『国道食堂 1st season』小路幸也

国道食堂 1st season (文芸書) 小路幸也 徳間書店

 

国道517号線は、アップダウンとカーブの連続具合が微妙に気持ちよくて眠くならないという。
その途中、神奈川側からも山梨側からも、どちらから来ても食事時になる場所に〈国道食堂〉こと、〈ルート517〉はある。

オーナーは、元プロレスラーの本橋十一。
そのせいもあってか、店内にはプロレスリングも設置されていて、時々、試合やイベントが行われている。

そこに集うのは、大抵がトラック運転手か、営業車の運転手。そして地元の人々。
配置薬ルート営業マンの二方将一から始まって、様々な人生が語られていく。

皆さん、ドラマティックな人生を歩んでおられて、時には絶望しそうになったりもされています。
そこに、この〈国道食堂〉があって、そんな人たちが美味しいものをたくさん食べ、休憩していくうちに希望を見出していくところが素敵でした。

ジャンプするために、しゃがんで力を溜める場所なのかもしれませんね。