昨年末にまた一本新しいインプラントを入れて、それ以来3か月に一度は定期的に歯の検診を受けています。
今日もその検診を受けたのですが、どうも一昨日くらいから右下の歯が一本痛くなりぐらついてきました。
かかりつけの歯医者さんには以前から「レントゲンで見てもこの歯は根が浅いから、無理な力をかけずにだましだまし使った方が良いよ」とアドバイスを受けていた歯です。
それほど固いものを噛んだりした覚えもないのですが、いよいよダメになったかなあ、とちょっとブルーな気持ちで歯医者さんへと向かいました。
検診では、毎回月の初めに歯の磨き方チェックを受けるので、こちらも十分に磨きをかけて臨みます。
馴染みの歯科衛生士さんに「ちゃんと磨けてますか?」と聞かれて、「自信満々ですよ(笑)」と答えます。
「そこまでハードル上げていいんですか(笑)。じゃあチェックします」と、歯の汚れに色がつく染め出しの薬を歯に塗ります。
これで見えない汚れが見えるようになって、磨き残しが分かってしまうのです。
まさに「見える化」です。
「どうですか?」
「すごい!本当に汚れがない(笑)。私ですらここまで磨けているか自信がないのに」
「でしょー?僕はようやく歯の磨き方がわかっちゃったんですよ」
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私の場合、幼い時から歯が弱くて、最初に歯の治療を受けたのは5歳くらいの時。
それ以来、転校、転勤生活の中で、行く先々で歯医者さんを開拓して歯の治療を受けてきました。
その間、何度も「歯の磨き方指導」なるものを受けてきましたが、つまりは磨き方が全く身についていない半世紀だったのです。
それがこの1年間でようやく我ながら自信があるほど、歯の磨き方が身に付きました。
おそらく誰でもこれをやれば正しい磨き方は身につくはずですが、そのポイントは次の2点です。
① 汚れの見える化
② 定期的な集中練習
①の『汚れの見える化』は、やったことの成果のチェックです。いくら磨き方が正しくても、結果として汚れが落ちているのかどうかがわからなければ、なんにもならないのです。
私の場合は、インプラントのおかげで、ほぼ一年毎月今の歯医者さんで磨き方チェックを受けて、毎回染め出しを行い、「今の磨き方だと、ここに汚れが残る」というポイントを教えられて、それを頭に印象付けました。
しっかり磨くべきポイントが分かるのと、この磨き方ではここが弱い、というポイントがわかることが重要です。
②の『定期的な集中練習』ですが、今の歯医者さんに一年以上毎月通うことで、月に一度の歯磨き指導を受け続けました。
そしてその度に、磨き残しをチェックされたことで弱点を認識し、磨く練習を繰り返すことになり、その結果としてようやく1年かけて正しい磨き方が身に付きました。
見える汚れを落とす練習を繰り返すこと、これがポイントです。
極端な話、毎日歯を磨いた後に染め出しをして、汚れチェックを繰り返すことを一週間やれば、身につくと思います。
しかしそれが日常生活ではなかなかできないために、正しい磨き方も身に付かない。
いちどしっかりと身に付ければ、一生ものの技術なので、人生のどこかの段階でしっかり練習しておけると良いのですが。
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さて、磨き方は完ぺきだったのですが、やはりぐらついてきた歯はもうもたないと判断して、抜いてもらうことにしました。
先生も残念そうでしたが、実際に抜いてみると、歯の根が解けたように傷んでいました。
これは早晩もたなかったね」と言われ、若干の喪失感が残りましたが、冷静に考えると、より良い日常生活のためには仕方のない選択です。
皆さんもどうぞ歯を大切に。