北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

ラベンダーのドライフラワーの思い出

2016-06-10 23:57:28 | Weblog

 

 夜の会合の後で会場のホテルを出ると、品のよさそうな年配のご婦人がニコニコしながら話しかけてきました。

「あのう、○○ホテルはどこでしょうか?」

 地図を持っているものの、あまり聞いたことのないホテル名。最近は新しいホテルがどんどん建っているので札幌市民の私でもよくわかりません。しかしそんなときの武器はスマホです。

「はいはいー、ちょっと待ってくださいね。ええっと…○○ホテル…と」
 地図アプリで目的のホテルの名前を入れるとそれは確かにすぐ近くにあるはず。ただビルの陰に隠れていて見えないだけのよう。

 ほんの1~2分で着くところにあるはずのホテルは、東西南北さえ間違えなければたいがいわかります。

 あとは家に帰るだけなのでそのご婦人を、ナビの示すところまで一緒に連れて行ってあげました。

「なんだこの建物か」 ときどき前を通っているのに、建物の横に入口のあるビジネスホテルだと実にわかりにくいものです。

「ありがとうございました」「いえいえ、どういたしまして」


 つい最近も市内を歩いていたら若い女性の二人連れが大通公園の近くでスマホを見ながらウロウロしています。

(どれどれ)と思って声をかけたところ、どうやら相手は台湾の女の子だったよう。大通の住所のビルに行きたいようでしたが、札幌の大通りは大通公園の北も南も同じく"大通西○丁目"なのでわかりにくかったのです。

 幸い知っているビルだったので、「このグリーンベルトを渡って左側にあるよ」とカタコトの英語で教えてあげたら喜んで、ずいぶんお礼を言ってくれました。 


          ◆ 


 相当前ですが、明らかに外国から来たと思われる海外からの家族客がやはり道に迷っていました。

「どうしましたか?」と近寄ると、「郊外のホテルにゆくためにバスがでるのだけれど、時計台近くにあるはずのバス停がわからない」ということのようでした。やはり台湾の家族連れで、ホテルからの説明がわかりにくかったのです。

 その地図は私が見てもわかりにくかったので、そのホテルに電話をしてバス停の位置を確認してそこまで連れて行ってあげました。

 ホテルへのバスは30分に一度しか来ないというものでしたが、「あと20分くらい待つとバスが来るはずだからここで待っていなさいね」と伝え、「どうしてもだめだったら私の携帯に電話をちょうだい」と携帯番号を教えましたがなにも言ってこなかったのできっとうまくホテルに着いたことでしょう。

 「それでは」と別れようとしたところ、そのファミリーのお母さんとおぼしき女性が「お礼に」と言ってラベンダーのドライフラワーをくれました。「結構ですよ」と固辞したのですが「どうしても」と言ってきかないので、いただいてきました。

 今でもそのドライフラワーはわが家の部屋の片隅に飾ってあって、それを見るたびに、道に迷っている人がいたら案内をしてあげようという気持ちが強まるのです。

 そのまちの案内は市民一人ひとりがなれるもの。それがきっとおもてなしなんだと思います。

コメント
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