岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

【 岡山孤児院12則】教育法のまとめ   石井十次29

2005-03-20 10:09:01 | 石井十次
十次は、長年の孤児教育を通して、彼独自の教育法を 作り上げていく。岡山孤児院12則である。 1.家族主義 2.委託主義 3.満腹主義 4.実行主義 5.非体罰主義 6.宗教主義 7.密室主義 8.旅行主義 9.米洗主義 10.小学教育 11.実業教育 12.托鉢主義 十次の日記を読むと10代のころから、自らを律する規則を つくっている。これは十次の個性なのか、それともそのような 教育を受け . . . 本文を読む

【満腹主義】独特の教育法 石井十次28

2005-03-18 19:31:23 | 石井十次
孤児院を経営することも大変な困難を伴うことであるが、 それにも増して孤児を教育(養育)することの困難さは 計り知れない。 この時代に、孤児をどのように育てればよいか。 だれも教えてくれたわけではないだろう。 児童、それも困難を抱えた孤児を育てることを試行錯誤する ことになる。 十次は、留岡幸助にも繋がる感化教育にもかかわっているが、 これは無理と1年あまりで中止している。 感化教育は今でも課題で . . . 本文を読む

【祈り】信仰による経営    石井十次 その27

2005-03-18 11:09:46 | 石井十次
十次は、多くの孤児を抱えながら、全員の衣食住をまかなって いかなくてはならない。 収容児童一人あたり1ヶ月2.5~3円必要だったという。 ということは100名規模で、250~300円が必要なわけで、 これはお米に換算するすると(1円=20kg)だから、5000~ 6000kgに相当する。 今、10kg4000円として、200~240万円の価値になる。 一人あたり月2~2.4万円で、院の経営すべて . . . 本文を読む

【買収劇】鬱積するこころ。

2005-03-18 10:52:49 | 日本の仲間
ライブドアのニッポン放送、フジテレビ買収ドラマは、 多くのことを考えさせてくれる。見方はいろいろあって、 いかようにも話を進めることができるけれど、もっとも 興味があるのは、みんなの反応だ。 結構、予想外の反応といってよいのでは。 放送の使命、報道の公共性など、新聞の紙面で記者などが 書いている。一般論として真っ当なことを書いているけれど、 その記事をどうみているか。想像してみよう。 まず、記 . . . 本文を読む

【授産】への取り組み  石井十次 その26

2005-03-17 11:09:04 | 石井十次
社会の中で、生きていく手段を見つけると同時に、 院の財政のために子どもたちができることはなにか。 職を身につけながら、実際に稼ぐという、今の授産施設 でも困難なことに十次は挑戦する。 では、どのような仕事をつくっていったのか、 列記してみよう。 1890年(明治23) 活版部  米搗部(こめつき) 1891年(明治24) 機業部(機織) 理髪部 麥稈部  (麦藁帽 . . . 本文を読む

【孤児教育】ここに根本あり   石井十次 その25

2005-03-16 23:43:29 | 石井十次
孤児に何が必要か。 1、入院(孤児院に)させて、衣食住をあたえる。 2、教育することで社会の中で自活する精神と技術を身に つけさせる このことの大切さを、十次は十二分に理解していた。 ただ当初から考えが定まっていたわけではない。試行錯誤の 連続であった。 21世紀の今、児童虐待が問題や、児童教育の重要性、また 働くことの意味が課題になっているが、100年前に十次が 悩んでいたことと根本的 . . . 本文を読む

【地裁判決】フジ、表舞台から消える

2005-03-12 10:49:28 | 日本の仲間
妥当な判決だ。 そういえば、最近フジ会長がテレビに出ないね。 まず、アレと思ったのは、新株増資の会見で、 フジテレビ会長が出席したこと。 これはニッポン放送の新株増資なので、実はフジテレビ には直接関係がないことである。 これは明らかに地裁の裁判官の判断に影響している。 それを審尋の場で、ニッポン放送側の弁護士は 感じたのではないか。 その後、会長のぶら下がりはなくなり、テレビの前に 現れる機会 . . . 本文を読む

【鉄は熱いうちに】確かに、打たれている      石井十次その24

2005-03-09 13:48:58 | 石井十次
十次は、宮崎を愛しているし、父母も敬愛している。 それでもなお、故郷には居られない事情があった(3月7日掲載)。 当時の若者が立身を目指した政治の世界への夢はもう彼の 視野から消えた。 実業という道に興味はなかったのだろう。 「立志医学を修め、帰郷医術を施し、上江村の人民のためと 己自立のためにせんと欲す」 は、十次がこの場に及んで見つけた道だったのだろう。 十次がキリスト教に本格的に接するの . . . 本文を読む

【心の内に】クニモト トウキョ ザンカ・・・  石井十次その23

2005-03-08 16:42:09 | 石井十次
石井十次日誌は1882年(明治15)から始まるのだが、 このように書かれている。 「7月20日 断然辞職 [国許 逃去 残禍] 22日岡山県行許可 「立志医学を修め、帰郷医術を施し、 上江村の人民のためと己自立のためにせんと欲す」 以後、宮崎に関す記述はないが1ヶ所、日記の欄外の 落書きに、彼の本心が表れている。 国許 逃去 残禍 祈祷 5年 世の中をいかに  最初の「国許 逃去 残禍 . . . 本文を読む

【サイダー・ハウス・ルール】石井十次   番外編

2005-03-08 12:18:45 | 石井十次
テレビで米映画「サイダー・ハウス・ルール」を観た。 1999年の作品である。 一言でいえば、孤児院で成長した少年が、院を出て社会を知る。 そしてふたたび、愛する人々が待つ院に戻ってくるという 物語である。(こう書くと「なんだそれ」となるよね) とても感動的なドラマである。 この映画では、第2次世界大戦中のメーン州のニューイング ランドの、街から遠く離れた大きな古びた孤児院が舞台に なる。 こ . . . 本文を読む

【生い立ち】石井十次の原点へ  石井十次その22

2005-03-07 19:03:59 | 石井十次
1882年(明治15)、十次は岡山に医学の志を持って旅立つ わけであるが、では、それまでどのように過ごしていたのか. 17歳にはなるまでにどのような教育を受けていたのだろうか。 このことに触れておく必要がある。 十次は、1865年(慶応元)に下級士族の長男として生まれた。 5歳にして寺子屋に入る。 7歳高鍋島田学校に入学。 9歳、宮崎学校に転校(下宿したと思われる) 13歳、自宅に戻り、再び高鍋 . . . 本文を読む

【日記】3月5~6日

2005-03-07 10:59:04 | 日本の仲間
5日土曜日  ☆地元の国会議員による国政報告会参加 30人強の参加者。 この4月に始まる介護保険制度改正について話し合う。 市社会福祉協議会のヘルパーさんやケアマネさんに、 現状を話していただく。 現制度の問題点、改正制度への不安がいっぱいである。 それでも、ヘルパーさんによって支えられてる高齢者の 方々への思いは、他の仕事では感じることができない 充実感が感じられる。尊い仕事だ。 このようなヘ . . . 本文を読む

【主体は行政】大阪市長の弁に唖然!

2005-03-07 08:43:46 | 日本の仲間
「大阪市都市経営諮問会議」の解散が取り沙汰されている。 毎日新聞記事が6、7日と書いているが、行政(中央政府も) の諮問会議や、公聴会をどのように取り扱いたいのか、 よくわかる。 一応、話は聞きました。後はこちらで決めますからお引取り ください。 いつものパターンである。 100年以上続いた行政の傲慢である。 こんな話は大なり小なり行政にはあるという声が多い。 ならば、地元の行政機関を厳しくチ . . . 本文を読む

【もう待てない】石井十次の思想へ  石井十次その21

2005-03-06 23:43:41 | 石井十次
20話まで終りました。途中、資料の読みこみも進み、 次の22話から新たな資料も利用したいと思います。 途中から読み始めた方のために簡単に今までの話を書いて おきたいと思います。 石井十次。ご存知の方、また初めて聞く名と思われる方、 いらっしゃると思います。 明治時代の社会事業家です。宮崎県で生まれ、医学を学ぶ ために17歳の時、岡山に行くべく故郷を後にします。 医学生だったある日、女性遍路から . . . 本文を読む