こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『代表取締役アイドル』小林泰三

2020-08-20 19:49:33 | 読書感想
 
河野ささらは、アイドルグループ「ハリキリ・セブンティーン」のメンバーだったが、ファンがセンターの子を切りつけた事件によってグループが活動停止となる。
そうでなくても、身近に傷害事件を見た事がトラウマになって引きこもっていた。

そんな中、レトロフューチュリア社長の石垣忠則氏が、偶然見ていたテレビでのささらの発言を気に入り、”ナウいヤング”の意見を取り入れようと、ささらを社外取締役に抜擢した。

問題は、この忠則社長(後の会長)が、どんなに無茶な要求でも、部下は実現しなくてはならないし、できると思っているという、パワハラ社長で、息子の忠介(後の社長)も、そう思っている事。
さらに、社長の交代時の「売り上げを十倍にしろ」という命令が、ただでさえ社員の歪んでいた心をもっと歪ませ、あらゆる不正が生まれてしまう。
あらゆる面で状態が悪くなっていく会社に、上層部では、ささらだけが心を痛めていく。

石垣会長と社長というトップばかりか、中間管理職まで腐敗していって、ささらじゃなくても問題意識を持ちますよねえ?
何と言いますか、二代目、三代目となるに従って、一族経営はこうなりがちなんでしょうか?
某国のトップのようにも思えるのですが。
小説は、それも改善されそうですが、現実が怖いです。
コメント
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