こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

そして誰もいなくなった

2011-06-21 00:00:00 | 未分類
アガサ・クリスティさん『そして誰もいなくなった』を読みました。

南デヴォンの海岸沿いにある島に足止めされた十人が、童謡の歌詞の通りに次々と殺されていきます。
歪んだ正義感を持ったこの事件の犯人は誰なのか?

あまりにも冷静に冷酷に、殺人を手際よく成し遂げていく犯人に寒気を感じつつも、
クリスティさんの綿密な計算と鮮やかな手口に拍手を送らずにいられません。

とても怖く、面白いミステリでした。

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橘花抄

2011-06-20 00:00:00 | 未分類
葉室麟さん『橘花抄』を読みました。

父親を失った卯乃は、筑前黒田藩の藩士立花五郎左衛門重根に引き取られることになった。
養父の重根は、卯乃を慈しんでくれたが、実父の死のまわりにアリ不穏な物事について、
卯乃に告げ口した者がいたことから気鬱になり、目が見えぬようになってしまった。

周囲で、重根に対する、様々な妬み嫉み陰謀が育まれた事から、卯乃は色んな不幸にさらされます。
それでも、己に恥じることが無く真っ直ぐに進めば、小さな幸せは得られるということでしょうか?
卯乃も重根一家も強い人々だと思います。

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最後の遣唐使 副使を蹴った男 小野篁

2011-06-19 00:00:00 | 未分類
渡辺郁子さん『最後の遣唐使 副使を蹴った男 小野篁』を読みました。

第十七回 承和の遣唐使において、副使であった小野篁が、乗船拒否という謀反を起こしながら、
なぜ断罪を受けることなく、正三位左代弁という高官位を受け、人生を全うできたのか。
その理由を解読したのが、この物語です。

「文徳実録」によると小野篁とは、「権威に屈せず、己の正しいと考えるところを
何者も恐れず理路整然と直言する、類稀な学才と強い倫理観を持った人物」らしいです。

読んでみて、とても尊敬できますが、とても真似できないほどの信念の持ち主だと思いました。
こんなに正しく生きられ、しかもそれを正当に評価してもらえたら、どんなに素晴らしいことでしょう。
運と人にも恵まれていた方なのでしょうね。

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風の邦、星の渚 レーズフェント興亡記

2011-06-18 00:00:00 | 未分類
小川一水さん『風の邦、星の渚 レーズフェント興亡記』を読みました。

モール庄の近くの泉にいるレーズは、遠くから来てここに居つき、一人ではここから離れられない者だという。
そして彼女は、孤独を慰めてくれる町をここに作って欲しいと言った。

フェンキハウゼン男爵ヴォルフラムの子、ルドガーは、モール庄の荘司という名目で、
この地に流され、彼女に出会った。
彼女に言われるまでもなく、ルドガーの夢は異邦人が退けられたりしない町を作ること。
こうして利害は一致し、悲劇を味わいながらも、偶然と幸運に助けられて、
彼は望みを叶えようと努力していく。

ファンタジーに見えて、実はSFのこの物語。
中世ヨーロッパの歴史にも興味がわく奥深いものでした。
ただ、もうちょっとSFを味わいたかったです。
物語が長大になりそうなので、難しいでしょうけど。

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この世にひとつの本

2011-06-17 00:00:00 | 未分類
門井慶喜さん『この世にひとつの本』を読みました。

大塔印刷の社長・巌は、女流書家・坂部幽嶺のパトロンである。
その幽嶺が、五日前から行方不明になっていた。
さらに、大塔印刷の工場の同じ部署の社員が三人も白血病で亡くなっているという。
社長は、どちらについても息子の三郎に調査を命じた。

幽嶺の失踪の理由とその行方、社員の病の原因とは?

幽嶺の望むものと、社員の病の原因がこんなにも見事につながるとは!

史上最速の窓際族と言われる柴健彦ですが、記憶力は抜群ですし、何より人を見る目があったようです。
三郎の才能が、この調査によって見事に開花したのですから。

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