『世界SF全集23』には、『砂漠の惑星』も収録されているのですが、昨年の9月に読みましたので、
割愛させていただきます。
さて、主人公ケルビンは心理学者。
赤と青の二つの太陽のまわりをまわっている惑星ソラリスに、調査と研究にために着陸します。
そこには既に幾人かの研究者が生活していたのですが、直接会ったことはないものの
顔見知りのスナウトさえ、顔を合わせると恐怖の表情を見せて、何かを恐れている風だったのです。
いったい、この惑星に何が起きているというのでしょうか?
正気に戻った彼は、ケルビンに「くれぐれも用心しろ」と謎の言葉を残したまま沈黙し、
自室に去ってしまいます。
その後、ケルビンのまわりに起きた出来事は、喜ばしくも残酷なものでした。
ソラリスの海は、知れば知るほど魅力的で、かつ、感情というものが無いだけに残酷ですね。
自らが生み出したものでさえ、観察の対象ですらなく、放っておくのですから。
新しいおもちゃを与えられた子どもみたいです。
多分ケルビンは、感情と研究の両面から、それでもソラリスにとどまり続けるような気がします。
好奇心をくすぐる、とても面白い物語でした。