不全世界の創造手(アーキテクト) (朝日ノベルズ) 価格:¥ 945(税込) 発売日:2008-12-19 |
工場「戸田鉄鋼」の経営者の息子として育った戸田祐機は、十二歳にして工業生産の天才だった。
自分で自分を造る、つまり増殖する機械Uポットなるものを創ったのだ。
そこから始まる一連の遠大なプロジェクトを、既に頭の中で組み立てていた祐機だったが、
GAWP(世界生産に関する一般協定事務局)に属するコンサルタント、
グーテンベルガーのアドバイスによって、親会社が戸田鉄鋼を吸収し潰されてしまったのだった。
それ以来、祐機は生産の集約化と効率化によって作り手が殺されていることに危機感を覚え、
もう一度、人間の創作意欲を満たす世界を取り戻そうと考えるようになった。
そんなところに金融の天才少女ジスレーヌが目をつけ、手を組もうと言ってきたのであった。
人々と共存できる平和な機械とは何か?
祐機のUマシンを真似てGAWPが平和のためにやろうとしたことは逆効果になり、
人々が望まない限り援助をしない祐機のマシンが成功しました。
現実の世界は複雑で、こんなにうまくいかないかもしれません。
ただ、発展途上国の人々に押し付けるのではなく、祐機のマシンのように
自ら平和と生活の安定を選び取る機会を提供する形で援助できたらと思いました。
難しいでしょうけどね。