである以上本件においては、右第二項の禁止規定が表現の自由の合理
的制限に当るかどうかを判断すれば足りるものと考えられる。ところで右第二項の
立法趣旨は、技能、施術方法又は経歴に関する広告が患者を吸引するために、やや
もすれば誇大虚偽に流れやすく、そのために一般大衆を惑わさせる弊害を生ずる虞
れがあるから、これを禁止することにしたものと解せられる。されば右第二項の禁
止規定は広告の自由に対し公共の福祉のためにする必要止むを得ない合理的制限と
いうことができるから、憲法二一条に違反するものではない。その他右規定が憲法
一一条ないし一三条、一九条に違反するとの論旨も理由がない。
 裁判官斎藤悠輔の少数意見は、次のとおりである。
 わたくしは、あん摩師、はり師、きゆう師及び柔道整復師法七条の立法趣旨は、
多数説と同じく、「もし広告を無制限に許容するときは、患者を吸引しようとする
ためややもすれば虚偽誇大に流れ、一般大衆を惑わす虞があり、その結果適時適切
な医療を受ける機会を失わせるような結果を招来することをおそれたためである」
と解する。従つて、広告が同条違反であるとするには、ただ形式的に同条一項各号
に列挙する事項以外の事項について広告したというだけでは足りず、さらに、現実
に前記のごとき結果を招来する虞のある程度の虚偽、誇大であることを要するもの
といわなければならない。すなわち薬事法三四条とほぼ同趣旨に解するのである。
 しかるに、原判決の確定したところによれば、本件広告は、きゆうの適応症であ
- 5 -
るとした神経痛、リヨウマチ、血の道、胃腸病等の病名を記載したというだけであ
つて、虚偽、誇大であることは何等認定されていないのである。そして、きゆうが
かかる疾病に適応する効能を有することは顕著な事実である。従つて、本件は、罪
とならないものと思う。
 多数説は、形式主義に失し、自ら掲げた立法趣旨に反し、いわば、風未だ楼に満
たないのに山雨すでに来れりとなすの類であつて、当裁判所大法廷が、さきに、「
あん摩師、はり師、きゆう師及び柔道整復師法一二条、一四条が医業類似行為を業
とすることを禁止処罰するのは、人の健康に害を及ぼす虞のある業務所為に限局す
る趣旨と解しなければならない」旨判示した判例(昭和二九年(あ)二九九〇号同
三五年一月二七日大法廷判決判例集一四巻一号三三頁以下)の趣旨にも違反するも
のといわなければならない。もし、前記七条一項各号に列挙する事項以外の事項を
広告したものは、その内容の如何を問わず、すべて処罰する趣旨であると解するな
らば、奥野裁判官らの説くかごとく、同規定は憲法二一条に反し無効であるという
べきである。因に、前記七条と同形式の医療法六九条、七〇条の規定は、漢方医た
る標示を禁止するもののごとくであるが(大塚敬節著東洋医学とともに一一六頁以
下参照)、もし然りとすれば、かかる規定もまた憲法二一条違反と解すべきである。
 裁判官藤田八郎の少数意見は次のとおりである。
 「あん摩師、はり師、きゆう師及び柔道整復師法」七条は、
 あん摩業、はり業、きゆう業若しくは柔道整復業又はこれらの施術所に関しては、
何人も、いかなる方法によるを問わず、左に掲げる事項以外の事項について、広告
をしてはならない。
一 施術者である旨並びに施術者の氏名及び住所
二 第一条に規定する業務の種類
三 施術所の名称、電話番号及び所在の場所を表示する事項
- 6 -
四 施術日又は施術時間
五 その他厚生大臣が指定する事項
 前項第一号乃至第三号に掲げる事項について広告をする場合にも、その内容は、
施術者の技能、施術方法又は経歴に関する事項にわたつてはならない。と規定して
いる。
 同条が、広告の内容が施術者の技能、施術方法又は経歴に関する事項にわたるこ
とを禁止していることは、合理的な理由なしとしないであろう。しかし、単なるき
ゆうの一般的な適応症の広告のごときは、それが虚偽誇大にわたらないかぎり、こ
れを禁止すべき合理的な理由のないことは奥野裁判官の少数意見の説くとおりであ
る。されば同法同条も、施術者の技能、施術方法又は経歴に関する事項にわたらな
いかぎり、単なる一般的な適応症の広告はこれを禁じていないものと解すべきであ
る。若し、多数意見のごとく同条は同条所定以外一切の事項の広告を禁ずるものと
解するならば、同条は憲法の保障する表現の自由をおかすものとならざるを得ない
ことまた奧野裁判官の説くとおりである。
 しかるに、本件の起訴にかかる事実、また本件第一審判決の認定する事実は「き
ゆうの適応症であるとした神経痛、リヨウマチ、血の道、胃腸病等の病名を記載し
たビラ」「を配布し」たというのであつて、かかるきゆうの一般的な適応症の記載
のごときは本法七条の禁止するところでないと解すべく、従つて本件公訴事実は同
条違反の犯罪事実を構成しないものであつて、本件に関するかぎり、同法七条の合
憲なりや違憲なりやを論ずるの要はないものというべきである。本件の処理として
は、第一審判決を破棄して無罪の言渡をすべきであると思う。
 裁判官奥野健一の少数意見は次のとおりである。
 広告が憲法二一条の表現の自由の保障の範囲に属するか否かは多少の議論の存す
るところであるが、同条は思想、良心の表現の外事実の報道その他一切の表現の自
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由を保障しているのであつて、広告の如きもこれに包含されるものと解するを相当
とする。広告が商業活動の性格を有するからといつて同条の表現の自由の保障の外
にあるものということができない。しかし、表現の自由といえども絶対無制限のも
のではなく、その濫用は許されず、また公共の福祉のため制限を受けることは他の
憲法の保障する基本的人権と変らない。従つて、広告がその内容において虚偽、誇
大にわたる場合又は形式、方法において公共の福祉に反する場合は禁止、制限を受
けることは当然のことである。
 あん摩師、はり師、きゆり師及び柔道整復師法七条は、きゆう業を営む者はその
業に関しきゆう等の適応症について一切広告することを禁止している。すなわち、
虚偽、誇大にわたる広告のみならず適応症に関する真実、正当な広告までも一切禁
止しているのであつて、これに反する者を刑罰に処することにしているのである。
 (明文上同条が正当な適応症の広告は禁止していないと解することは到底できな
い。)そもそも、本法はきゆう等の施術を医業類似の行為として一定の資格を有す
る者に対し免許によりこれを業とすることを許しているのである。すなわち、きゆ
う等の施術が何らかの病気の治療に効果のあることを認めて、その業務につき免許
制を採用しているのである。従つて、その施術が如何なる病気に効能があるか、真
実、正当に世間一般に告知することは当然のことであつて、かかる真実、正当な広
告まで全面的に禁止しなければならない保健、衛生上その他一般公共の福祉の観点
からもその理由を発見することができない。これは正に不当に表現の自由を制限し
ているものという外はない。
 多数意見は、「もしこれ(広告)を無制限に許容するときは、患者を吸引しよう
とするためややもすれば虚偽誇大に流れ、一般大衆を惑わす虞がある」というので
あるが、単に広告が虚偽誇大に流れる虞があるからといつて、真実、正当な広告ま
でも一切禁止することは行き過ぎである。成程、取締当局としては予め一切の広告
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を禁止しておけば、虚偽、誇大にわたる広告も自然防止することができるであろう
が、かくては正当な広告の自由を奪うものであつて、取締当局の安易な措置によつ
て、正当な表現の自由を不当に制限するものである。これは恰も集団示威行進が時
として公安を害する危険性を包蔵するからといつて、公安を害する直接、明白な危
険もないのに、予め一切の集団行進を禁止するのと同様であつて、到底是認するこ
とができない。このことは人命、身体こきゆう等より重大な影響を持つ医薬品につ
いてさえ薬事法三四条が虚偽又は誇大な広告のみを禁止しているのと対比して考え
ても、きゆう等について特に医薬品と区別して正当な広告までも一切禁止しなけれ
ばならない合理的根拠を発見することができない。また、多数意見は「その結果適
時適切な医療を受ける機会を失わせるような結果を招来する」というのであるが、
若し然りとすれば、むしろ当初からきゆう等の施術の業務を禁止すべきであつて、
既に医業類似行為として病気治療上効果のあることを認めて、その業務を免許して
おきながら、その施術を受けると適時適切な医療を受ける機会を失わせるとの理由
で、正当な広告までも禁止することは、それ自体矛盾であるという外はない。
 なお、一切の適応症の広告が禁止されている法制を前提として、これを甘受して
自ら進んで免許を受けた者であるから、今更適応症の広告禁止の違憲を主張するこ
とは許されないのではないかという疑問もあるが、かかる憲法の保障する表現の自
由の制限を免許の条件とするが如きことは許されざるところであるから、かかる議
論も成り立たない。
 これを要するに、本法七条が真実、正当な適応症の広告までも一切禁止したこと
は不当に表現の自由を制限した違憲な条章であつて無効であると断ずるの外なく、
同条に則り被告人を処罰せんとする第一審判決は違憲であるから破棄を免れない。
 裁判官河村又介は、裁判官奥野健一の右少数意見に同調する。
 検察官清原邦一、同村上朝一公判出席
- 9 -
  昭和三六年二月一五日
     最高裁判所大法廷
            裁判官    島           保
            裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    池   田       克
            裁判官    河   村   大   助
            裁判官    下 飯 坂   潤   夫
            裁判官    奥   野   健   一
            裁判官    高   橋       潔
            裁判官    高   木   常   七
            裁判官    石   坂   修   一
 裁判長裁判官田中耕太郎、裁判官小谷勝重は退官、裁判官垂水克己は病気につき
署名押印することができない。
            裁判官    島           保
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ただ今、某体育会系雑誌の取材終了。テーマは、大人の夏風邪。

2014-06-11 13:49:18 | 小児医療
 ただ今、某体育会系雑誌の取材を終えました。


 テーマは、大人の夏風邪。

 夏風邪のターゲットは、子どもが主なのだけれども、看病する大人にもうつります。
 プール等でも感染します。

 病気の特徴、長引くのはなぜか、予防と治療、今年の流行は?など、お話させていただきました。

 健康づくりに役立てばと考えます。
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安心安全の予防接種を提供していくことが、私達小児科専門医の役目。予防接種ミス、年2千件超厚労省調査

2014-06-10 17:40:04 | 小児医療
 予防接種の種類も増えました。

 安心安全の予防接種を提供していくことが、私達小児科専門医の役目だと考えています。

 
 以下の記事では、あってはならない注射器の再使用などの事故がある点が、気になるところです。

*********読売新聞*************************************************


予防接種ミス、年2千件超…注射器再使用14件

読売新聞 6月10日(火)14時42分配信



 市区町村の予防接種で、接種回数やワクチンの種類を誤るなどの間違いが全国で年2000件以上あることが、厚生労働省研究班(研究代表者=多屋馨子(けいこ)・国立感染症研究所室長)の調査で分かった。

 インフルエンザワクチンの接種にきた家族に一度使った注射器を刺すなど感染につながりかねない誤りが14件あった。研究班は再発予防に関する冊子を作成し、医療機関に確認徹底を呼びかけている。

 予防接種は12の病気が対象で、高齢者のインフルエンザ以外は全て子ども向け。種類が増え、0~1歳に接種が集中している。研究班は全市区町村に、2011年に起きた間違いについて調査。1350市区町村(77%)が答えた。

 結果は、計2194件の間違いが医療機関から自治体に報告されていた。接種の遅れなど時期のミスが半数だったが、別のワクチンを注射した間違いが301件、倍の薬液を注射したなど量のミスが229件あった。健康被害は確認されていないが、リスクはあった。

最終更新:6月10日(火)14時42分


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「お薬手帳断ろう、20円安く」は、医療機関側としてはお勧めできません。厚労省の制度設計のミス。

2014-06-09 10:40:47 | 医療
 医療機関は、お薬手帳を必ずといってよいほど確認しながら、治療計画を立てています。

 複数の医療機関を受診した場合や、救急で受診された場合のかかりつけ医からの定期内服薬の内容など、非常に有益な情報を、お薬手帳は、私達医療機関側に提供してくれます。
 ひとつの治療経過を書いたカルテです。

 また、東日本大震災直後の医療支援では、お薬手帳も当然流されていて、診療にたいへん苦労したことを覚えています。
 この場合は、その補完として、レセプト情報から、処方薬経過を医療機関側と患者さん本人に、お薬処方の経過がわかるように情報提供可能にするという、別の仕組みが必要だと考えます。

 いずれにしろ、「お薬手帳断ろう、20円安く」は、医療機関側としてはお勧めできません。
 どうか、お薬手帳の拒絶は、やめて下さい。

 なお、このような拒絶をすることで医療費を安くする抜け穴を設ける制度設計をした厚労省側に根源的な責任があります。
 丁寧な薬局の情報提供はもともとなされるところであって、診療報酬で本来カットすべき部分ではありません。



****************************************
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1406/09/news047_2.html


「お薬手帳断ろう、20円安く」 Twitterで情報拡散 薬局などは有用性PR



「お薬手帳を断れば、薬局の支払いが20円安くなる」。診療報酬が4月に改定されたことを受け、Twitterでそんな情報が広がり、現場でも手帳を断る患者が増えている。


[産経新聞]

 「お薬手帳を断れば、薬局の支払いが20円安くなる」。医療の値段である診療報酬が4月に改定されたことを受け、インターネットの短文投稿サイト「ツイッター」でそんな情報が広がっている。

 薬剤師などの医療従事者からは「自分の健康を守る手帳なのに、安くするために断るという考え方はなじまない」と戸惑いの声が上がるが、現場では手帳を断る患者が増えている。

 薬局側は「有用性を分かってもらうことが大切」として説明を強化し、理解を広げたい考えだ。

 お薬手帳は医療機関で処方された薬の名前や処方量などをシールで貼るなどして記録、管理する手帳。他の医療機関で出された薬との飲み合わせや過去の処方薬の確認ができることから、全国の薬局で取り入れられている。

 東日本大震災では、カルテを流された医療機関もあったが、患者が持参したお薬手帳が診療の大きな助けとなった。

 従来、手帳への記載などで薬局が得られる「薬剤服用歴管理指導料」は410円だったが、4月の診療報酬改定で手帳が不要な人への指導料は340円に減額された。3割負担だと自己負担額は20円安くなる計算だ。

ネット上では、「手帳を断れば20円安くなる」「20円を得るため、薬局は勧めてくるので断ろう」といった情報が拡散。逆に、「20円のために健康を危険にさらすのか」などの反論も続出している。

 厚生労働省は「安くなる裏技のように情報が広がるのは好ましくない」とするが、「患者側が手帳にメリットを感じていないから、そういう意見が出るのではないか」と医療者側にも責任があるとする。

 こうした事態に薬局も対応に本腰を入れ始めた。全国で調剤薬局を展開する「アイセイ薬局」(東京都千代田区)によると、お薬手帳を断る患者は1割ほどで、4月以降増えているという。同社は「診療報酬が改定されたのは、お薬手帳の運営が形骸化しているという批判があったからだろう」と分析。患者に手帳の有用性を説明するため、薬の飲み合わせによる副作用事例などをまとめた冊子を作成中だ。

 こうした動きは多くの薬局に広がり、ポスターを掲げたり、チラシを配布したりする店舗も。アイセイ薬局の担当者は「有用性をアピールするだけでなく、手帳が不要な場合は安くなることも伝え、患者の信頼を得ていきたい」と話している。
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夏風邪(手足口病・プール熱・ヘルパンギーナ)の東京都の流行を知るには→東京都感染症情報センター 

2014-06-08 23:00:00 | 小児医療

これから、夏風邪が流行る時期。

 それぞれの夏特有の感染症の東京都での広がりを知る情報サイトのひとつです。


 →東京都感染症情報センター http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/

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