スナッチ 価格:¥ 1,785(税込) 発売日:2008-10-22 |
奈路充生が大学卒業を目前にし、彼女と待ち合わせの場所に向かおうとしていたある日、
銀色の雨に打たれて気を失った。
そして目が覚めたときには、体が自由に動かなくなっていた。
外宇宙より飛来した異種生命体に体を乗っ取られて三十一年も経っていたのだった。
本来なら宇宙人の侵略か?と大騒ぎになりそうなものですが、当時、彼がいた高知県のほとんどの人々が
同じ目に合っており、その異種生命体も以前の人格そのままに普通に生活していたためか、
役所もそれをベツバオリとして登録していました。そして元の人格が戻ると、
サシモドシとしてカウンセリングまでするという至れり尽くせりの対応。
日本なら、意外とそういうところは受け入れそうですね。
でも、空白の三十一年間に起きたあまりの出来事に、奈路自身はショックを隠せません。
SFの設定で始まった物語ですが、話は連続殺人事件の様相を呈してきます。
サシモドシになると余命が短くなるというハンデもありつつ、
次に殺されるのは自分だという勘がはたらく奈路。
犯人は誰なのか?奈路が生き延びる方法はあるのか?
SFとミステリをうまく融合して、面白く予想外の展開にしています。
とても楽しく読めました。