隅の風景

恩田陸さんの紀行集『隅の風景』を読みました。

「ロンドンで絵を買う」までは、イギリス児童文学の挿絵っていいよね。
と普通に楽しんでいました。
でも、読み進めるにつれ、チェコの生ビールとトラチェンカ、台北のお粥、スープ、点心、
韓国の海産物に冷麺、スペインのバルのおつまみ、日本に戻って阿蘇の酒池肉林、
熊本で梶尾真治さんとの馬刺し堪能など、食いしん坊で梶尾さんファンの私としては、
風景など、そっちのけになってしまいました。

梶尾さんとの会話など、一切書いてはいませんでしたが、そこはそれ、雰囲気を想像しながら、
楽しみました。

空腹時に読むと、危険な紀行集です。

陰陽師 醍醐の巻

夢枕獏さんの『陰陽師　醍醐の巻』を読みました。

今回の陰陽師もバラエティに富んだ内容で、博雅よりも笛の上手な童子が現れたり、
伽羅の匂いを残して消える不思議の女の話があったり、
はたまた藤原実貞の身に起きた怪や、日に一度大津から逢坂山に至り、
京へ下っていく老人の話など、しみじみするものから、おぞけが走るものまで、
様々です。

そんな中、時が移ろいながらも、清明と博雅が共に盃を傾けて語らっている。
この小さな幸せが続いて欲しいと願わずにいられません。