札幌は今日も気温が上がらず風の強い一日。二階のベランダで今年から始めたコンテナ野菜栽培のミニトマトが折れそうです。
壁の点検をお願いしていた業者の社長さんが、足場が組みあがったところで見に来てくれて立ち話。
「久しぶりに職人さんの仕事というのを見せてもらって、細かいところまで丁寧にやるなあ、と思いました」と私が言うと社長は、「そうかい、足場がちゃんと組まれないとそこから先の仕事の効率が悪くなるからね。なんでも仕事の基本は足場さ」
「よくわかります。見ていて、ちょっと斜めに足場を掛けなくちゃいけなくて、部材が規格通りにカチッとはまらないところは針金で固定していました。それくらいはいいだろうと思ったけど、やっぱりそれが危険の元ですもんね」
「そうですよ。それに足場が悪くて次の仕事の職人がケガしたとなると、責任は足場を組んだ業者が問われることになります。建設の仕事って分業で、ここまではこの業者、そこから先は次の業者って受け渡されていきますから、責任の範囲も明確なんです」
「なるほど」
「それにね、最近は労働基準監督署もこんな個人宅の現場まで抜き打ちで見に来ることがあるんです。昔だったら大きな現場しか来なかったんだけれども、今は小さな現場でも来て、何か不手際があれば呼び出されて怒られる。何より事故なんて起こそうもんなら何度も呼び出されて事情聴取されたり資料提出をさせられたりで仕事にならなくなっちゃいます。変に手を抜かないのが一番なのさ」
「作業を見ていて、そういう姿勢がとても感じられました。何を聞いてもちゃんと答えてくれましたしね」
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良い仕事をする人とそうでない人の区別の仕方っていろいろあると思うのですが、私は見ていてわからないことについて、話しかけて訊いてみます。
そのときに「それはこういうことなんです」とちゃんと受け答えをしてくれる人に対して、しっかりしているという印象を強く感じます。
良い仕事とは何かについて自分が考えていることをちゃんと話してくれた方が絶対お互いに良い関係ができるのに、(素人が俺に話しかけるな)というネガティブなオーラを出している人もたまにいますが、損をしているなあと思います。
「女は愛敬、男は度胸、坊さんお経でお猿はらっきょう」なんて言いますが、女も男も愛敬一つで印象は変わります。
良い仕事ぶりはちゃんと伝えられるようにしたいものです。