北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

「働き方改革」で起きそうなこと

2018-02-15 23:21:57 | Weblog

 建設業は人手不足と言われます。

 先日、舗装関係の各企業の部課長クラスの集まりがあったので、そこで「人手不足は本当ですか」と訊いてみました。

 するとやはり、「そのとおりです。なかなか会社に入ってくれる若い人がいないのです」と切実な声。

 そこで、「どうやって企業活動を続けてゆこうとしているのですか」と訊くと、「やはり今いる現有社員には定年などと言わず、働けるだけ働いてもらう必要があると思います」とのこと。

「働けるだけ、といいますと?」
「65歳だろうが、70歳だろうが、本人が『まだやれる』といううちは働いてもらおうと思います」

「でも結構な歳になると、現場監督は無理でしょう?」
「さすがにそれは難しくなると思いますが、歳を経た経験者として、各種の書類づくりをサポートしてもらって、現場に出る、より若い人たちの事務作業の軽減化を図れないか、と思っています」

「なるほど、経験が生きる場面がまだあるのですね」
「そうです。しかも、ある年齢になれば年金がもらえるので、会社から支払う給与は安く抑えられます。本人に意欲さえあれば働く。そういう時代になると思いますよ」

 人生百年時代、AIなどの技術は人間の作業をどれだけ軽減させて人間に取って代わるのでしょう。

 未来はなかなか見通せませんが、真に生き残る経験やスキルは何かと考えてしまいます。


    ◆


 別なところで、道路の除雪を請け負っている会社の方と立ち話になりました。

「除雪のオペレーターさんも不足するのじゃないですか」と言うと、「やはりしっかりした賃金と休日を保証するという、働き方改革を先行してやってみるしかないと思います。うちなどは、もう日曜日は除雪をしない、と決めていますしね」

「すごい!先駆的ですね」
「それに、会社内ではもう市役所から頼まれる市道の除雪は請け負うのを止めようか、という話も出ています。なにしろ利益が少なくて赤字になっているのですから、企業活動としては受ける意味が説明できません。他の面ではお世話になっているという事はありますが、そこは単価や経費などでしっかりと利益が確保できないと受けられない、という現実を知ってもらいたいです」

 
 いろいろなところで除雪業者さんのオペレーターさんに話を聞くと、皆収入目当てと言うよりは、「俺たちがやらないと誰がやるんだ?」という義理と人情で作業をしていると感じます。

 お金が全て、とは言わないけれど、そういう気持ちには利益で応えることがなければ企業の理屈としてやれない時代が近づいていることを感じます。

 働き方改革って、今までいろいろな人たちが我慢していたことを、我慢しなくていいんだ、と言い出して、不平も不満も吹き出すような時代の変革のような気がしてきました。

 気を確かに持たなくては。

コメント (1)
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