北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

不利を逆手に

2007-12-28 23:41:38 | Weblog
 年の瀬も押し迫った今日28日は、官庁御用納め。世間には今日でお仕事を終えられたところも多いことでしょう。
 
 そんな中、「せっかく帰ってきたんだから気のあったメンバーで飲みましょう」と友人が飲み会をセットしてくれました。当初予定したメンバーのなかには御用納めと言うこともあって欠席の連絡をして来る人もいましたが、「それなら紹介したい人がいる」と、新しいメンバーを連れてくる人もいて結構盛り上がりました。

 中央省庁の役人から一念発起して医者になったという変わり種の知人Aさんも参加。現在は研修医として医療経験を積んでいる彼。「本当に病気を治すという意味であこがれているのは外科なんですが、こればかりは若いときからその道に入らないと難しい手術が出来るようにはならない、と言われました」とのこと。
 彼は年を取ってから道を再選択したので、経験を重ねるだけの時間がないのです。

「最近産婦人科が減っていると聞きましたが、その理由は何ですか?」と訊くと、
「やはり訴訟の問題が一番大きいんだと思いますね」とのこと。

「医療に対して医師の負う債務は、患者に対し善管注意義務に従い医学界の水準に対応して医療行為を実施する『手段債務』」であって、治癒を成功させる義務『結果債務』までは負っていないのですが、最近はその結果に対して訴訟が起きる事由が多くて、医者のリスクが多くなっていると感じているんです」
「なるほど、どこまでが果たすべき役割か、という判断がすぐに司法判断にゆだねられてしまうあたりに問題があるのかもしれませんね」

 新しい道に進んだAさんに幸あれ。

  *    *    *    *    *

 中央省庁のキャリア官僚から道内の大学の先生として出向でやってきたというBさん。地方での勤務経験も多く、話題も豊富で実に楽しい先生です。

「北海道を振興する何か有効な手だてはありそうですか?」と私。するとBさんは
「たとえば不利を思い切り逆手に取る、ということがないかな、と思うんです」

「不利を逆手に取るということはどういうことですか?」
「例えば世の中に平和都市宣言をしている都市なんてあまたあるわけですよね。しかし平和都市宣言がそのたびに注目をされるのは長崎と広島がほとんどです。それはなぜかというとやはり原爆です。しかしそれ故によけいに平和のありがたさとそれに向かう強い気持ちが一番だからです。これこそ不利を逆手に取った良い事例だと思うんです」
「なるほど」

「こままささんは香川県で豊島問題があったことを覚えていらっしゃいますか?」
「産廃の不法投棄の問題ですね」 

「実はあれをどうするのかと注目をしていたときがあるのです。あの豊島の汚染というのは当時世界で十指に入る汚染度合いだったんです。そんなにひどい状態なのだからこそ、地域として特筆に値する新しい環境問題への取り組みを行えば良かったのではないか、と思うんですよ」
「あまりそういう取り組みの声は聞かれませんが・・・」

「そうです。残念ながらそこまでは行かなかったようですね。まあそれも一つのたとえ話ですが、そうした不利を逆手に取るようなことが一つはあるかもしれませんよ。でも私は温暖化が進みつつあるこれからは、いよいよ北海道の時代になるのではないか、とも思っていますがね」

 北海道に対してよそ者の視点で取り組んでくださる心強い用心棒がまた一人登場です。いろいろな力を結集して北海道の盛り上げに力を貸してください。

  *    *    *    *    *

 久しぶりの気の合う仲間同士の飲み会で気分が大いに盛り上がりすぎましたが、やはり楽しい時間でした。

 私ももっと修行を積まなくては。

 今年も残り三日です。  
コメント (1)
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